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2020/09/17

三井不動産とスタートアップが協業に本気になった瞬間

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CVC活動を行う上で、スタートアップとの協業は避けては通れない。今回は、三井不動産と、協業先であるナレッジ・マーチャントワークス、テックタッチの出会いのきっかけ、具体的な取り組みに至る過程に焦点を当てた。スタートアップの2社がどのように三井不動産との協業の熱量を高め、形にしていったのかを解説する。

CONTENTS

2015年に立ち上げ、三井不動産CVCが協業するスタートアップとは

三井不動産のCVCは2015年から活動を開始。現在では50億円のアーリーステージ中心ファンドのほか、グロース企業を投資対象とした300億円規模のグロースI事業など、国内外の企業に投資を行っている。2020年5月には独立系VCのグローバル・ブレインと共同で85億円規模の2号ファンドを設立した。同社のスタートアップ投資事業は435億円。事業会社では国内最大級にのぼる。

CVC事業は同社のベンチャー共創事業部が「31VENTURES」として主導する。三井不動産グループによる国内外の幅広い事業領域を活用し、シナジーが深そうな領域のスタートアップとの投資・協業含めスタートアップ支援を行う。 (参考:CVC高値掴み問題を対処。三井不動産が語る、独立系VCとのCVC共同運用

本インタビューでは、三井不動産が出資・協業を行っているナレッジ・マーチャントワークスとテックタッチの2社の代表に話を伺った。

ナレッジ・マーチャントワークスは、店舗内教育やコミュニケーション、シフト作成などの店舗マネジメントをサポートするツール「はたLuck®」を軸に、小売・飲食・サービス業の生産性向上を支援する。同社に対し、三井不動産はシリーズBでの出資を行っている。

テックタッチは、各企業内で使っているWebシステムに画面上で操作ガイダンスを追加できる「テックタッチ」を提供しており、三井不動産が運営するベンチャーオフィスに拠点を構える他、同社へのサービス導入という形で協業を行っている。

三井不動産と2社はどのように出会い、関係を深めていったのだろう。彼らが互いの事業を結ぶ協業に本気になった瞬間とは。

最初の失敗で腹を割って話せたからこそ協業の絆ができた

三井不動産との協業のきっかけを教えてください。

ナレッジ・マーチャントワークス 染谷 剛史氏(以下、染谷) 既存投資家のGMOベンチャーパートナーズからの紹介がきっかけです。2019年の3月に、三井不動産ベンチャー共創事業部の担当者を紹介してもらいました。

20200914 mitsuifudousan seminar 06

私たちのプロダクトの提案をしたところ、その担当者から声をかけてもらい、三井不動産のグループ企業である、ららぽーとやアウトレットパーク等を運営する三井不動産商業マネジメント社のコンペに参加することになったんです。

コンペの内容は課題解決の提案です。ららぽーとの従業員にアンケート調査を行ったところ、人手不足による過重労働でサービス基準を満たせていないという課題が出ていました。

私たちはそのコンペで勝ち抜いたものの、2019年11月の役員会で、まさかのNGが出てしまいました。

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