オリジナル記事
2024/07/22
2024年上半期(1~6月)のスタートアップの資金調達額は3253億円。前年の同時期に集計した2023年上半期の調達額(3354億円)と同水準であった。 IPO環境の厳しさが続いているなかで投資家は慎重な姿勢を崩していない。シード・アーリーへ投資が流れ、レイターの大型調達が縮小していることにも、選別の進行が表われている。VCファンドの新設額は順調に推移しており、スタートアップへの関心の高さは継続している。また、政府による大規模な支援が進捗していることなどから、向かい風の環境下で踏みとどまっている格好といえよう。 スピーダ スタートアップ情報リサーチが国内スタートアップの資金調達動向をまとめた『Japan Startup Finance』の最新版・2024年上半期レポートは7月30日(火)に公開予定で、解説セミナーも8月22日(木)に実施する。 本稿ではそれに先立ち、レポートのエッセンスを速報としてお伝えする。
2024/01/24
2023年のスタートアップによる資金調達額は7536億円。世界から1年遅れる形で、2022年のピーク(9664億円)を下回った。 グロース市場の低迷をダイレクトに受けたレイターの苦戦がみえるものの、全体の資金調達は後から判明するものを考慮すると、2021年並みの8500億円程度となる。前年比12%減は、スタートアップへの投資額が約半減となった欧米ほど、市況の影響を受けていないといえる。調達社数はシード・アーリーを中心として、実態としては増加していると考えられる。 INITIALが国内スタートアップの資金調達動向をまとめた『Japan Startup Finance』の最新版・2023年レポートは1月31日(水)に公開予定、解説セミナーは2月15日(木)に実施する。本稿ではそれに先立ち、レポートのエッセンスを速報としてお伝えする。
2023/12/21
国内スタートアップへの期待が高まる中、独立系VCの雄であるグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCP)は、今年3月末に7号ファンドの募集を727億円という過去最大規模にて完了。同時に米国拠点の開設と投資先企業へのグローバル展開支援を強化する方針を発表した。 同VCは海外投資家との関係構築を積極的に進めており、グローバルとの接続を主導するGCPの湯浅エムレ秀和氏と深川康介氏へ欧州訪問直後に取材し、欧州訪問で感じた手応えや日本と海外のスタートアップ・エコシステムにおけるギャップについて伺った。
2023/07/23
日本の未上場市場のトレンドに変化が起きている──。2023年上半期のスタートアップの資金調達額は3354億円。前年の同時期に集計した2022年上半期の調達額(4160億円)から減少した。 2022年に世界中のスタートアップが「冬の時代」に突入する中、日本のスタートアップによる資金調達額は過去最高を更新。ただ、2023年は日本も上場市場の影響を遅れて受ける形となった。 INITIALでは国内スタートアップの資金調達動向をまとめた『Japan Startup Finance』の最新版・2023年上半期レポートを7月31日(月)に公開予定だ。本稿ではそれに先立ち、レポートのエッセンスを速報としてお伝えする。
2023/06/30
今、スタートアップの中でも注目度が高い、研究開発型。研究開発型スタートアップの現状を複数の角度から明らかにし、適切に理解することを目的に、これまでデータからその実態とファイナンスをみてきた。 特集最後となる今回は、研究開発型スタートアップへの投資実績が多い投資会社6社7名へのインタビューを通じて、定性面から確認する。
2023/05/31
研究開発型スタートアップは、社会課題を解決するためのイノベーションをテーマに持つことが多く、グローバルに通用する可能性を秘めることから注目される。 本特集は、研究開発型スタートアップの現状を複数の角度から明らかにし適切に理解することでその発展に貢献することを目的としている。前回の実態編では、研究開発型スタートアップにまつわる現状をデータで示した。 2回目となる今回は、ファイナンスデータを中心とした分析を行った。研究開発型スタートアップの成長の変遷を明らかにすることにより、その特徴を数値で掴む。
2023/04/28
今、日本発グローバルユニコーンの担い手として、「研究開発型スタートアップ」を支援する動きが目立ってきた。人口減少や気候変動など深刻な社会課題解決を目的とした企業で、未上場市場でレイターまで到達するケースも増えている。 しかし、そもそも研究開発型スタートアップとは何か。INITIALでは、研究開発型スタートアップを独自に定義した。「研究開発型スタートアップ解体新書」と題し、全3回に渡って研究開発型スタートアップの実態、ファイナンス、事例から現在の姿を捉え、今後の可能性を探ることを試みる。 今回は第一弾として、研究開発型スタートアップと、そこへ投資する投資会社の実態を追及する。
2021/10/07
創業180年を迎える豊島は、未上場ながら従業員約600人で売上高2000億円を稼ぐ繊維商社だ。戦前から続く繊維商社が今年、スタートアップの技術を活用したスマートタウン構想を発表。老舗の繊維商社からライフスタイル商社への変貌を目指すという。 2017年にスタートアップ投資専門の「みやびベンチャーズ」を設立し、全社をあげてスタートアップとの協業に本腰を入れる。しかしその投資スタイルは他と一線を画している。 昨今のCVCでは独立系VCのようにシードステージでの投資や、素早く意思決定できる体制への整備を進める動きが見られるが、豊島はあえて投資まで3段階のプロセスを設け、3ヶ月かけて多数のメンバーで議論をしながら、投資検討を進める。 一見コストのように見える時間をかけた投資プロセスと多数の参加者には豊島ならではの理由があった。その理由を豊島の溝口量久氏、和泉ちひろ氏、みやびベンチャーズの井上 恒一氏に聞いた。
2021/10/05
発電・エネルギー事業を手がける電源開発(J-POWER)は中長期の成長を見据え、2018年からスタートアップへの投資・協業に本腰を入れている。 同社はCVCとしては後発だからこそ、特徴を打ち出すことを意識してきた。シード・アーリーステージに転換社債型新株予約権付社債(CB)で出資するなど、異例の投資スタイルを取り入れる。 VCの経験者などを採用したわけではなく、自社のプロパー社員3名でCVCを立ち上げたJ-POWERは、事業の特性などに合わせてどのように独自の投資手法を築いてきたのか。CVC活動を推進する遠藤二郎氏にユニークな投資戦略について聞いた。
2021/09/30
スーパーアプリのGrabやECのBukalapakなど、東南アジアを代表するユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)が2021年以降、続々と上場を果たそうとしている。 前編『ユニコーンの卒業でどう変わる?東南アジアのスタートアップの未来』ではこうしたユニコーン達がどのようなスタートアップのエコシステムを形成し、新たにどのような企業が成長を遂げようとしているのかを紹介した。 VCの投資意欲は依然として強い上、有力なスタートアップ企業に対してはGrabなどの先行組だけでなく、中国のテック企業やタイの財閥なども秋波を送る。そんな中で、日本企業が存在感を発揮し、ともにイノベーションを起こしていくためには何が求められるのか。 シンガポールでスタートアップ投資などの最前線に立つ3人の識者に聞いた。
2021/09/09
IoTやAIなどの最新技術を活用し、あらゆるモノやサービスをつなげる「Woven City」と称したスマートシティーを静岡県裾野市に建設しようとしているトヨタ自動車。自動車メーカーの枠を超え、「豊かな暮らしをもたらすモビリティの創造」を目指す。 そんな世界の実現のために設立されたのが総額8億ドル(約880億円)規模のグローバル投資ファンドを運用しているウーブン・キャピタル(Woven Capital)。同社はトヨタ自動車の子会社であるウーブン・プラネット・グループのCVCとしてスタートアップと対等な立場でGive & Giveを目指す。その根底にあるミッションドリブンな投資手法とは。また、多彩な経歴を持つメンバーが、以前のキャリアから何を学び、現在に何を活かしているのか。 マネージング・ディレクターのジョージ・ケラマン(George Kellerman)氏とプリンシパルの加藤道子氏に話を聞いた。
2021/08/20
“Japan Startup Funding” is a report detailing funding trends among Japanese startups that is independently researched and released on a biannual basis by INITIAL, one of Japan’s leading startup information platforms. This is an English translation of the summary report prepared in collaboration with NewsPicks’ editorial department in advance of the release of INITIAL’s full mid-term report for the first half of 2021 (full report available in Japanese only).
