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ホームオリジナル記事研究開発部門が主導。三菱電機のスタートアップ共創に向けた実践法
2020-06-23

研究開発部門が主導。三菱電機のスタートアップ共創に向けた実践法

#VC/CVC

見えにくかったCVCの実務を明らかにする「CVC虎の巻」。本記事では三菱電機でオープンイノベーションを担当する山中氏、峯藤氏のインタビューから、スタートアップと協業の実践方法を紐解いていく。

三菱電機は研究開発部門傘下の部署がオープンイノベーションの役割を担っている。連結従業員数が10万人以上の会社で、わずか3名でスタートアップとの協業を担当し、事業部との橋渡しを行い協業事例を生み出している。どのように社内の事業部を巻き込んでいるのか。

また、彼らの事業は厳密にはCVCとは異なるが、事業シナジー創出を目指し実行している点ではCVCと共通点がある。なぜCVCによる投資の選択肢を取らなかったのか。スタートアップ協業の実務を明らかにする。

CONTENTS

研究開発部門主導で取り組む、インバウンド型8割、アウトバウンド型2割のオープンイノベーション

三菱電機のオープンイノベーションの組織体制とスタートアップとの取り組みについて教えてください。

三菱電機 峯藤 健司氏(以下、峯藤)三菱電機では、未来イノベーションセンターがオープンイノベーションの主体となり、スタートアップとの連携を行っています。

未来イノベーションセンターは2015年7月に設立された組織で、開発本部の中でもデザイン研究所という研究開発部門に所属しています。

LP(リミテッド・パートナー)として初めて外部のベンチャーキャピタル(VC)へ出資したことをきっかけに、2017年4月からスタートアップとの連携を開始しました。

組織は現在3名体制。スタートアップとの連携だけでなく、各事業部とディスカッションしてプロジェクトを推進しています。

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峯藤 健司(みねふじ けんじ)/ 三菱電機株式会社 デザイン研究所 未来イノベーションセンター マネージャー。2011年三菱電機株式会社入社。情報技術総合研究所にて光通信技術の研究開発に従事。その後、同所の研究開発戦略策定、資源配分と実行支援を担当。現在はスタートアップとのオープンイノベーションを起点とした新規事業開発と既存事業強化の推進を担う。2017年より現職。

三菱電機 山中 聡氏(以下、山中)三菱電機のオープンイノベーションには、インバウンド型とアウトバウンド型の2種類があります。

インバウンド型の目的は、既存事業の製品開発のスピード向上と社内の研究開発リソースの最適化です。

既に確立しているスタートアップ側の技術を社内に取り込むことで、既存事業が効率化し、全社としてスピードを早めることができます。

アウトバウンド型の目的は、社内の事業領域に関する研究だけで生まれにくいテーマや課題を新たに発見することです。

開発本部では、「短期・中期・長期・基盤」の研究開発を「5:3:1:1」の割合でリソース配分しています。

未来イノベーションセンターでは、事業部と一緒に進める短期のインバウンド型に8割、中長期で取り組むアウトバウンド型に2割のリソース配分をしています。

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山中 聡(やまなか さとし) / 三菱電機株式会社 デザイン研究所 未来イノベーションセンター エクスプローリンググループマネージャー。1998年三菱電機株式会社入社。入社後、液晶TVや三菱電機を代表するオーロラビジョンに搭載される画像処理LSIの開発に従事。2015年より現職、スタートアップとのオープンイノベーションを推進。コミュニケーターとして、ベンチャー企業とのマッチングによる既存事業の強化や企業内の知財を活用した事業機会の創出に注力。

峯藤また、スタートアップと大企業では時間軸の考え方が異なります。

スタートアップの出口戦略も意識した上で、短・中期のプロジェクトに軸足を置いています。短期は2年以内、中期は3年~5年、長期は10年以上です。

三菱電機の主要事業の一つである社会インフラ領域の事業は、製品開発の期間が長くなりがちです。我々の開発期間サイクルに合わせるのではなく、スタートアップ側の時間軸に合わせています。一方、重電・インフラ技術など研究開発型スタートアップは、比較的長期の時間軸で設定しています。

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