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2021/04/06

Paidy、132億円の大型調達。加速する決済サービス競争の行方は

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  • #決済
  • #SaaS
  • #M&A

スタートアップの最新トレンドを発信する「INITIAL Briefing」。

今週解説するテーマは「国内外の決済スタートアップの動向」「急成長企業の注目ポイント」「大企業とスタートアップのM&A」だ。

トップニュースは後払い決済サービスPaidyの大型調達。世界的に決済領域のスタートアップによる大型調達が続くトレンドを解説する。

他にも、メディア向けSaaSのFLUX、チャットコマースツール・接客DXを展開するZEALSが発表した10億円超えの調達ニュースから、急成長企業2社の注目ポイントを解説する。

コラムでは、経済産業省が発表した調査報告書をベースに、大企業とスタートアップのM&Aが活発化しない5つの要因と解決策、直近のM&A事例を紹介する。

CONTENTS

INITIAL編集部が選ぶ、先週の注目ニュースは以下の通りだ。

Paidy、132億円の大型調達。国内外で決済領域の競争加速

後払い決済サービスを提供するPaidy(以下、ペイディ)は、3月31日にシリーズDラウンドで132億円(1.2億ドル、1ドル=110円換算)の資金調達を発表した。創業から株式による調達額は約371億円(3.37億ドル)と、国内のスタートアップで最大規模となった。

注目ポイント:海外機関投資家中心の調達、後払い決済サービスの競争加速へ

ペイディは携帯電話番号とメールアドレスのみで決済が完了し、利用金額を翌月にまとめて後払いできるサービスを提供している。ペイディが利用可能な加盟店数は70万以上、アカウント数は台湾事業含めて500万を超える(2021年3月時点)。

ペイディは日本を中心にサービスを展開しているが、創業者兼会長のラッセル・カマー氏を始め約半数のマネジメントチームが外国籍出身と、グローバルなチームで事業を展開する。代表を務めるのは元新生フィナンシャルCEOの杉江陸氏だ。

今回の調達に参加した投資家は米国・資産運用会社のWellington Management(ウエリントン・マネージメント)、ジョージ・ソロス氏のファンドSoros Capital Management(ソロス・キャピタルマネジメント)、香港ベースのTybourne Capital Management(タイボーン・キャピタル・マネジメント)など海外の機関投資家が中心だ。

同社にとって海外投資家からの調達は初ではない。2018年にはゴールドマン・サックスやVISA、2019年にはPayPal VenturesやEight Roads Ventures Japanからも出資を受けている。今回のラウンドでは主に上場企業に投資する資産運用会社が中心であることから、数年以内のIPOも視野に入っているとみられる。

2020年には伊藤忠商事からも約52億円の出資を受け、伊藤忠の持分適用法会社となっている。海外資本と商社との連携をもとに、日本市場の浸透を狙う。

世界的に見ても2021年は決済系スタートアップの大型調達が目立っている。ペイディの約130億円調達は国内スタートアップでは大規模な水準であるが、米国のStripeは約660億円(6億ドル)、スウェーデンのKlarnaは約1100億円(10億ドル)とさらに多額の調達が相次いでいる。ペイディに出資したウエリントンはKlarnaにも出資するなど、投資家が重なるケースもある。

これほどの大型調達のため、ペイディと同様に海外のスタートアップについてもVCではなく機関投資家、銀行、政府系ファンド、プライベートエクイティなど調達先は多岐にわたっている。

日本国内の後払い決済サービスで先行するネットプロテクションズも、2021年2月にJCBから約60億円を調達した。同社は2002年から後払い決済サービス事業を展開し、2019年度の売上高は約150億円だ。国内ではほかにもメルカリ傘下のメルペイや、GMOペイメントゲートウェイなどの上場企業が後払い決済領域に参入している。

後払い決済サービスの取引量は、COVID-19の影響にも後押しされ、2025年に全世界で6800億ドルと、2019年の約2倍の成長が予想されている(出所:Kaleido Intelligence)。

世界的にも競合がひしめく領域だが、後払い決済サービスのプレイヤー、ペイディが海外投資家からの調達を受けて日本市場でのポジションを確立できるかに注目だ。

メディア向けSaaSのFLUX、シリーズAで10億円調達。評価額は約70億円

3月31日、メディア向けにマーケティング効率化のためのSaaSである「Autostream」を提供するFLUXはシリーズAで10億円の調達を発表した。投資家はDNX Ventures(リード)、アーキタイプベンチャーズだ。

注目ポイント:シリーズAで評価額70億円規模まで成長したSaaS企業

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