2021/08/18
技術により社会課題を解決できると期待されるディープテック(研究開発型)のスタートアップ。技術的なイノベーションの担い手として国をあげて育成に乗り出そうとしているものの、収益化までに時間がかかる、投資家側の技術の目利きが難しい、などの理由から資金調達には苦戦する企業も多い。 そのような中、ディープテックのスタートアップを資金面から支える役割を期待されているのが大学系VC。国立大が先行しているが、私大の中でディープテックの可能性にいち早く目をつけ、投資をしてきたのが、慶應義塾大学のVC、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)だ。 2021年には2号ファンドの設立を発表し総額約150億円を運用する。代表を務めるのはグリー共同創業者の山岸 広太郎氏だ。 KIIのスタートアップ支援は投資にとどまらない。「ディープテックの発展には、資金とビジネス系人材が必要だ」と語るKII代表・山岸氏に、これまでの研究開発系スタートアップ支援の実績や課題、展望などについて話を聞いた。
2021/08/16
月に1度お届けする「海外ニュース丸わかり」では、世界で続々と誕生するユニコーンに着目。足元ではどんなスタートアップが順調に資金を調達し、企業価値を拡大しているのか。ユニコーンの動向を読み解くことで、今後、日本のスタートアップ業界に起こるであろうトレンドをいち早くキャッチする。 今月はFinTechでトレンドとなりつつある「スーパーアプリ化」に加え、急速に伸びている開発系サービスやFoodTechについて、注目スタートアップ企業やそこから見てくるトレンドを紹介する。さらに、急成長を遂げる「将来のユニコーン候補」についても、EdTechとFinTechやクリエイターエコノミーと掛け合わせた新たなサービスの動きなど、注目ニュースを取り上げる。
2021/08/12
2019年にCVCを設立したダイキン工業。それに先駆け、2017年に大阪大学へ10年間で56億円、2018年には東京大学へ10年間で100億円の資金を拠出して包括提携するなど、産学連携を中心としたオープンイノベーションを積極的に進めてきた。CVCの設立で機動的に投資できるようになったことで、スタートアップとの協業を通じて海外で新サービスを開発するなど、成果の兆しも見える。 CVCを設立することでスタートアップとの協業の仕方はどのように変わったのか。事業部長一人の承認で出資を決定できるユニークな体制をとっている狙いはどこにあるのか。CVCの発案者である、ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長 兼 CVC室長の三谷太郎氏に聞いた。
2021/08/11
今週のトップニュースは、月面輸送サービスispaceの資金調達だ。 今回のispace資金調達のポイント、国内宇宙スタートアップの調達額ランキング上位から見える共通点を探った。 そのほか、スパークス・グループが総額1000億円を目標とする「未来創生ファンド3号」を設立したニュースや、家庭料理配達サービスを提供するAntwayによる約15億円の調達について解説する。
2021/08/06
がん・認知症の領域に注力する製薬会社「エーザイ」。2021年からは中期経営計画を刷新し、患者だけでなく生活者すべてを支えるため、様々な業界との共創を通じて新たな価値を生み出す取り組みに挑戦している。 2019年に設立されたCVCも少数精鋭のチームながら、スタートアップとの面談数は年間約200社に迫り、日米拠点で世界のスタートアップ10社以上に投資する。 設立からわずか2年でどのように社内コンセンサスを形成し、グローバルで組織体制をつくってきたのか。CVCの立ち上げ時の幹部説得法や組織作りの秘訣について、CVCを管轄するエーザイ長山 和正氏と、投資を担当する石田 英和氏に聞いた。 ※本記事は、2021年5月18日に行われたHOME TO HOME セミナー「CVCを新設したエーザイが挑む、スタートアップ投資 x オープンイノベーション」と追加取材の内容が元になっています。
2021/07/16
スタートアップ投資に会社の未来を賭ける丸井グループ。従来の小売と金融に加え、2016年から未来投資を事業の3本目の柱にすべく、青木 正久氏を中心にスタートアップとの協業を進めるための組織を構築してきた。 スタートアップとの協業を担うチームには約170人もの社員をアサインし、チームリーダーには役員を据える。さらに今後5年間では、200億円をスタートアップ投資に充てるなど、「ヒト・モノ・カネ」を集中投下し、共創投資を軸にした成長戦略に力を入れる。これまでの組織の変遷から経営におけるスタートアップ投資の位置づけ、KPIの考え方などについて丸井グループ共創投資部長の青木氏に聞いた。
2021/07/09
半導体製造装置の東京エレクトロン(TEL)は2006年米国にCVC「TEL Venture Capital(以下、TEL Venture)」を設立した。日本企業としては老舗のCVCにあたるが、設立直後には大きな壁に直面し、立ち上げ数年間は成果となる新規事業の創出に至った案件はゼロ。そんなCVCの立て直しに抜擢されたのが、同社で30年以上半導体事業に携わってきた圓城寺 啓一氏だった。 圓城寺氏は代表就任後、組織編成から投資方法まで、全てを抜本的に改革し今のTEL Ventureを作り上げてきた。過去の失敗から何を学び、どのように今のTEL Ventureを作り上げてきたのか。独自に確立した「マイルストーン投資」とはどのような仕組みなのか。圓城寺氏に聞いた。
2021/07/02
1970年代からベンチャー投資を行ってきたオムロン。創業者である立石一真氏が設立した「京都エンタープライズデベロップ」(KED、1972年~1979年)は、日本における民間最古のVCと言われる。 時は流れ2014年、オムロンは新たにCVC「オムロンベンチャーズ」を立ち上げたものの、その後、4年間は思ったような成果を挙げることができなかった。転機となったのは2018年。VCの立ち上げから投資、ファンドのクローズまで携わった経験のある井上 智子氏を代表に招き入れ、同社のオープンイノベーションを加速させている。 プロ投資家が加わることでCVCはどのように変わったのか。今回は井上氏にこれまで取り組んできた変革やその手ごたえについて聞いた。「大企業はもっと変わらなければいけない」と語る井上氏の真意をお届けする。
2021/06/25
今、世界中の注目を集めている米国の企業がある。10x Genomics(10エックス・ジェノミクス)。すべての生物の最小単位である1つの細胞を調べて病気が発症するメカニズムを解き明かす最先端の技術、「シングルセル(単一細胞)解析」を手掛ける。 同じ感染症にかかった時に重症になる人と軽症で済む人は何が違うのかーー。2020年以降、世界中を恐怖に陥れたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の研究では同社の技術が重症化のメカニズムの解明に貢献している。 こうした技術の優位性に加え、2012年の創業後、7年という短期間でIPOにこぎつけた同社の動向はバイオ業界のファイナンスの新潮流としても注目に値する。スタートアップ投資において、バイオを含むヘルステックはSaaSなどソフトウェアと並ぶ、今最もホットな分野。同社はそうしたバイオ関連のスタートアップの大型調達に先鞭をつけ、ファイナンスのニュースタンダードになろうとしている。
2021/06/18
デジタル・トランスフォメーション(DX)が騒がれる今から約20年前から、ソフトウェア業界のビジネスモデルを変革した企業がある。顧客管理ツールを提供するSalesforceだ。創業から約20年間で時価総額約20兆円規模まで成長し、世界トップのCRM企業になった。 顧客に求められる機能を付加し続けることで新たな顧客獲得や契約継続に結びつける。SaaS企業の成長に不可欠なこの「進化」の手段として、Salesforceはスタートアップへの投資を位置づけてきた。 SalesforceのCVCはこれまで400社以上に投資し、130社以上のイグジット実績を持つだけでなく、投資先の買収や自社の売上も増加させている。多くのCVCが目標に掲げながら実現に苦戦している「戦略リターンと財務リターンの両立」を同社のCVCは見事に実践し、企業力の向上に着実に結びつけてきた。 Salesforceはどのようにスタートアップ投資を会社の成長につなげてきたのか。戦略リターンと財務リターンを両立させる、独自の仕組みとは。本記事ではSalesforceのCVC運営を支える仕組みを明らかにした上で、国内CVCがそこから学べる3つの示唆を提示する。
2021/06/10
いま、経済活性化やイノベーション創出の担い手として期待が寄せられている「研究開発型スタートアップ」。 一方で研究開発ビジネスの成功には高い壁がいくつも立ちはだかる。技術を開発するだけでも数年を要し、それから生産技術を確立し、量産するまでには多くの資金とリソースを必要とする。そんな研究開発型スタートアップを支援するVCにもまた、専門知識に加え多彩なサポートが求められる。 前編では、リアルテックファンド代表を務める永田暁彦氏と、ユニバーサルマテリアルズインキュベーターでパートナーを務める山本洋介氏に、研究開発型スタートアップへの投資の目利きポイントについて聞いた。<br> 前編:技術だけでない、研究開発型スタートアップの見極め方 後編となる本記事では大企業との連携や出口戦略についてお届けする。 ※本記事は、2020年12月3日に行われたHOME TO HOME セミナー「世界を変える、研究開発型スタートアップ投資の今」の内容が元になっています。
2021/06/03
