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ホームオリジナル記事タイミー、資金調達の裏側。海外機関投資家の景色
2021-09-22

タイミー、資金調達の裏側。海外機関投資家の景色

#資金調達記事#HRTech#SaaS

今週のトップニュースは、スキマバイトサービスのタイミーの53億円調達だ。香港の機関投資家3社が日本の未上場企業へ初めて投資するなど、コロナ禍での事業立て直しとともに異例尽くしの調達にこぎつけた。

八木智昭CFOに資金調達の裏側を、リード投資家Keyrock Capital ManagementのJonathan Shih氏には日本スタートアップの景色やタイミーの魅力について聞いた。

そのほか、19.3億円を調達したカスタマーサクセスサービスのコミューンがどのようにデファクトスタンダードを目指すのか、同社CEO・高田優哉氏への取材から解き明かす。

スキマバイトサービスのタイミーは金融機関からの借入13億円を含め、53億円を調達した。リード投資家は香港のKeyrock Capital Managementで同じく香港のKadensa CapitalとSeiga Asset Managementに加え、THE FUND、伊藤忠商事、KDDI Open Innovation Fundが出資した。

香港の機関投資家であるKeyrock Capital Management、Kadensa Capital、Seiga Asset Managementは今回初めて日本の未上場企業に投資した。3社とも以前から日本の上場企業には投資をしているが、5年〜10年の時間軸でタイミーに伴走する。海外投資家が日本初投資で大型のラウンドのリード投資家を務めるのは珍しい。SmartHRに投資した米Light Street Capitalの場合、シリーズCで同社に投資したのち、シリーズDでリード投資家となっている。

今回の調達を主導したのは2021年2月にCFOに就任した八木智昭氏。コロナ禍で大打撃を受けた事業を立て直しながらわずか半年でこの異例尽くしの調達にこぎつけた。その舞台裏を追う。

ニュースの注目ポイント:海外機関投資家の景色と日本初投資を呼び込んだタイミーの魅力

タイミーはすぐに働きたい人と人手が欲しい事業者のマッチングサービスを東京・大阪・愛知・福岡・広島・宮城・北海道を中心に展開する。働き手は案件を選び、面接なしですぐに働き、即日で給与を受け取ることができる。数多あるバイトサービスの中でも働き手向けのサービス設計であることが特徴だ。2021年8月時点では、200万人のユーザーが利用、44,000の店舗が導入しており、スキマバイトサービスでは導入件数No.1だという。

タイミーのコーポレートサイト

タイミーは2017年に設立され、わずか2年で20億円超を調達するなど、順調な滑り出しであった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大により同社の求人案件の6割以上を占める飲食業が大打撃を受けたことでタイミーも厳しい状況に直面した。そこでタイミーは物流大手のプロロジスをはじめとする幅広い業種の株主から支援を受け、求人案件のポートフォリオを大幅に転換した。2019年10月には飲食が65%だったが、2020年10月には軽作業(物流)、配達・運転、販売が全体の88%を占め、過去最高売上の更新に至った。

タイミーの八木CFOは「2020年末にようやく事業基盤が整いました」と振り返る。2021年2月にCFOに就任した直後から八木CFOは「株主数、株主の希薄化を抑え、IPO後を見据えて海外機関投資家からの調達」を目標に掲げ、3月から早速、資金調達に動いた。

「ポートフォリオ転換直後で先が見えない中、想定よりも資金調達が上手く言った」と語る八木CFOは、毎月1回以上、証券会社が開催する上場企業と機関投資家向けのカンファレンスに参加し、機関投資家にアプローチした。「未上場のスタートアップではそもそも参加することすら難しいですが、前職(三菱UFJモルガンスタンレー証券)でのつながりも幸いして、海外機関投資家と関係構築することができました」と振り返る。

八木CFOは多くの投資家にアプローチすると同時に投資家間での競争環境を作った。「まずは出資してもらえる投資家を全て集め、そこから10社超に出資意欲を示してもらい、約120億円が集まる状況になりました。国内投資家はIPO時の売却を想定していますが、機関投資家の場合はIPO後も保有することが前提なので、バリュエーションを上げながらも適正な水準になったと思っています」(八木CFO)

こうした交渉を通じてリード投資家となったKeyrock Capital Management(以下、Keyorock)の創業者兼最高投資責任者のJonathan Shih氏は初めて日本の未上場スタートアップへ出資するにあたり、以下の3つに注目した。

「日本の上場企業にも投資をする中で、新たな起業家世代が生まれ、急速に成長していることを感じました。それらの起業家は新たな市場を作り、高成長をしている一方で外部資本を必要としていることに気づきました。日本の労働市場が多くの問題を抱える現状においてタイミーが提供するサービスは社会全体に大きなメリットをもたらす本質的価値を提供していると考えています。Keyrockは海外市場や海外スタートアップにおける投資経験も有するので、海外市場の情報提供や分析でタイミーの成長に貢献できるでしょう」(Jonathan Shih氏)

八木CFOもKeyrockが抱える海外市場の情報や分析力は強い味方になると話す。「米InstaworkやWonolo、スペインのJobandtalentなど、我々ではカバーしきれない海外類似スタートアップの戦略や動向について共有してもらっています。それをもとに『5年、10年先を見据え、どういう戦略を打つべきか』を議論しています」

Keyrockは社会課題の解決に焦点をあて、5年を超える時間軸で自社のリソースを使いながら、企業の長期成長を促進する。機関投資家ながら、アーリーステージに投資するVCやPEのように伴走しようとしている点は興味深い。

タイミーは2020年末以降、新規事業のフードデリバリ―やワークシェアサービスを終了し、現在はスキマバイトの「タイミー」だけに集中している。特に2021年からは「タイミー」の地方案件を増やすべく、支社の設立や各社との連携が進む。調達資金でユーザーと導入企業の獲得に加え、IPOができる組織体制の構築を目指す。ポートフォリオの転換は奏功したが、IPOに向けては足元の高成長率を維持できるかどうかが鍵を握りそうだ。

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