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2021/08/18

慶應大VCが明かす、ディープテックの育て方

  • #VC/CVC
  • #製薬・創薬
  • #バイオテクノロジー
  • #ハードウェア

技術により社会課題を解決できると期待されるディープテック(研究開発型)のスタートアップ。技術的なイノベーションの担い手として国をあげて育成に乗り出そうとしているものの、収益化までに時間がかかる、投資家側の技術の目利きが難しい、などの理由から資金調達には苦戦する企業も多い。

そのような中、ディープテックのスタートアップを資金面から支える役割を期待されているのが大学系VC。国立大が先行しているが、私大の中でディープテックの可能性にいち早く目をつけ、投資をしてきたのが、慶應義塾大学のVC、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)だ。

2021年には2号ファンドの設立を発表し総額約150億円を運用する。代表を務めるのはグリー共同創業者の山岸 広太郎氏だ。

KIIのスタートアップ支援は投資にとどまらない。「ディープテックの発展には、資金とビジネス系人材が必要だ」と語るKII代表・山岸氏に、これまでの研究開発系スタートアップ支援の実績や課題、展望などについて話を聞いた。

CONTENTS

設立5年で2号ファンド、IT融合・医療領域に強み

慶應義塾大学VCの成り立ちについて教えてください。

慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は慶應義塾大学(以下、慶大)と野村ホールディングスが共同で2015年12月に設立したベンチャーキャピタルです。2016年7月から45億円の1号ファンドの運営を開始しました。

もともと慶大とは個人的にも会社としても関係性がありました。共同創業したグリーが上場した後に私が個人的に母校である慶大に寄附をしていたほか、会社としてはグリーでインターンをした学生が単位を取得できるプログラムや、研究を支援する奨学金の提供もしていました。また、2014年ごろから、慶大だけでなくほかの大学発スタートアップに出資するなど、個人として研究支援をしていました。

国立大学では大学発スタートアップに支援する仕組みが整っていましたが、当時慶大ではその仕組みがないように見えました。そこで慶大の執行部に提言したところ、ちょうど野村證券とVCを進めている段階で、それを手伝う過程で代表を打診されました。

技術系を始め、ライフサイエンス領域など研究開発型スタートアップには魅力を感じていました。自分だけでやっても土地勘がないですが、大学と組むことで人材の採用もできますし、知らない分野でもやれると思い代表を引き受けました。

タイミング的にも大学発スタートアップを支援しようとする動きが金融機関を中心に高まっていたので、資金集めも無事に行うことができました。2021年1月に2号ファンドを103億円でクローズし、1号ファンドと合わせて148億円を運用しています。

投資先の技術に関する目利きはどのように行なっていますか。

大前提として、技術の実現の可能性が高いものに投資しており、科学的に実証されていないレベルの技術にはほとんど投資しません。技術の競争力があるか、顧客への提供価値があるかに加え、競合の有無などを見ています。確定しているある技術をもとに特定の市場でやりたいという仮説が起業家側にあるので、その仮説の妥当性を見ていますね。自分たちでわからない場合は専門家に聞いています。

100億円集めた次世代バッテリー企業、APB創業に携わる

具体的にどのように投資先の支援をしていますか。

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