近年世界的に注目が集まる「研究開発型(ディープテック)企業」。 技術大国と称される日本でも、研究開発を強みとする企業が多く存在し、社会課題の解決に期待が寄せられている。 しかし、設備も資金も必要な研究開発型スタートアップでは、資金調達・連携の事例はソフトウェアサービスに比べてまだ少なく、投資判断や支援も容易ではない。 そこで研究開発型スタートアップ投資の目利きポイントについて、本領域の投資家として第一線に立つ、リアルテックファンド代表の永田 暁彦氏と、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーターの山本 洋介氏に聞いた。 ※本記事は、2020年12月3日に行われたHOME TO HOME セミナー「世界を変える、研究開発型スタートアップ投資の今」の内容が元になっています。
2021/05/28
「成長株運用の祖」と称されたトーマス・ロウ・プライス・ジュニアが1937年に創業した、ティー・ロウ・プライス(以下、T.Rowe)。米国を代表する機関投資家だ。他社に先駆ける形で2015年から日本のスタートアップに投資を始めている。 T.Roweに続く形で、日本のスタートアップ投資において、フィデリティ・インターナショナルやKKRなど海外VC・機関投資家の存在感が増してきた。 海外投資家はなぜ今、日本のスタートアップに関心を寄せるのか。他の国と比較した日本のスタートアップの魅力はどんなところにあるのか。T.Roweで日本株式運用のポートフォリオ・マネジャーを務めるアーシバルド・シガネール氏に聞いた。
2021/05/25
今週のトップニュースは東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)の新ファンド設立だ。同ファンドは日本のサイエンス・テクノロジー領域としては大型規模となる300億円超を目指しており、同領域から日本発のグローバル企業を創出することを掲げる。 AI×光学技術×バイオ技術のシンクサイトがシリーズBで総額28.5億円を調達した。同社のリード投資家が「IPO時の時価総額は1000億円規模になる可能性を秘める」と語るシンクサイトの魅力についても紹介する。 GLOBAL EYEコラムでは、海外主要VCベンチマーク(Benchmark)の特徴と注力分野について解説する。
2021/05/20
富士通のスタートアップ投資が進化しようとしている。2019年に時田隆仁社長が就任したことをきっかけに、グループの非連続な成長を推進するための社長直下の組織として「Strategic Growth & Investment室」(以下、SG&I室)を新設。2021年3月にはCVCファンドを運用する子会社の富士通ベンチャーズを設立し、総額100億円のファンドを組成するなど、矢継ぎ早に手を打ち、体制を構築しようとしている。 新設された富士通ベンチャーズの代表には米シスコシステムズ(以下、シスコ)やNTTドコモ・ベンチャーズでCVC投資の実績を持つ矢島英明氏を招聘した。富士通は今後、どのようにスタートアップ投資を加速し、グループ全体のシナジー創出につなげようとしているのか。矢島氏に聞いた。
2021/05/18
今週のトップニュースでは任天堂創業家のファミリーオフィスや海外機関投資家のフィデリティ・インターナショナルらから26億円を調達したマネーツリーを取り上げる。一般的に海外機関投資家などが国内の未上場スタートアップに出資することは珍しい。今後の成長を期待した”異例の青田買い”をする背景について解説した。 また、アート×ブロックチェーンで事業展開するスタートバーンは11.2億円を調達し、海外展開と話題のNFT市場に本格進出する。 GLOBAL EYEコラムでは、世界中でユニコーンに投資する海外主要VCセコイアキャピタル(Sequoia Capital)の特徴と注力分野について解説する。
2021/05/13
2008年からスタートアップへの投資を続け、日本のCVCの中でも長い歴史を持つNTTグループ。組織再編を経て2013年に誕生したCVC、NTTドコモ・ベンチャーズはシリコンバレーにも拠点を持ち、世界の最先端技術を自社のビジネスに活かしてきた。ただ、スタートアップ投資を始めてからこれまで、すべてが順風満帆だったわけではない。CVCのあるべき姿について社内で議論を重ね、試行錯誤を繰り返してきた歴史とも言える。 NTTドコモ・ベンチャーズはどのようにして海外で体制を作り、現在のような投資手法に行きついたのか。2013年からシリコンバレーで投資に携わり、2018年から同社の代表を務める稲川尚之氏に、これまでの投資の歴史とCVC成功の秘訣について話を聞いた。
2021/05/11
今週のトップニュースはソーシャルレンディングのファンズによる20億円調達だ。上場企業の資金調達の選択肢としての定着を狙うファンズが今後ターゲットとする76兆円市場について解説する。 他にもみやこキャピタルが142億円のファンド組成を完了したニュースや米国の注目スタートアップ、Geniesについて紹介する。 GLOBAL EYEコラムでは、海外主要VCアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)の特徴と注力分野について解説する。
2021/05/07
日本のSaaS企業が海外投資家からの注目を集めている。 2021年4月には東証マザーズ上場のfreeeが海外での大型調達を実施。同社はIPO時にも海外投資家を呼び込んでおり、その後も海外からの調達を継続するモデルの先陣を切った。 Sansan、freeeに続く形で、2020年に上場したSaaSのプレイド、ヤプリもIPO時に海外からの大型調達した実績を作り、海外投資家を株主に迎えることが当たり前になりつつある。 2社は、実現したい世界観を掲げ、その達成に向けて創業から時間をかけてプロダクトを磨き込み、評価を高めて上場時に海外投資家からの資金を集めた点が共通している。 プレイド、ヤプリは上場までにプロダクトをどのように作り上げてきたのか。その過程で会社の目指す方向性をどう定めて事業成長させ、海外投資家にどう自社の魅力を伝えてきたのか。 プレイド代表の倉橋 健太氏、ヤプリ代表の庵原 保文氏と、両社を投資家として支援してきたEight Roads Ventures Japan 村田 純一氏の対談をお届けする。
2021/04/17
ディープテックなどのけん引役として期待される大学発スタートアップ。2022年からは国立大学によるスタートアップへの直接投資が解禁されるなど、追い風が吹く。ただ、Spiberなどが量産体制に入って順調に資金調達をする一方で、事業の進捗が十分でなく新規調達時に株価を引き下げる企業も散見される。足元ではどんな企業が資金を調達し、成長を遂げているのか。大学発スタートアップの最新動向を追う。
2021/04/13
今週のトップニュースはリアルテックホールディングスのインパクト投資開始について解説する。世界的なSDGs重視の流れを受け、スタートアップ投資においても財務リターンだけでなく、社会・環境面での課題解決を追求する動きが強まっている。 他にも、日立製作所が知能ロボットシステム開発のKyoto Roboticsを買収した狙いや、猫専用首輪型デバイスを開発するRABOの6億円調達ニュースについてとりあげる。 Exit Reviewでは2021年1月〜3月の米国スタートアップの新規上場について解説する。今回はAndreessen HorowitzやSequoiaなど複数の著名VCが初期投資家として名を連ねる注目の7社とともに国内類似スタートアップを紹介する。米スタートアップと類似サービスを提供する国内スタートアップの動向に注目だ。
2021/04/08
日本のCVCの中でも特にグローバル展開で先行し、実績を積み重ねている旭化成ベンチャーズ。2008年から投資を開始し2011年には拠点をシリコンバレーに移して現在、米国・欧州・中国の3拠点で活動している。投資先はほぼ海外のスタートアップで、うち2社を買収している。以前の「CVC虎の巻」では旭化成ベンチャーズの森下隆氏に、どのように海外スタートアップと旭化成の技術を組み合わせているのかを聞いた。 参考記事:技術の掛け合わせで事業創出。旭化成が語る、米国での「やめない」挑戦 続編となる今回はCVCを設立する上での苦労やターニングポイント、事業部とのコミュニケーションについて詳しく聞いた。 ※本記事は、2021年3月24日に開催したHOME TO HOME セミナー「旭化成CVCが米国で10年間成長し続ける秘訣 ~起点は研究開発費の使い道~」の内容が元になっています。
2021/03/25
ユニコーン企業が次々に生まれる中国のスタートアップ環境だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて変化を迫られている。今後、中国ではどのようなスタートアップが頭角を現すのか。 総額80億米ドルを運用する中国大手ベンチャーキャピタル(VC)ファンドLegend Capitalの朴焌成(Joon Sung Park)氏に、中国でスタートアップが続々と誕生する理由や、直近エコシステムの変容、注目セクターについて聞いた。
2021/03/12
2020年はコロナ禍がスタートアップの資金調達にどのような影響をもたらすかが懸念されたものの、結果的に調達金額は前年に比べて約10%の減少にとどまった。 調達金額の落ち込みは一時的なものなのか、多様化している資金調達は今後、スタート アップの成長にどのような効果をもたらすのか。スタートアップの新潮流をシニフィアンの共同代表である朝倉祐介氏に聞いた。 ※本記事は、2021年2月9日、2021年3月4日に行われたHOME TO HOME セミナー「2020年スタートアップ資金調達動向 -JapanStartup Finance 2020 -」の内容が元になっています。
2021/03/05
