IoTやAIなどの最新技術を活用し、あらゆるモノやサービスをつなげる「Woven City」と称したスマートシティーを静岡県裾野市に建設しようとしているトヨタ自動車。自動車メーカーの枠を超え、「豊かな暮らしをもたらすモビリティの創造」を目指す。
そんな世界の実現のために設立されたのが総額8億ドル(約880億円)規模のグローバル投資ファンドを運用しているウーブン・キャピタル(Woven Capital)。同社はトヨタ自動車の子会社であるウーブン・プラネット・グループのCVCとしてスタートアップと対等な立場でGive & Giveを目指す。その根底にあるミッションドリブンな投資手法とは。また、多彩な経歴を持つメンバーが、以前のキャリアから何を学び、現在に何を活かしているのか。
マネージング・ディレクターのジョージ・ケラマン(George Kellerman)氏とプリンシパルの加藤道子氏に話を聞いた。
世界の変革を目指す運用総額8億ドル規模のグローバル投資ファンド
ウーブン・プラネット・グループの組織構造やそれぞれの役割について教えてください。
ウーブン・キャピタル プリンシパル 加藤道子氏(以下、加藤)私たちウーブン・プラネット・グループは「Mobility to Love, Safety to Live」というビジョンを掲げ、安全で地球に優しく、豊かな暮らしをもたらすモビリティの創造を目指しています。シリコンバレーのイノベーションと日本のモノづくり精神を持ち合わせた企業の運営を通じて、世界中のマーケットに安全でトップクラスの品質のモビリティを提供することを目指しています。
現在ウーブン・プラネット・グループは4社体制で運営しており、ホールディングスである「ウーブン・プラネット(Woven Planet)」の傘下に事業会社の「ウーブン・コア(Woven Core)」と「ウーブン・アルファ(Woven Alpha)」、投資ファンドの「ウーブン・キャピタル」があります。
このうちの投資ファンド「ウーブン・キャピタル」は事業の発展および拡大を図るべく設立され、領域はモビリティを中心に、自動化システムやコネクティビティ、スマートシティ、データ分析、AIなどの分野をターゲットにしています。
トヨタグループではあるものの、あくまでもウーブン・プラネットのビジョン実現達成にプライオリティを置いているというのも大きなポイントです。
その他の傘下企業であるウーブン・コアは主に長期的な自動運転技術の開発や実装を行っている会社で、ウーブン・アルファは新規案件やこれまでにないモビリティプラットフォーム、そして実証都市であるWoven Cityなどの開発を行っている会社です。
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