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2021/08/31

キャディ80億円調達、Facebook見出した海外投資家が出資

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今週のトップニュースは、シリーズBながら80億円を調達したキャディだ。同社への出資が日本のスタートアップへの初投資となるDST Globalの特徴。リード投資家WiLの久保田雅也氏がキャディをどのように評価したかを聞いた。

そのほか、建設支援クラウドのフォトラクション、時間外救急サービスのファストドクターの資金調達を解説する。

金属加工品の受発注プラットフォームを運営するキャディはシリーズBで80.3億円を調達した。リード投資家はグロービス・キャピタル・パートナーズとWiLで、海外投資家のDST GlobalやArena Holdingsなど10社が出資した。さらに25億円の追加融資枠も獲得しているほか、今冬には製造業系の企業から追加の資金調達も実施予定だ。シリーズBで80億円の調達規模は、国内スタートアップでは異例の水準である。

キャディは製造業向けに金属加工品の受発注プラットフォームを提供する。同社は産業機械メーカーやプラントメーカーを中心とした顧客から、板金や切削、製缶を主とする特注加工品一式の発注を受け、品質保証も含めて一貫生産を請け負う。発注者と受注者をつなげるマッチングだけでなく、商流に入ることで取引、製造コストの削減や受発注にかかる手間を削減。キャディがファブレスメーカー(自社工場を持たない企業)のような立ち位置となることで受発注業者それぞれの課題を解決する。

キャディのコーポレートサイト

COVID-19により自動車や工作機械業界での需要が落ち込んだものの、キャディの顧客は半導体業界など複数の業界にもいることから需給のバランスを調整し、受注額は前年比6倍超となっている。また、2021年からは装置メーカーに焦点を当てており、同業界だけで約1600社が利用、製造パートナーは600社を超える(2021年5月時点)。

ニュースの注目ポイント:著名海外投資家「DST Global」、日本のスタートアップに初投資

キャディの大型調達で注目すべき点は、著名海外投資家「DST Global(以下、DST)」が日本のスタートアップに初投資したことだ。DSTはリーマンショック直後の2009年に、FacebookのシリーズDで2億ドルを出資。以降も複数回の追加出資でFacebookをIPOに導いたことで知られる。

Facebookの他にも中国Alibaba、米Slack、Airbnbなど名だたる企業に投資実績がある。未上場企業でも、FinTechのStripe、EdTechのBYJU'S、スニーカーECのStockXなど業界を代表するスタートアップにも投資する。

海外投資家が日本のスタートアップに投資するトレンドは以前からINITIALでも伝えているが、上場を見据えたレイターステージでの投資が主流であった。今回キャディのようなシリーズBでの出資は異例だ

キャディのリード投資家を務めたWiLの久保田雅也氏は、DSTや海外投資家の動きについてこう語る。

「かねてから、DSTを含む海外投資家は日本参入の機会を探っていました。マーケットサイズが大きく、地政学リスクが低いこと、さらに1000億円規模の上場をするスタートアップ出始めたことが要因でしょう。今回のキャディでも複数社の海外投資家が興味を示しており、資金調達完了後も次の出資機会を狙って殺到しています。DSTは今回初めて日本のスタートアップに投資しましたが、香港拠点もあることから、すでに次の日本での投資機会を探っているのではないでしょうか」

キャディがそれほどまでに投資家を魅了するのはなぜか。

「キャディがターゲットとしている製造業の調達市場は国内だけで120兆円、グローバルでは2000兆円の市場規模です。その巨大な市場の課題に向けて、直近では受発注マーケットプレイスにとどまらず、図面を基軸としたSaaSへの拡大、海外展開を控えています。ネットワーク効果が働くが業務プロセスに浸透しにくいマーケットプレイス。ネットワーク効果は働きにくいが、業務プロセスに浸透するSaaS。その2つのビジネスモデルが組み合わさり、両者が補完し合うことでより強固な”SaaS-Enabled Marketplace(SaaSにも対応したマーケットプレイス)”が完成します」(久保田氏)

日本の基幹産業である製造業を復活させるため、2030年には1兆円規模のグローバルプラットフォームとなることを掲げるキャディ。大型調達を機にSaaSプロダクトの開発、グローバル展開に挑む。

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