東証市場再編の前編記事、『乗り遅れるな、東証市場再編。スタートアップに与える4つの影響とは(前編)』では、アセットマネジメントOne 岩谷渉平氏、東京証券取引所上場推進部課長の宇壽山図南氏による補足とともに市場再編の概要とスタートアップへの影響を解説した。 市場再編後IPOのタイミングは二極化すると考察したことから、後編ではIPO前のスタートアップに投資するレイター投資家の視点を共有する。 レイター投資家の厚みが増しつつあることで、未上場でもスタートアップは大きく成長することが可能となった。市場再編により上場市場の選択や上場タイミングへの影響について考えたい。 今回話を聞いたのは元メルカリCFO長澤啓氏とモルガン・スタンレー出身でIPO支援実績が豊富な村島健介氏だ。二人は2020年10月に海外機関家と共同でグロース投資ファンドを設立している。 IPO実務を行う中で痛感した問題意識からファンド設立した二人に、レイターステージの課題、市場再編後のスタートアップIPOについての考え方を聞いた。
2021/02/26
“Japan Startup Funding” is a report detailing funding trends among Japanese startups that is independently researched and released on a bi-annual basis by INITIAL, Japan’s largest startup information database. This is an English translation of the summary report prepared in collaboration with NewsPicks’ editorial department in advance of the release of INITIAL’s full “Japan Startup Funding” report for 2020 (currently available in Japanese only). <div style="text-align: right;"> Atsuko Mori <br>Executive Officer and Senior Analyst at INITIAL/Uzabase </div>
2021/02/22
2021年2月、CVCによるスタートアップM&Aが発表された。ポーラ・オルビスホールディングス(以下、ポーラ)によるD2C企業・トリコの買収だ。 奇しくも同時期に、コクヨもEdTech企業CLEARの買収を発表した。同社にとってスタートアップの子会社化は初である。 スタートアップ買収については、直近上場したインターネット企業が買い手企業になる事例は増えてきたものの、売上数千億円規模の東証一部メーカー企業が主体になるケースは珍しい。 今後、オープンイノベーションは次のステージに向かうのか。本記事では、先週のスタートアップM&Aニュースを中心に、今後のEXIT動向についてコンパクトに解説する。
2021/02/04
DXに一層の関心が高まる昨今、国内SaaSスタートアップの資金調達が活発になっている。 今や、国内投資家のみならず、米ベンチャーキャピタルや海外プライベートエクイティファンドが日本のスタートアップへ投資する姿も目立つ。背景には海外でのDXが先行し、海外投資家に知見があることも理由の1つだろう。 INITIALでは、グローバルに投資実績を持つジェネシア・ベンチャーズの鈴木 隆宏氏、DNX Venturesの湊 雅之氏にインタビューを実施。それぞれ東南アジア、欧州を拠点に活動する2名から、海外の最新SaaS投資トレンドと国内SaaS投資動向をテーマに話を聞いた。 欧米・東南アジアのスタートアップ市場の状況を受けて、国内市場に変化は見られるか。また、国内SaaSスタートアップで成長を期待する領域と投資のポイントは。 ※本インタビューはINITIAL主催のH2Hセミナー「新時代のSaaSスタートアップ投資」が元になっています。
2021/02/01
スタートアップの最新トレンドを発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース解説と注目スタートアップのインタビューをお届けする。 ピックアップニュースでは、ネクストミーツがSPACスキームにより米国で株式公開をしたニュースに注目。彼らのビジネスである代替肉の可能性と課題について解説する。また、慶應イノベーション・イニシアティブの100億円規模の2号ファンド設立、宇宙スタートアップのニュースを紹介する。 注目スタートアップでは、オンライン診察によるピル処方アプリを提供するネクイノ社を取り上げる。同社は国内FemTech(女性の健康課題を解決する)企業としては初となる10億円以上の大型調達を実施。資金調達の背景と、市場規模が小さい中での勝ち筋について、ネクイノ取締役副社長の大沼 康宏氏とリード投資家のジャフコ グループ高原 瑞紀氏に聞いた。
2021/01/22
機関投資家がついに、CVC運用に参入した。 独立系資産運用会社・ハヤテインベストメントは2021年1月、管理部門・士業特化型の人材紹介会社であるMS-Japan(東証1部上場企業)と共同でCVCファンド設立を発表した。機関投資家がCVC設立支援・運用サービスに関わるのは、日本では珍しい取り組みだ。 ハヤテインベストメントは今後、事業会社とのCVCファンド運用を強化していく動きだ。上場企業への投資信託事業を中心に行っていた機関投資家が、なぜCVC事業を強化していくのか。なぜコロナ禍の今なのか。 INITIAL編集部は、ハヤテインベストメント代表取締役・杉原 行洋氏と、CVC共同運用を決意したMS-Japan代表取締役の有本 隆浩氏にインタビューを敢行。 過去のスタートアップ投資実績の紹介とともに、ハヤテインベストメント・MS-JapanがCVC運用に参入する理由と意図に迫る。
2021/01/18
スタートアップの最新トレンドを発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース解説とFinance Reviewのコンテンツをお届けする。 ピックアップニュースでは、京大VCが180億円規模の2号ファンドを設立したニュースから、大学発スタートアップの現状と東証市場再編による影響について解説する。また、SoftBank Ventures Asia国内初の投資案件となる注目スタートアップの資金調達や、Sansanの東証一部への市場変更ニュースについても解説する。 Finance Reviewでは、2020年12月の資金調達額ランキングについて分析する。調達額上位10社にランクインしたモンスター・ラボとウフルは、官民ファンド1社から大型調達を受けた。設立16年目ながら未上場で資金調達を選択している背景と、今後海外展開、M&Aを未上場で行う事例がトレンドになるかを展望する。
2021/01/15
昨今、新たな収益の柱を生むための新規事業開発や、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の立ち上げを通じた投資・協業先を模索する企業が増えている。市況が大きく動く中で、投資先のソーシングや協業のあり方にお悩みの方も多いのではないか。 INITIALでは、投資先の経営や事業拡大を積極的に支援する朝日メディアラボベンチャーズの白石 健太郎氏、グロービス・キャピタル・パートナーズ 野本 遼平氏にインタビューを実施。CVC・独立系VCと立場が異なる2名から、スタートアップ投資と協業をテーマに話を聞いた。 投資成果のKPIとして、財務リターンと戦略リターンをどう考えるのか。また、それぞれから見えるスタートアップ投資のリアルとは。 ※本インタビューはINITIAL主催のH2Hセミナー「伝統企業が描く非連続な成長〜スタートアップ投資で切り拓く事業の未来」が元になっています。
2020/12/24
見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では化粧品メーカー、ポーラ・オルビスホールディングスが運営するCVC「POLA ORBIS CAPITAL」の岸裕一郎氏のインタビューから、CVC運営の実践方法を紐解く。 POLA ORBIS CAPITALは、母体であるポーラ・オルビスホールディングス(以下、ポーラ・オルビスHD)の総合企画室傘下で運営を行っている。当時入社3年目だった岸氏の提案により2018年に部署を立ち上げ、現在は2名でスタートアップへの出資や業務提携を行っている。 VCや投資経験がない中、ゼロから立ち上げ2年半で15社に出資。構成メンバーは2名のみ。投資領域は化粧品や女性向けサービスなどに限らず、幅広い領域でスタートアップとの協業を生み出している。 なぜ少人数かつ出資経験がない中で、CVC運営を継続できているのか。投資を決定する上で大切なこととは。岸氏がCVC立ち上げから行った具体的な行動とともに、ポーラ流・スタートアップ出資の極意に迫る。
2020/12/15
CVC活動を行う上で、スタートアップとの協業は避けては通れない。今回は、凸版印刷のスタートアップ投資とコミットに焦点を当てた。大手印刷会社がスタートアップとどのように協業し、ビジネスを展開しているのかについて解説する。 トッパングループでは中長期的な経営戦略の一部として、成長事業領域におけるオープンイノベーションや少額出資、買収を通じた事業展開の加速を掲げている。この中で、少額出資を手段としてスタートアップと連携し、事業開発までを手掛けるのがトッパンCVCのチームとなる。 本インタビューでは、凸版印刷株式会社 戦略投資センター課長、ユニファ株式会社 社外取締役の坂田卓也氏のほか、国内投資チームの吉田 光志氏にCVCの投資スタンス、投資先へのコミットメントについて話を聞いた。
2020/12/10
シンガポール政府系投資会社テマセク傘下のVC、Vertex Holdings(バーテックス・ホールディングス、以下バーテックス)。これまでにアジアや米国、イスラエルなど世界中のスタートアップに多数の投資を実行し、足元のアクティブポートフォリオは200件以上、AUM(運用資産額)は35億ドルを超える。 最近、そのバーテックスが日本市場の潜在性を感じ、日本企業との協業を加速させている。2019年に組成したファンドには、大手商社やメガバンクなどの日本企業7社がLP出資を行い、2020年9月には東京に駐在員事務所を開設した。 INITIAL編集部は、バーテックスを率いるチュア・キーロックCEOにシンガポール本社で独占インタビューに成功。日本語媒体としては初の取材記事になる。チュアCEOが語るバーテックスの成功の秘訣と日本企業との協業のビジョンに迫った。 グローバルトップクラスVCに君臨するバーテックスの日本戦略とは。日本企業との協業や東京駐在員事務所開設の意図を聞く。
