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ホームオリジナル記事「IPOは通過点」投資家が語るスタートアップの本質的価値
2021-02-18

「IPOは通過点」投資家が語るスタートアップの本質的価値

#IPO記事#資金調達記事

過去の歴史を振り返ると、リーマンショック前後では米国でUberやAirbnbなど爆発的に成長するスタートアップが誕生した。日本でも東日本大震災をきっかけにスタートアップ起業家も増えエコシステムも大きく変容した。

2020年、COVID-19は私達の生活を一変させた。果たして有事はスタートアップや投資家の転換点となるのだろうか。投資家は有事に何を考え、どのような行動をとってきたのか。企業のあり方や投資家の役割は、どう変わってきたのか。

INITIALでは、2020年に投資先のIPOが相次いだEight Roads Ventures 村田 純一氏、事業会社と独立系VCの経験を持つグロービス・キャピタル・パートナーズ 野本 遼平氏にインタビューを実施した。

「2021年以降、スタートアップの真価が問われるようになってくる」と語る意図とは。

※本インタビューはINITIAL主催のH2Hセミナー「IPOから読み解く、スタートアップ投資とEXITトレンド ~ 2021年投資家に求められる次の一手 ~」が元になっています。

CONTENTS

「死」が見えたことで大きく変わったスタートアップの経営観

2020年はCOVID-19の感染が拡大し、不安定な環境にありました。投資先とはどのようなコミュニケーションをとってきましたか。

グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP) 野本 遼平氏(以下、野本) これだけの大きなパンデミックは初めての経験だったので、COVID-19の感染拡大が報じられた2月以降、GCPとしてすぐに全投資先にレターを送りました。

経済的に大きなダメージを負う可能性があるので、コンティンジェンシープラン(最悪の事態を想定した計画)を策定しました。事業をこれまで以上に筋肉質化してコスト削減をするとともに、ピンチをチャンスに変えるリーダシップ発揮を意識してもらいたいといった内容でした。

しかし蓋を開けてみると、無風か追い風だったスタートアップが多かった印象です。結局、COVID-19の一気に影響で進んだオンライン化をはじめとする社会の変革が、デジタルを強みとするスタートアップに味方したようです。これが結果的に通年でのIPO社数が落ち込まなかった要因だと思っています。

もちろんこれはあくまでも結果論で、3月から4月にかけては生存するために打てる手はとにかく打つ方向で動いていましたね。GCPはリーマンショックも経験しているファンドなので、危機意識はかなり高まっていました。

Eight Roads Ventures Japan 村田 純一氏(以下、村田) リード投資家を務めているケースが多いため、2月中旬から投資先に対してすべて個別のミーティングを設定しました。他の海外オフィスチームとも連携し、解約率が3〜4倍になっても12ヶ月生き残れるかなど、最悪の事態を想定しながらシミュレーションしました。

結果的にダメージも大きくならず、むしろ順風になったスタートアップもたくさんいたのですが、このコンティンジェンシー・プラニングの経験はとても意味のあるものでした。

生きるか死ぬかの瀬戸際で、死生観を伴ってビジネスを見たことで考えが変わり、「自分たちは世の中や社会に対して何ができるんだろう」と本気で考えられるようになりました。

人も死ぬような経験をすると、それからの生き方を本気で考えるようになると言いますが、経営においても同じことが起こったのです。

昨今SDGsがトレンドとしてあげられていますが、正直これまでは企業経営上の取り組みとしてコーポレートガバナンスの文脈で取り組むことが主流でした。

しかしCOVID-19をきっかけに、スタートアップ自身が世の中にどのような価値を提供するのか、上場による従業員や取引先への意味は何なのか、などのトピックが取締役会で自然に話されるようになりました。

ビジョンを語り、ビジネスの結果がついてきたので通過点としてIPOしようという議論になった会社もありましたね。

フィデリティが日本に着目したきっかけ。東日本大震災が転換点に

特に村田さんが所属するEight Roads Ventures Japanの投資先は2020年にIPOを果たした企業も多いですよね。いつから本格的に日本のスタートアップに投資を始めたのですか。

村田 2020年はありがたいことに、会社として4社(プレイド、ヤプリ、Kaizen Platform、Retty)とたくさんのIPOのご縁を頂きました。そのうちプレイド、ヤプリ、Rettyの3社にメインの担当先として関わっていました。しかし、それはたまたまタイミングが重なっただけだと思っています。

実は弊社グループ企業のフィデリティ(※編集部注:グローバルで展開する独立系資産運用会社)はスタートアップ投資経験が50年程度ありますが、日本に着目し始めたのは2011年前後からです。私の入社が2013年なのでその前ですね。

アジアの中でも中国やインドで約30年近く経験がある中で、日本は2011年以前はあまり注目されていませんでした。日本は地政学リスクが低く魅力的ではあったものの、安定した企業が多く、年功序列が働くことで起業家精神が少ないと見られていたのです。

しかし、東日本大震災をきっかけに事態は急転します。グローバルでフィデリティのVC部門を統括しアリババの上場にも関わったキーマンが、「日本が変わる」と断言するのです。

彼は私にこう言いました。「村田さん、社会に大きな衝撃をもたらす出来事のあとに世界は変わる。人間、みんな自分の人生を見つめ直すよ。日本でもここから起業家精神が生まれてくるよ」と。

言われた当時は半信半疑でしたが、結果的に彼の言うことは正しかったですね。2011年以降、国内スタートアップ資金調達額・調達社数や投資家数が増え、エコシステムは充実し始めました。

2011年前後のスタートアップエコシステムは現在と全く違う状況でした。関わる人も少なかったですし、メディアの取り上げ方も大きくなかった。約10年経った現在、スタートアップエコシステムはいろんな人たちに興味を持っていただけるようになってきています。

まさに東日本大震災をきっかけにスタートアップエコシステムの盛り上がりができたとしたら、今回のCOVID-19も後で振り返ると、「本物のスタートアップ」が問われていく転換点になるかもしれません。

米国も同様なケースが見られます。米国の経済にとって壮絶なインパクトがあったリーマンショックを乗り越えてきた企業が、この数年間のIPOマーケットを賑わせてきました。たとえば、UberやAirbnb、Slackなど爆発的に成長した企業はリーマンショック前後に創業した企業です。

今回のCOVID-19も決して楽観視できる話ではありませんが、後から見た時にポジティブに昇華できると思いますし、昇華するために私達も頑張らなければいけないと思っています。

2021年の投資注目テーマ、バーティカルSaaSとD2Cの共通点

まさに変化が起きている2021年ですが、現在おふたりが注目している投資テーマは何でしょうか。

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