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2020-02-14

スタートアップの評価額と上場企業の時価総額

#IPO記事#資金調達記事

スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」では、ファイナンスを中心として、データとストーリーからスタートアップの情報を多角的にお届けしている。

本記事ではスタートアップのIPOに焦点をあて、直近の動向をコンパクトに確認する。

現在のスタートアップにおける評価額の水準は上場企業の時価総額と比較した際、どの程度なのか。

CONTENTS

2019年12月のIPO動向

2019年12月の新規上場数は21件(テクニカル上場や鞍替え含まない、名証への上場を含む)。2019年の新規上場数のうち23%にあたる件数が12月に集中し、まさに駆け込む形となった。2020年1月の新規上場は前年同月と同様にない。

2019年12月のIPO企業のうち、VCより出資をうけていた企業は11社。

2019年におけるマザーズ新規上場企業の初値時価総額中央値133億円(出所:KPMG「2019年のIPO動向について」)を上回った企業が大半であった。

とくにクラウド会計ソフトfreeeを提供するフリーは1,000億円超える大型の初値時価総額を記録した。2020年2月7日現在における同社の時価総額(自己株控除後)は1,583億円と初値から30%以上プラスの伸びをみせている。

他にも、サイバーエージェント子会社で上場したクラウドファンディングプラットフォームのマクアケ、医療ヘルスケア領域採用システムのメドレー、AI手書き文字認識のAI Insideが約300〜400億円台で初値時価総額をつけた。

2016年以降上場企業の株価騰落率

VCから投資を受けていた主なスタートアップのうち、2016年以降にIPOした企業について、初値から2020年2月7日現在までの騰落率を算出した。そのうち、上位10社をみてみよう。

上位10社のうち5社が情報・通信業に属する。騰落率は時価総額の小さい企業が高く出やすい傾向にある。10社のうち初値時価総額が200億円以上かつ株価が2倍以上(騰落率が100%を超える)になったのは、レノバ、ユーザベース、アカツキ、ティーケーピーの4社だ。

上場全社時価総額トップ5

国内上場全社の2020年2月7日現在の時価総額(自己株式調整後)上位5社を確認する。トヨタ自動車を筆頭に、移動体通信3社、ソニーの順であった。

この5社は、とくにここ数年、国内スタートアップに対する投資動向が注目されている。トヨタ自動車はPreferred Networks、Japan Taxiへの大型投資を実施。自動運転、配車サービス視点での投資が目立つ。また、スパークスグループの未来創生ファンドの出資者にも名を連ねる。

先月、融資含めた40億円の大型調達完了を発表したみんなのマーケットへ投資したのはソニーだ。直接投資のみならず、2016年にSony Innovation Fundを設立し、物流から金融まで幅広く投資を実行。また、2019年は大和グループと合同で大きな成長が期待できる産業分野のスタートアップを対象とした投資ファンドInnovation Growth Fundの1号ファンドを設立している。

マザーズ時価総額トップ5

IPO EXITを考える場合、多くのスタートアップが目指すのは東証マザーズだ。2020年2月7日現在の東証マザーズにおける時価総額(自己株式調整後)上位5社をみてみよう。

2018年にIPOしたメルカリが突出している。2013年の設立から駆け抜けて華々しく上場。同社US事業におけるアクセルと激化している国内ペイ事業に注目が集まる。

Sansan、ラクス、フリーはいずれもBtoB SaaS(Software as a Serviceの略)領域の企業で、スタートアップでも注目が集まる領域の1つだ。

スタートアップ評価額トップ10

では、2020年2月7日現在のスタートアップ(※定義の1つに「未公開企業」であることが含まれる)調達後企業評価額(以下、評価額)上位10社も合わせてみよう。

研究開発型のスタートアップが中心である。

スタートアップ上位10社を上場全社の時価総額降順に差し込んでみる。

現在のスタートアップ評価額上位企業は東証1部の企業に見劣りしない規模だ。たとえば、スタートアップ評価額トップのPreferred Networks(評価額3,517億円)は時価総額上位約350位相当、上場企業全体(約3,700社)の上位10%以内の水準だ。東証全体で1,000億円を超える企業は800社程度で、ユニコーン企業は上場企業全体の上位25%に匹敵する推定評価額だ。

かつて国内スタートップでこのような規模まで、同時期に複数社育ったことがあるだろうか。

時価総額1,000億円以上の企業は売上も1,000億円以上を超えるケースがほとんどの中、スタートアップの評価は今後中長期的な売上・利益の成長期待を折り込んだ形とみれるか。

しかし、期待が大きすぎると感じる面もあるだろう。本水準の理由として、スタートアップが新しい領域を主事業としていることが多く、既存企業と単純比較が難しいことが影響している点がまずあげられよう。

また、スタートアップ上位10社の株主は事業法人が主体である企業が目立つ。一般的に事業法人は事業シナジーを求める傾向がある。言い換えると、財務リターンを確保するインセンティブが少ないことが影響していることも考えられよう。

今後のIPOスケジュール

今後のIPOを確認しよう。2月はすでにコーユーレンティアとジモティーのIPOが完了している。

注目のIPOはスポットコンサルを運営するビザスクだ。2月3日に東京証券取引所へ新規上場申請が承認された。

同社はこれまでに外部への株式の発行による2回の資金調達を行っており、累計調達額は3.3億円。INITIALシリーズA、想定時価総額171.9億円(※IPO日時点での発行済株式×公募価格で算出)での上場となる。

ビザスクの最終資金調達日は2015年7月と4年半以上前。同社は2012年設立後、比較的早期に株式発行による資金調達を止め、自己資金と借入で成長してきたと推測される。 参考までに、同程度の想定時価総額で直近上場したITスタートアップのポートは調達回数4回、累計調達額13.7億円、ツクルバは調達回数5回、累計調達額9.1億円だ。

今回の上場では新株発行による約10億円の資金調達とともに、VC保有分の約60%が売却される。上場前の累計調達額より大型の資金調達を行う「ビザスク」が上場を通じてどう成長を加速させていくかが注目される。

(文:森敦子、藤野理沙、福井健史 デザイン:廣田奈緒美)

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