2020/12/03
2020年9月24日に行われたHOME TO HOME セミナー「上場企業CFO&村松竜氏が語る、 IPO前後のスタートアップファイナンス新潮流」では、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 取締役副社長の村松氏、マネーフォワードCFO 金坂氏をお招きし、ユーザベースCFO千葉が最近のスタートアップのIPO前後のファイナンスにフォーカスしたトークセッションを実施した。追加取材した内容を加えて、前後編で公開(前編記事はこちら)。 後編では、新規事業の成功の鍵とベストファイナンスについてお届けする。
2020/11/30
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース解説と注目スタートアップのインタビューをお届けする。 ピックアップニュースでは、ユニコーン企業のTBMが20.6億円を調達したニュースを起点に同じく素材系のユニコーン企業 Spiberとのファイナンスを比較し、今後の素材系スタートアップのファイナンスについて考察する。 注目スタートアップインタビューでは共同購入アプリ「カウシェ」を提供するX Asiaを紹介する。本日、シードでANRI、グローバル・ブレイン、千葉道場ファンドから1.8億円の調達を発表しており、サービスリリースから約3ヶ月での調達となった。中国企業から着想を得たという代表の門奈氏に今後の展開を伺った。
2020/11/27
スタートアップの挑戦を支え、未来を共創するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)。 CVCを始めたものの、スタートアップ投資実務の全体像が見えなかったり、適正価格での投資判断に悩んだ経験はないだろうか。 そこで本記事では、CVC・事業法人でスタートアップ投資に関わる実務者に向けて、スタートアップ投資の実務をわかりやすく徹底解説する。 投資前後のプロセス、投資の見極めポイント、バリュエーションの評価ポイントを解説した上で、具体的な調査・分析方法を紹介する。 なお、CVCの全体像と3大課題とその解決策を説明したCVC虎の巻概要編も合わせて参考にしていただきたい。
2020/11/24
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース解説、Finance Reviewのコンテンツをお届けする。 ピックアップニュースでは、今年スタートアップで二番目に大きい時価総額(想定495億円)でIPOが予定されているウェルスナビの事例を紹介。FinTechスタートアップ調達環境の歴史を振り返り、資産運用スタートアップのEXITを展望する。 Finance Reviewでは、9月、10月の新規ファンド設立状況から、直近投資サイドで見られるトレンドについて解説する。
2020/11/05
見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では伊藤忠商事のインタビューからスタートアップと協業の実践方法を紐解く。 伊藤忠商事は1980年代からシリコンバレーに進出し、海外スタートアップとの協業は30年以上もの歴史を持つ。米国IT企業の日本進出を手伝った経験から現地企業やVCとの関係性も深く、直接投資のほか海外VCへのLP出資も行っている。 2度にわたるシリコンバレー駐在経験があり、現在は日本でVC・戦略投資事業を行う土川氏。「人事異動があってもパフォーマンスが下がらないことが大事」と語る土川氏が心掛けている点とは。商社ならではの強みを生かす、伊藤忠商事のスタートアップ協業法に迫る。
2020/11/02
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース3選、独自取材による注目スタートアップ紹介、マザーズ・IPO企業動向を紹介するExit Reviewのコンテンツをお届けする。 ピックアップニュースでは、ジェネシア・ベンチャーズ80億円のファンド設立をはじめとした、デジタル・トランスフォメーション(DX)領域の注目ニュースを紹介する。 注目スタートアップでは、ゲノム編集技術の研究開発を行うバイオパレットを紹介する。同社は2020年にノーベル化学賞を受賞した技術、CRISPR/Cas9をさらに発展させた基盤技術を有する。9月にはシリーズAで10億円の調達を発表。グローバルでの活躍が期待できる同社について、事業開発マネージャーの岩田清和氏、ジャフコ グループの三浦研吾氏に話を伺った。 Exit Reviewでは、10月に上場したIPO企業の時価総額動向と、11月に上場予定のIPO企業について解説する。
2020/10/26
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、ピックアップニュース3選、独自取材による注目スタートアップ紹介、インドVCの投資状況を定点観測する「GLOBAL EYE」のコンテンツをお届けする。 ピックアップニュースでは、DRONE FUNDによる100億円規模のファンド組成発表から、ドローン、エアモビリティ市場の現状と今後の動向を探る。 注目スタートアップとして、フェミニンケアブランドを展開するMellia(メリア)を紹介する。アパレルD2Cブランドなどと比べると市場規模が小さいからこそ、こだわる今後の事業展開、ファイナンスを見据えた投資家の選定などを代表の原 由記氏、和田 由紀氏に聞いた。 GLOBAL EYEではインドトップVC6社の投資状況を定点観測。インドのスタートアップ投資環境を整理した上で、7〜9月の投資状況から投資セクターやマーケットトレンド、注目のビッグニュースについて解説する。
2020/10/19
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、資金調達など抑えておくべき3大ニュース解説、独自取材による注目スタートアップ紹介、Finance Reviewのコンテンツをお届けする。 10月2週目のピックアップニュースでは、日本国内ではなく米国市場を目指し上場申請した事例を紹介し、EXITの新たなトレンドを探る。 注目スタートアップは、衛星事業者向けクラウドサービスを開発中のスカイゲートテクノロジズを紹介。freee・自衛隊での経験から人工衛星データに着目し、宇宙事業に参入した代表の粟津氏。宇宙マーケットの現状と同社の今後の展開について話を聞いた。 Finance Reviewでは9月の調達額上位10社を分析。研究開発系2社の事例から素材系・バイオ系スタートアップのファイナンス特性の違いについて解説する。
2020/10/11
2020年9月8日に行われたHOME TO HOME セミナー「2020年上半期スタートアップ資金調達動向 -Japan Startup Finance 2020 -」では、シニフィアン 共同代表の朝倉氏と『Japan Startup Finance 2020H1』 執筆者の森敦子(司会:ユーザベース 執行役員 B2B SaaS事業マーケティング&ブランディング担当 酒居潤平)が、2020年上半期のスタートアップ動向を振り返るとともに、今後についてトークセッションを実施しました。本記事ではその内容をお届けします。
2020/10/05
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。今週は、スタートアップ3大ニュース解説、独自取材による注目スタートアップ紹介、マザーズ・IPO企業動向を紹介するEXIT Reviewのコンテンツをお届けする。 9月3〜4週目のピックアップニュースでは、政府、海外起業家、スタートアップ出身者、海外機関投資家など、さまざまな主体による新たなスタートアップエコシステムの兆候について解説する。 注目スタートアップは、音声解析AI電話「MiiTel(ミーテル)」を提供するRevComm(レブコム)を紹介。本日10月5日にシリーズAで7億円の追加資金調達を発表。セカンドクローズの背景についてCFO・鈴木氏に話を聞いた。 IPO企業動向では、ある共通点を持つ10月の新規上場企業2社について解説する。
2020/09/28
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、独自取材による注目スタートアップ紹介、海外VCの投資状況を定点観測する「GLOBAL EYE」のコンテンツをお届けする。 注目スタートアップは、ユーザーコミュニティの構築・運用をサポートするツールを提供するコミューンを紹介する。コミューンは本日9月28日にシリーズAで4.5億円の資金調達を発表。コロナ禍でも成長するプロダクトの特徴や、数ヶ月前倒しで実施したシリーズA調達の背景について代表・高田氏に話を聞いた。 GLOBAL EYEでは米国トップVC7社の投資状況を定点観測。7〜9月の投資状況から、投資セクターの動向などマーケットトレンドを解説する。
2020/09/23
スタートアップの最新トレンドを毎週発信する「INITIAL Briefing」。 今週は、独自取材による注目スタートアップ紹介、資金調達など抑えておくべき3大ニュース解説、Finance Reviewなどのコンテンツをお届けする。 注目スタートアップは、AIを活用した英会話サービスを展開するスピークバディを紹介。1年間で売上5倍まで至ったビジネスモデルを紐解く。あと1ヶ月で資金ショートになる局面まで追い込まれてからシリーズA、Bと無事調達を終えた経験について代表・立石氏に話を伺った。 9月3週目のピックアップニュースでは、メガバンクグループ初の医療系サービス買収上場企業の事例などについて紹介する。 また、Finance Reviewでは8月の調達額上位10社を紹介し、農林中金など政府系投資会社による直接出資の変化について解説する。
