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ホームオリジナル記事米国赴任から5年。KDDIが語る、インナーサークルへの入り方
2020-08-08

米国赴任から5年。KDDIが語る、インナーサークルへの入り方

#VC/CVC#海外

本特集「Across the GAP」の前回では、日系企業CVCのシリコンバレー進出の状況と、彼らがシリコンバレーのエコシステムに入るための考え方、現地進出のサポートを行うJETROへの取材を元に解説した。

2018年にシリコンバレーに進出する日系企業数は900を超え、日系企業がシリコンバレーでCVC活動を行うケースは増えている。現地で投資や協業の事例を積み重ねる企業は、どのようなスタンスで活動を行っているのか。

今回INITIALは、KDDI ビジネスインキュベーション推進部 サンフランシスコ拠点長の傍島健友氏を取材。

現地赴任から5年間で、「現地トップティアVCからも協調出資(複数のVCが同一企業に投資すること)のお声がけをいただけるようになった」と語る傍島氏。

KDDIがどのようにシリコンバレーでネットワークを構築し、現地で信頼を勝ち得たのかに迫る。

CONTENTS

KDDIのスタートアップ支援の取り組み。ステージごとの共創手段と日米の役割の違い

まず、KDDIのスタートアップ支援の取り組みを概観する。

スタートアップ支援の背景には、日本での通信キャリア事業の成熟がある。通信キャリア事業単体での持続的成長が難しいため、「通信とライフデザインの融合」を掲げ、他企業とパートナーシップを組み、事業の共創を目指している。

事業共創にあたり、スタートアップ支援はシードからレイターステージにまで至り、企業ステージごとに共創手段は異なる。

創業初期(シード〜アーリー)はインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」、創業中期(アーリー〜ミドル)はKDDI Open Innovation Fund(以下KOIF、グローバル・ブレインと共同運用)、創業後期(ミドル 〜 レイター)は直接投資やM&Aを通じて事業共創を行う。

CVCファンドのKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)は現在3号ファンドまで設立。日本と米国などを拠点に、国内外のアーリー〜ミドルステージのスタートアップに投資。出資先の合計は74社だ(2020年5月26日現在)。

日本では、事業提携の実現性が高いミドル〜レイターステージ、米国では、将来的な協業可能性に期待してシード〜アーリーステージを中心にスタートアップを発掘する。

KOIFの海外出資案件は全投資案件の約1/3を占める。2020年4月にはスマートコンタクトレンズを開発・提供する米国スタートアップ「Mojo Vision」への出資など、シリコンバレー現地VCとの協調出資の案件も出てきている。

今回INITIALでは、米国・サンフランスシコを拠点に国内外スタートアップの投資・協業を担当するKDDIの傍島氏に取材。KDDIの米国進出の背景や、シリコンバレーでのネットワーク構築方法について聞いた。

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傍島 健友(そばじま けんゆう) / 1996年KDDI(第二電電株式会社)入社。入社後、携帯電話システムCDMAの無線技術者として事業の立ち上げを担当。2008年にはマイクロソフト社との提携による法人向けSaaS事業を推進し、2011年からGREE、Google、Facebookなどとのアライアンス事業を担当。2014年よりKDDI∞ラボ、KDDI Open Innovation Fundを通じてのスタートアップへの出資、事業開発を担当した後、2015年から米国サンフランシスコにて現職を担当。

米国拠点の目的は「数年先のトレンド」の把握にあり

傍島さんがサンフランシスコ拠点に赴任するまでの経緯を教えてください。

1996年にKDDIに入社後、携帯電話システムの立ち上げやBtoBサービスの企画部門、コンテンツ部門など様々な部署を経験しました。

コンテンツの部署では主に協業(アライアンス)を担当。2011年頃からGoogle、Facebookのメンバーと仕事をする中で、シリコンバレーの凄さを痛感し、彼らと仕事がしたいと思うようになりました。

米国だけではなく、国内でも協業を実施。中でも思い出深いのは、グリーとの協業です。 当時スタートアップでものすごいスピードで成長したグリーとの協業経験から、「第二のグリーと協業したい」との思いからスタートアップ支援に関わることになりました。

その後、インキュベーションプログラムやCVCファンドを運用するスタートアップ支援の部署で、日本・米国両方の投資チームを担当していました。念願叶い、2015年からサンフランシスコに赴任しています。

KDDIが米国拠点を置く目的は何ですか。

日本で将来起こり得るトレンドを、米国スタートアップへの投資を通してキャッチアップし、新規事業を創出するためです。

日本での投資と異なり、米国での投資は協業までタイムラグがあるケースも多いです。2〜3年後を見据えて、既存の通信事業とは異なる周辺領域にも出資し、1〜2年かけて事業開発を行っています。

ただキャッチアップするだけでなく、数年後米国のスタートアップが日本に進出するタイミングで、事業会社として何が協力できるのかを説明しています。

具体的に米国スタートアップへの支援はどのような活動を行ってきましたか。

まず、2011年に、米国VCのDCM Venturesが運用するA-FundにLP出資を行い、LP投資家として米国現地の投資活動を学びました。

その後2011年6月にサンフランシスコ拠点の立ち上げ、2012年にKOIFを立ち上げ、そこからは自分たちのファンド活動にフォーカスしました。

当時KDDIはほとんど知名度がなかったので、とにかく現地のVCや起業家などたくさんの人たちに会いに行きました。

投資先を発掘する際には、現地のVCやスタートアップからの紹介(リファレンス)を重視しています。なぜなら、紹介の案件の方が直接アプローチする案件よりも質が高いからです。

われわれはKPIに「投資検討案件の紹介率」(全体の面会数に対する紹介経由の割合)を置いています。私がシリコンバレーに着任した2015年の紹介率は70%程度でしたが、現在では95%程度まであがっています。

現地では一人年間150〜200件程度、1件につき30-60分ほど時間をとってスタートアップとの面会を日々行っています。そのうち投資に至るのは、年間3〜4件程度です。

ギブ&ギブ。KDDI流・シリコンバレーでのネットワーク構築方法

現地での知名度がないところから、VC等から案件を紹介してもらうまでの信頼を築くまでに、どういった活動を行いましたか。

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