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ホームオリジナル記事転機の東南アジア、日本企業の勝機を探る
2021-09-30

転機の東南アジア、日本企業の勝機を探る

#海外#IPO記事#資金調達記事#VC/CVC

スーパーアプリのGrabやECのBukalapakなど、東南アジアを代表するユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)が2021年以降、続々と上場を果たそうとしている。

前編『ユニコーンの卒業でどう変わる?東南アジアのスタートアップの未来』ではこうしたユニコーン達がどのようなスタートアップのエコシステムを形成し、新たにどのような企業が成長を遂げようとしているのかを紹介した。

VCの投資意欲は依然として強い上、有力なスタートアップ企業に対してはGrabなどの先行組だけでなく、中国のテック企業やタイの財閥なども秋波を送る。そんな中で、日本企業が存在感を発揮し、ともにイノベーションを起こしていくためには何が求められるのか。

シンガポールでスタートアップ投資などの最前線に立つ3人の識者に聞いた。

CONTENTS

2021~2022年は、東南アジアでユニコーンやデカコーン(企業価値100億ドル以上の未上場企業)の上場が相次ぐ見通しだ。

インドネシアのEC大手、Bukalapakが2021年8月6日にインドネシア証券取引所に上場したほか、配車サービスから始まってスーパーアプリ化したGrabもSPACとの合併を通じて米国上場を目指す。Grabの競合であるインドネシアのデカコーン、GojekがTokopediaと経営統合して生まれたGoToGroupも米国とインドネシアで上場を計画している。その他にも、東南アジアのスタートアップ市場を牽引してきたユニコーンが続々と上場を果たそうとしている。

「ポストGrab」としてこれまで中心となってきたコンシューマーテックだけでなく、東南アジアではBtoBのデジタル化を進める有望なスタートップも徐々に育ってきた。一方、上場で得た資金をもとに、ユニコーン卒業組たちは今後、積極的にM&Aを仕掛けると見られる。日本企業も徐々に投資を積極化しているものの、今後、東南アジアの有望なスタートアップと関係を構築し、イノベーションにつなげていくのは容易ではない。

日本企業は東南アジアのスタートアップとどう向き合うべきなのか。シンガポールで東南アジアのスタートアップへの投資や日本企業とのシナジー創出に関わってきたKK Fundのジェネラルパートナー斉藤晃一氏、ICMGシンガポール ディレクター/ICMG本社 執行役員 辻悠佑氏、Krollシンガポールのシニアバイスプレジデント、川端 隆史氏に聞いた。

投資の競争は激化

Grabに三菱UFJ銀行やソフトバンクグループ傘下のビジョンファンド、トヨタ自動車が出資するなど、この10年で日本企業も東南アジアのスタートアップへの投資を本格化させてきました。今後、東南アジアでスタートアップとの協業し、多国展開していくためには、何が必要となるのでしょう。

Krollシンガポールのシニアバイスプレジデント、川端 隆史氏(以下、川端) 人材の登用の仕方は変えていく必要があります。東南アジアで多国展開に成功しているスタートアップはそれぞれの進出国で経営陣を採用しています。もしくは、初期だけ人を派遣し、陣頭指揮を取りながら現地採用をしていきます。一方で、日本企業は本社から人を派遣する傾向にあります。日本企業の方式と東南アジアのスタートアップの間には、カルチャーギャップがあり、そのことを理解する必要があります。

KK Fund ジェネラルパートナー斉藤晃一氏(以下、斉藤氏)東南アジアでは、多国展開する際に、その地域に合わせてプロダクトを1から作り直すことはほとんどないですが、営業の仕方や言語化、UIやUX、ブランドを変えることはあります。

ICMGシンガポール ディレクター 辻悠佑氏(以下、辻) 日本の経営者やイノベーション担当者と話をすると、そもそも東南アジアは各国の状況が違うのに多国展開できるのか、と疑念を抱き、スタートアップとの協業に進めていないというケースも多く存在します。ですが、実際には、変えるべきことと変えないこと、ローカライズすべきこととしないことをしっかりと見極めて多国展開できているスタートアップは少なくありません。

川端 フィロソフィーに沿ってどこは変えていいのか、経営者とよく話しをして目線を合わせていくことが必要ですね。加えて、東南アジアとひとくくりにできず、国によってスタートアップが置かれている環境が違う点には注意が必要でしょう。例えば、スタートアップを支えるメインプレイヤーは大きく異なります。

斉藤 シンガポール、マレーシアはエコシステムの育成に政府が積極的に関わっています。特にシンガポールはエンジェル税制の導入に加え、アーリーステージのスタートアップを支援する仕組みやディープテック専用のVC、Vertex Holdingsのようなグロースステージ用のVCまで整備しています。

一方で、インドネシアは企業の貢献度が大きくなっています。CVCが多い上、エムテックがBukalapakに出資するなど、財閥による出資が目立ちます。タイもスタートアップに好意的で、実際、出資を通じて売上を大きく拡大する例も多く見られます。

VCからの調達はシンガポールとインドネシアが良好で、ゆえにバリュエーションも高くなっています。

レーター投資では存在感を発揮しにくい日本企業

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