2020/09/17
CVC活動を行う上で、スタートアップとの協業は避けては通れない。今回は、三井不動産と、協業先であるナレッジ・マーチャントワークス、テックタッチの出会いのきっかけ、具体的な取り組みに至る過程に焦点を当てた。スタートアップの2社がどのように三井不動産との協業の熱量を高め、形にしていったのかを解説する。
2020/09/14
スタートアップの最新トレンドがわかる週間企画「INITIAL Briefing」。 独自取材による注目スタートアップ紹介、資金調達など抑えておくべき3大ニュース解説、EXIT Reviewなどのコンテンツをお届けする。 注目スタートアップは、子育て関連サービスを展開するTrimを紹介。SDGsの取り組みとして注目が集まる事業領域と、「トイレのようにどこにでも当たり前にある社会インフラをつくりたい」と代表・長谷川氏が語る背景に迫る。 9月2週目のピックアップニュースでは、上場企業・スタートアップによる買収の新たな兆候について解説する。 また、直近のIPO動向や今後の注目IPO企業についても解説する。
2020/09/10
インド・スタートアップ特集「インド・チャンス」。シリーズ最終回となる第3回では、インドの注目ユニコーン企業を概観する。 巨大市場を背景にインドを代表するデカコーン企業はECなどtoC企業が中心だが、BtoBビジネスにも投資家の注目が集まっている。通常、新興国ではBtoBビジネスは成長しにくい中で、インドで立ち上がりが早い要因を解説する。 またこの2年で日本企業によるインドスタートアップへの投資・協業も加速している。ニチレイ、エムスリーなどの事例を紹介しながら、日本企業のインド進出における可能性についても論じる。
2020/09/01
COVID-19の流行によって、2020年は世界的な混乱に陥った。その影響で国内スタートアップの資金調達の大幅減少が懸念されたが、2020年上半期は予想に反して件数、総額ともに昨年対比で増加という結果になった。ファンド設立動向など懸念点はいくつかあるものの、特にレイターステージの投資家属性は多様化し、この環境下でも資金調達件数・金額が縮小しなかったということは、日本のスタートアップの資金調達市場は安定成長期に入ったとの見方も出来る。
2020/08/27
2011年にInMobiがインド初のユニコーンとなってから9年。現時点でのユニコーン数は30社に到達したとみられ、中国、米国に次ぐ規模だ。そのうち4社はデカコーンだ。さらに、2025年にはユニコーンは100社に達すると予想される(NASSCOM)。このポテンシャルを掴むべく、Googleのサンダー・ピチャイCEO、サテラ・ナデラCEO、Amazonのジェフ・ベゾスCEOといったGAFAMトップたちが盛んに「インド詣」をしている。 3回シリーズのインドスタートアップ特集第2回ではユニコーン30社のデータ、著名投資家の動向、インド政府の政策などを通して、インドがスタートアップ大国となった理由を探る。
2020/08/25
ユニコーンは30社に到達し、1兆円を超える投資資金が投入されているインドのスタートアップシーン。世界で唯一、中国に匹敵する人口規模を持ち、豊富なテクノロジー人材を抱えるインドへの注目は高まるばかりだ。 そのインド市場に2012年という早期に足を踏み入れたBEENEXTのファウンダー・マネージングパートナーの佐藤輝英氏は、これまでにアーリーステージを中心としたスタートアップ74社に投資をしてきた。INITIAL編集部は、3回シリーズでお届けするインドスタートアップ特集の第1回として、佐藤氏の経験に基づいたインド市場の特徴と魅力、そして日本企業がインド市場でチャンスを掴むために求められる要素について聞いた。
2020/08/22
見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では旭化成ベンチャーズ・森下氏のインタビューからスタートアップと協業の実践方法を紐解く。 旭化成CVCの歴史は長い。リーマンショック前後の2008年から開始、2011年に拠点をシリコンバレーに移し、現在米国・欧州の3拠点で投資活動を行う。投資先は全て海外スタートアップで、うち2社を買収した。 「スタートアップの事業開発力」に魅力を感じCVC設立し、12年の経験を持つ森下氏。なぜ日本ではなく米国を拠点にCVCを行うのか。「海外スタートアップと旭化成の技術を組み合わせた市場開拓」の実践方法とは。旭化成ベンチャーズのCVC運用法に迫る。 スタートアップ投資のための体制作りについて聞いた続編はこちら
2020/08/19
2020年下半期も7月から8月にかけ、レイターステージのスタートアップで複数大型調達の発表があった。特に今回取り上げる大型調達3社の事例ではスタートアップ側が資本政策を軸に投資家を選ぶ動きが見られた。 大型化する資金調達を支える投資家サイドでも大規模ファンド設立が観測されている。官民ファンドのJIC(産業革新投資機構)は1200億円のグロースファンド設立を発表。投資対象はシリーズBからレイターステージで、国内最大規模のスタートアップファンドだ。 本記事では、7月に行われた大型調達の3事例、大規模ファンドの設立動向、調達の大型化を支えるレイター投資家の「厚み」の変化について解説する。
2020/08/14
本記事では、上場後の新たなスタートアップファイナンス動向について解説する。 2020年7月、マザーズ上場企業のライフネット生命、ユーザベースが海外市場からそれぞれ89億円、50億円の大型調達を発表した。 従来、マザーズ上場企業の大型調達は新規上場(IPO)時が中心。上場後の大型資金調達、また海外市場に限定した調達事例はバイオ系企業を除き極めて珍しい。 マザーズ上場後の海外大規模ファイナンスは、新たな潮流となるのか。今後のEXIT動向についても見通しを提示する。
2020/08/07
本特集「Across the GAP」の前回では、日系企業CVCのシリコンバレー進出の状況と、彼らがシリコンバレーのエコシステムに入るための考え方、現地進出のサポートを行うJETROへの取材を元に解説した。 2018年にシリコンバレーに進出する日系企業数は900を超え、日系企業がシリコンバレーでCVC活動を行うケースは増えている。現地で投資や協業の事例を積み重ねる企業は、どのようなスタンスで活動を行っているのか。 今回INITIALは、KDDI ビジネスインキュベーション推進部 サンフランシスコ拠点長の傍島健友氏を取材。 現地赴任から5年間で、「現地トップティアVCからも協調出資(複数のVCが同一企業に投資すること)のお声がけをいただけるようになった」と語る傍島氏。 KDDIがどのようにシリコンバレーでネットワークを構築し、現地で信頼を勝ち得たのかに迫る。
2020/08/05
マネックスグループ代表の松本大氏は、起業家として、また投資家として20年以上日本のスタートアップの最前線に立ってきた人物の一人だ。 東京大学卒業後、ソロモン・ブラザーズを経てゴールドマン・サックスに入社。同社史上最年少でゼネラル・パートナーに就任する。その後はソニーとの共同出資でマネックス証券を設立。2000年には設立わずか2年目に東証マザーズ上場を果たした。 また、これまで金融審議会専門委員、国内外の社外取締役を歴任、自身の経験を活かしエンジェル投資を行うなど、活躍のフィールドはマネックスグループだけに留まらない。 そんな複数の立場を経験してきた松本氏の眼には今、スタートアップはどう映っているのかー。 「スタートアップは、起業家が9割」と話す松本氏の、スタートアップ愛と投資スタンスに迫る。
2020/07/30
2020年上半期は新型コロナの世界的拡大を背景に、スタートアップの調達環境や経営環境にも変化が見られた。 2020年下半期以降のスタートアップ投資を考える上で、今抑えておくべきトレンドは何か。 INITIAL編集部では、2020年上半期のスタートアップの主要なニュースを元に、「取捨選択」「DX」「ガバナンス」の3つを注目すべきトレンドとしてピックアップ。 スタートアップの事業集中や投資家による追加投資専用ファンドの設立、新規のCVCファンド設立等、コロナ禍でも持続的な成長を実現するために各社独自の動きを見せた。 その一方、取締役による資金横領など、スタートアップのガバナンス強化の必要性を認識させられる事例も見られた上半期となった。
2020/07/23
本記事では、マザーズへの新規上場が再開した2020年6〜7月、上場後の初値の傾向や各社の株主の特徴を通し、スタートアップのEXIT動向をお伝えする。 6月から7月にかけては11社が上場(2020年7月21日時点)。いずれも初値騰落率は100%超となり、投資家からの買い注文が集まる結果となった。 中でもBranding Engineerの騰落率は495.9%、フィーチャの場合は805.8%にまで達し、公募価格との大きな乖離を見せている。 こうした騰落率高騰の背景には、上場時の資金調達規模や既存株主のEXIT方針が関係している。そこで今回は設立後の経過年数が長く、VCからの調達を行っている3社に焦点を当て、資本政策の特徴とEXITの理由について解説する。 また8月上場予定の、画像解析AIソリューションを提供するニューラルポケットがわずか2年半でのスピード上場を果たした理由を考察していく。
2020/07/16
世界から起業家が集まるスタートアップの聖地、シリコンバレー。 EXITに成功したシリコンバレーの起業家は、売却資金を元に新たな起業や、エンジェル投資家としてのキャリアに挑戦するケースも多く、いわば「イノベーションと優秀な人材の連鎖」が起こっている。 そのイノベーションと人材を自社事業に取り入れようと、世界の企業や起業家が進出を狙うが、日本企業のシリコンバレー進出を支援するジェトロ・サンフランシンスコ事務所次長の樽谷範哉氏は、「自国で培ったネームバリューは基本的に通用せず、ゼロから関係性を構築することは容易ではない」と、進出の難しさを説く。 今、日本企業がシリコンバレー現地で関係を築くためには何が求められるのかーー。 樽谷氏に、日本企業のシリコンバレーにおける立ち位置と、日本のスタートアップが学ぶべき米国スタートアップの考え方について話を聞いた。
2020/07/14
2020年、FF APAC Scoutが日本のスタートアップ、スマートラウンドとCraifの2社へ投資を実施した。FF APAC ScoutはFounders Fundのスカウトファンドである(※1 2020年7月20日 16:15訂正)。 米国のトップVC、Founders Fundは、PayPal創業者のピーターティール氏が創業し、起業家の資金を運用する。FacebookやSpotifyといった世界的企業への投資実績も多く、その動向には常に注目が集まる。 今回INITIALはFF APAC Scoutのスカウターを務めるエンジェル投資家、Jeffrey Lonsdale氏に取材を敢行。日本での投資を行うスカウトファンドの仕組みと、日本のスタートアップに対する海外投資家の目線を紐解いていこう。
2020/07/10
かつて米国で史上最速の収益成長を記録したスタートアップの共同創業者が、日本でエンジェル投資を行っている——。 Zynga(ジンガ)は米国・サンフランシスコ拠点のソーシャルゲーム開発会社。2007年の会社創業後、わずか4年で年商10億ドルを達成、2011年には100億ドルの評価額でNASDAQ市場に上場。代表作はファームビル(FarmVille)、ジンガポーカー(Zynga Poker)で、DAU(1日あたりのユーザー数)は2000万人以上。いわばソーシャル・モバイルゲーム業界を開拓した存在だ。 その共同創業者であるジャスティン・ウォルドロン(Justin Waldron)氏は現在、東京でエンジェル投資活動を行い、起業準備中だ。なぜ米国スタートアップの成功者である彼が日本を選んだのか。「日本はとても魅力的なマーケットである」と評する意図は。彼から見える景色に迫る。
2020/07/03
2020年、海外投資家の視線が集まる日本のスタートアップ。 今回INITIALは、スマートラウンドにプレシリーズAで投資を実行した米国エンジェル投資家、マティアス・デ・テザノス(Matias de Tezanos)氏に独占インタビューを敢行。 マティアス氏は過去にCEOとして米国・ラテンアメリカで4回のEXITを経験した連続起業家でもある。投資会社「PeopleFund」の代表を務める傍ら、エンジェル投資家としても活躍。現在は東京に拠点を置き、米国を中心に欧州・日本を含むアジアなど世界のスタートアップに投資する。 創業者の最も重要なスキルとは何か。エンジェル投資と投資会社の差分は何か。起業家・投資家として20年以上の経験を持つ氏のインタビューから、海外投資家の目利きの秘密を明らかにする。
2020/07/03
2019年、日本のスタートアップではレイターステージでの資金調達が確立したといっていいだろう。その背景には、海外投資家の存在が無視できない。 2020年5月に今後のスタートアップシーンを占うような資金調達があった。スマートラウンドがプレシリーズAで米国トップティアVCの1つFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)のアジア太平洋地域向けスカウトファンドや、有名米国スタートアップの創業経験をもつエンジェルらから調達。 INITIALでは株式会社スマートラウンド(以下、スマートラウンド)代表取締役社長CEO砂川氏に公開インタビューを実施。本調達の概観、クロスボーダーファイナンスで生じるギャップを明らかにする。
2020/06/25
見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では三井不動産でCVC運用を担当する上窪氏、塩山氏のインタビューから、スタートアップと協業の実践方法を紐解いていく。 三井不動産のCVCは2016年から本格的に始動。50億円のアーリーステージ中心ファンドのほか、グロース企業を投資対象とした300億円規模のCVC事業など、国内外の企業に投資を行う。独立系VCのグローバル・ブレインと共同運用体制を取るほか、LP投資家として外部のVCファンドにも出資を行う。 CVCファンド運用、CVC事業、外部ファンドのLP出資、直接投資とCVCのほぼ全ての形態で投資を行う三井不動産の狙いは何か。また共同運用体制を取るグローバル・ブレインとどのように役割分担しているのか。 財務的リターンと戦略的リターンの考え方、協業と投資の関係性についても具体的な協業事例をもとに話を伺った。
2020/06/23
見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では三菱電機でオープンイノベーションを担当する山中氏、峯藤氏のインタビューから、スタートアップと協業の実践方法を紐解いていく。 三菱電機は研究開発部門傘下の部署がオープンイノベーションの役割を担っている。連結従業員数が10万人以上の会社で、わずか3名でスタートアップとの協業を担当し、事業部との橋渡しを行い協業事例を生み出している。どのように社内の事業部を巻き込んでいるのか。 また、彼らの事業は厳密にはCVCとは異なるが、事業シナジー創出を目指し実行している点ではCVCと共通点がある。なぜCVCによる投資の選択肢を取らなかったのか。スタートアップ協業の実務を明らかにする。
2020/06/19
推定企業評価額100億米ドルを超える配車サービスGrab(グラブ)とGojek(ゴジェック)を皮切りに、ユニコーンを10社以上輩出するなど、盛り上がりを見せる東南アジアスタートアップ。 その多くはECやゲーム関連サービスなどtoC向け企業が大半を占める。一方で、SaaS企業はユニコーンには見当たらない。 「東南アジアでは人件費や商習慣の壁からSaaSの普及は遅れているが、従来のSaaSの形にとらわれないビジネスモデルを展開するスタートアップが増えている」とジェネシアベンチャーズの鈴木氏・相良氏は語る。 巨大な人口を背景に、スタートアップへの投資が急伸しているインドネシアを中心に、toBスタートアップの事例や日本のSaaS進出の可能性について2人に話を伺った。
2020/06/18
スタートアップの挑戦を支え、未来を共創するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)。2017年以降、事業法人によるスタートアップ投資額は急拡大し、1000億円を超える。2020年4月からはオープンイノベーション促進税制の適用も開始になり、事業法人・CVCによる更なる出資が期待される。 見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。特集第1回は概要編として、CVCとVCとの違い、投資目的、国内外の動向、3大課題とその解決策を明らかにする。
2020/06/16
This is an English translation of the report on the funding status of Japanese startups published by INITIAL in April this year. Below are the main highlights: 1. 2019 was the year of SaaS 2. Late-stage funding established a strong footing 3. Total disclosed funding for Japanese startups amounted to JPY 446.2 billion (USD 4.09 billion)
2020/06/13
本記事では、市況の急回復を受けて変化が見られる2020年6月の新規上場(IPO)動向について解説する。 5月下旬から新規上場承認が再開し、承認を受けたのは11社。そのうち3〜4月に上場を取り消して再承認された企業は6社にものぼる。再承認企業の6社中5社が想定時価総額を下げ、中にはコパ・コーポレーションやロコガイドのように約3〜4割減少した企業もあった。 上場取消から再承認までのわずか2ヶ月で想定価格や新規調達額に起きた変化とその理由について、各社の事例をもとに解説する。また当初はマザーズ市場で上場予定だったSpeeeがJASDAQ市場を選択した理由や、売出株数の変化から読み解く投資家の評価についても解説する。
2020/06/11
各国が次々とロックダウンを解除し、withコロナの日常へ歩みを進めている。本記事では、リーマンショック時と足元のスタートアップ投資環境を確認する。 各国のスタートアップ資金調達の影響は、ロックダウン実施以降に現れている。 日本では、特定の業種で投資マインドが減退する動きが確認できるものの、4月までのスタートアップの資金調達額は大きく変化していない。資金調達への影響はこれから出てくると予想される。
2020/05/29
マテリアルファイナンス特集記事Part2では、素材系スタートアップのKyuluxが設立5年で50億円の調達に成功した裏側に迫った。 Kyuluxは技術のブレークスルーの不確実性を踏まえ、投資家と長期のコミュニケーションを取ることで「投資家不足」の課題を乗り越えている。 この課題に別のアプローチで取り組むのが、設立13年で累計300億円を調達したSpiberと、味の素・東工大・VCが2017年に新会社として設立したつばめBHBだ。ステージは異なるが、どちらも「大企業連携」を軸に資金調達を行う戦略をとる。 2社の事例から、素材系スタートアップの「死の谷」を越えるヒントを探っていこう。
2020/05/27
マテリアルファイナンス特集記事Part1では、素材系スタートアップが直面する「2つの死の谷」の正体について、事業化までにかかる時間の長さ、投資家の少なさの2点から明らかにした。 長い研究期間を超えて事業化を少しでも早めるために、素材系スタートアップはファイナンスをどう組み立てるべきかーー。 今回INITIALは設立後5年で50億円超を調達した、素材系スタートアップKyuluxのCEO安達氏とCFO水口氏に取材を行った。 技術発見から約12年、会社設立から約5年。「投資家とは長い時間をかけて対話し、ファンになってもらった」と語る2人に、これまでの事業ステージと資金調達の時間軸、今後のファイナンス戦略について聞いた。
2020/05/23
日本の基幹産業の1つ、素材産業。スタートアップに目を向けると、2019年評価額ランキング上位10社の中に素材系のTBMとSpiberの2社がユニコーンとしてランクインするなど存在感を発揮している。 しかしその裏で、素材系スタートアップで新規上場(IPO)に至った事例は未だない。上場事例が多い情報・通信業とは異なり、高いハードルが存在していることも垣間見える。 なぜ素材系スタートアップは上場事例がないのか。産業特有の難しさと、その解決策はどこにあるか。事業化に至るまでのファイナンスの特徴から紐解いていこう。
2020/05/15
スタートアップの資金調達環境の悪化が懸念される中、クラウドクレジットがシリーズEで7億円の調達を発表、調達後企業評価額は102.0億円となった。 今回のシリーズE調達のファーストクローズは今年5月。「バリュエーションと投資家選びの軸をブラさずにやってきたことが、調達をスムーズに行えた理由の1つ」と同社CEOの杉山氏とCFO坂本氏は語る。 インタビューを通し、不安定な市況にも左右されず資金調達を行えた理由、そして同社が事業会社やCVCを中心とした調達を行う戦略について明らかにする。
2020/04/23
本記事では新型コロナウイルスの影響を受け、新規上場(IPO)市況の変化がみられるか、2020年3〜4月のスタートアップのEXIT動向をお伝えする。 3月は市況環境悪化により公募割れする企業が続出。また3月以降新規上場を中止した企業はリーマンショック以降過去最多となり、新規上場だけでなく既存上場企業の業績発表にまで影響を与えている。 不安定な市況の中でも、新規上場に踏み切ったSaaSスタートアップ・サイバーセキュリティクラウド。同社の資本政策の特徴と事業会社主導のEXITについて解説する。また今後のスタートアップEXITに波紋を呼びそうな事例として、女性向け動画メディアを運営するC ChannelがTOKYO PRO Marketでの上場を選択した理由も解説する。
2020/04/03
未曾有のコロナ危機に、国内スタートアップはどう対応するか。 本記事では、新型コロナに対するスタートアップの動向を解説する。 INITIALは新型コロナの影響について起業家へのアンケート取材とリサーチを実施。スタートアップではサービス無償化に踏み切る動きや、スタートアップ主体で資金支援、新サービスの開発など、知恵を絞って苦境を乗り越えようとする強さが見られた。 またスタートアップにとって生命線となる資金繰りについて、利用可能な政府の支援策や投資家の動向についても解説する。事業環境が悪化する中でも、スタートアップの挑戦を支援する動きを止めない意思表明をする投資家も記載した。 > ※この度の新型コロナウイルス感染拡大に際し、感染された患者様には心よりお見舞い申し上げると共に、ライフラインの維持や医療活動に尽力されている皆様の安全と一日も早い事態収束をお祈り申し上げます。 >
2020/03/13
2020年もSaaS企業の躍進は続くのか。 営業特化型Web会議システムのベルフェイスは、2020年2月にシリーズCで52億円の大型調達を発表した。 調達後企業評価額は推定229億円。シリーズBの80億円からわずか8ヶ月で3倍近く上昇し、国内SaaSスタートアップ(※定義の1つに「未公開企業」であることが含まれる)で上位10社入りを果たした(出所:INITIAL、2020年3月3日基準)。 INITIALは、ベルフェイス中島社長、リード投資家のシニフィアン朝倉氏のインタビューを実施。今回の大型資金調達の裏側と、国内インサイドセールス(内勤営業)市場を開拓した同社の勝算についてレポートする。
2020/03/03
前編では、2020年に米国での大勝負に打って出るスマートニュースについて、シリーズAからEまでの資金調達を振り返りながら、その戦略と課題について分析した。 INITIALでは、シリーズEの資金調達を統括したスマートニュース経営企画・ファイナンス担当の松本哲哉氏、シリーズEのリード投資家であるACA Investments(以下、ACA)パートナーの小野寛幸氏、シリーズAから継続的に投資を実行しているグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCP)代表パートナーの今野穣氏に単独インタビューを敢行、米国市場攻略への決意と勝算を聞いた。 後編では、3氏へのインタビューを一気に掲載する。
2020/03/02
ニュースアプリのスマートニュースは2019年7月にシリーズE1回目の資金調達をクロージングし、調達後企業評価額が1000億円を突破して「ユニコーン」入りを果たした。 INITIALでは、今回の資金調達を統括した同社経営企画・ファイナンス担当の松本哲哉氏、今回のリード投資家であるACA Investments(以下、ACA)パートナーの小野寛幸氏、シリーズAから継続的に投資を実行しているグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCP)代表パートナーの今野穣氏のキーパーソン3氏に単独インタビューを敢行。 米国市場攻略への並々ならぬ意欲と勝算を聞いた(後編で3氏インタビューを一気に掲載する)。 米国市場で確実な橋頭堡を築いたうえで、IPO(新規株式上場)に踏み切るシナリオも見えてきた。スマートニュースの米国市場攻略作戦を、課題とともにリポートする。
2020/02/25
事業法人からスタートアップへ、リスクマネーの供給が増えているー。 その流れを牽引しているのが、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)だ。金融や出版、化学メーカー、ITまで幅広い領域の企業が相次いで設立している。 アメリカのベンチャーキャピタルFresco Capital(フレスコキャピタル)のゼネラルパートナー 鈴木絵里子氏は、世界でCVCが急増している理由を『大企業はうまく「外部」と繋がる仕組みとしてCVCに期待を寄せている』と分析する。 しかし、CVCは投資経験が浅い事業法人が主体となって運営されていることから、運営方法や投資基準、組織のあり方などに課題を抱えていることが少なくないという。 今回は世界で60社以上のスタートアップに投資を行い、国内外のCVCをみてきた鈴木氏に、CVC成功に求められる「5つのポイント」について寄稿してもらった。
2020/02/18
2019年12月に「令和2年度税制改正大綱」が閣議決定され、その中でも「オープンイノベーション促進税制」は、大企業からスタートアップへの資金供給を促進する施策の1つとして期待されている。 2020年4月から開始が見込まれる本税制について、適用要件や対象となるスタートアップの特徴をおさらいし、日本のスタートアップ投資環境への影響を見る。
2019/12/09
Fintechのなかでも保険業界に特化したものを「InsurTech(インシュアテック)」と呼称する。 しかし、業界構造の違いがあるもののロボアドバイザーや決済事業と比較すると、過去5年間で10億円以上調達した未上場企業はまだなく寂しい状況が続いている。(INITIAL2019年12月8日時点) そんな現状に風穴をあけるように、「あんしんの民主化」を掲げる株式会社justInCase(ジャストインケース)及び株式会社justInCaseTechnologiesが、シリーズAでの総額約10億円の資金調達を公表した。 先月発表したINITIALシリーズにおけるシリーズAの調達額中央値2.3億円と比較すると大型調達といえる。一方で、調達前企業評価額は約4億円。昨年6月のシード調達後企業評価額は約13.5億円であったことから、およそ70%ディスカウントでのダウンラウンドである。 この一見すると大幅ダウンラウンドでの資金調達の裏側を明らかにすべく、代表取締役の畑加寿也氏を直撃。 あわせて投資会社5社へのインタビューを通じて、justInCaseが狙うビジネスモデルを明らかにする。 (※ 記事内の評価額はINITIALによる推定額であり、justInCaseにより決定または追認されたものではない。過去の評価額に関する記載についても同じ。)
2019/12/04
2019年10月、資生堂がアメリカの化粧品ブランド「DRUNK ELEPHANT」を約900億円の買収を発表するなど、日本でもD2Cへの投資事例が見られるようになってきた。 IT系スタートアップとは異なり、モノづくりの要素も絡むD2C。製造業の視点も必要な事業に対して、投資家は何を見ているのか。 化粧品メーカー、ポーラ・オルビスホールディングスが運営するCVC「POLA ORBIS CAPITAL」の岸裕一郎氏に、D2Cスタートアップを見極めるポイントについて、話を伺った。
2019/11/23
__2019年の国内スタートアップの資金調達額は、11月18日時点で3,200億円を突破。6年連続で最高額更新なるか。__ 2019年11月19日に行われた日本ベンチャーキャピタル協会主催のメディアプレゼンテーションにおいて、インキュベイトファンド代表パートナーの村田祐介氏と『Japan Startup Finance 2018』執筆者の森敦子が、「未公開ベンチャー企業/VCファンド資金調達の状況」ついてプレゼンテーションを実施しました。 > ※本記事はプレゼンテーションの内容を記事化したものです。 > > ※各種データは、2019年11月18日基準でINITIAL上で取得した数値を元に作成しています。
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