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機関投資家向け暗号資産運用のHYPERITHM（以下、ハイパーリズム）はシリーズBで約12億円を調達。リード投資家は韓国VCのHashedと韓国のゲームメーカーWemadeの子会社。その他、米国、シンガポール、韓国の機関投資家、日本からはゲーム事業などを展開するココネ社が出資した。

__ニュースの注目ポイント：日本でも機関投資家向けの暗号資産サービスが盛り上がるか__

ハイパーリズムは2018年に創業、日本と韓国を拠点に機関投資家と富裕層向けに暗号資産運用、管理事業を展開する。日本では暗号資産交換業に未登録であるため、転職支援コンサルティング、私募で暗号資産のレンディング（貸出）サービスを運営する。すでに同社の暗号資産運用サービスは上場企業、ファミリーオフィス、VC、暗号資産取引所、マイニング会社など、国内外50社超が利用する。今後、日本で暗号資産取引の仲介事業を展開するため、暗号資産交換業の登録手続きを進める。

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> HYPERITHM コーポレートサイト

同社が展開する__機関投資家向けの暗号資産事業は、ユニコーンも毎月複数誕生するなど海外では注目の事業領域だ。__8月には米[FalconX](https://falconx.io/)、シンガポール[Matrixport Technologies](https://www.matrixport.com/)などがユニコーンとなっている。

ハイパーリズムの投資家には、世界最大規模の暗号資産取引所「コインベース」運営企業の投資部門、Coinbase Venturesも参画する。そのコインベースも[2021年8月19日に日本市場への参入を発表](https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000085077.html)した。まずは三菱UFJ銀行と連携し、同行の口座保有者向けに取引サービスを開始する。今後はその他の個人や機関投資家向けのサービスを提供予定だ。

国内でも暗号資産が個人の投機目的から、本格的に企業が導入するサービスとして普及することが期待される一方で、引き続き懸念点も残る。2021年8月19日に暗号資産サービスを手がける国内ユニコーン「[リキッドグループ](https://initial.inc/companies/A-32921)」のシンガポール法人で[100億円規模のハッキング被害](https://blog.liquid.com/warm-wallet-incident)が発生した。

マウントゴックス、コインチェック、Zaifなど国内で相次いだハッキング被害からほとぼりが冷める中、再び発生した資産流出。国内で機関投資家が暗号資産に期待を感じ、本格的に暗号資産サービスを利用する時代は来るか。



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電動マイクロモビリティのLuupは総額約20億円の調達を発表。投資額には2021年4月に調達した7.5億円が含まれる。森トラスト、DGインキュベーションが運用するESGファンド、ゼンリンフューチャーパートナーズ、大東建託などから調達した。

マイクロモビリティとは、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人〜2人乗り程度の車両を指す。Luupは電動キックボードや小型電動アシスト自転車など、マイクロモビリティのシェアリングサービスを東京・大阪の一部地域で提供する。

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> Luupのコーポレートサイト

__ニュースのポイント：「規制改革制度」を活用し、事業拡大__

__Luupは創業初期から政府と交渉__を重ね、代表の岡井大輝氏がマイクロモビリティ推進協議会の会長を務めるなど、__規制改革を進めて事業を展開してきた。__現行の道路交通法上、電動キックボードに乗るにはヘルメットの着用、車道の走行に限って認められていた。2021年4月に政府の特例措置により国内で初めてヘルメット着用が任意となり、自動車道での走行などが認められた。この特例措置の対象になるのは、Luupを含め6社のみだ。

2013年以降、政府は経済の再興を目的として、各企業が事業内容に即して、規制改革を推進できる目的別の制度を整えてきた。
参考：[経済産業省 企業単位の規制改革について](https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/index.html)

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Luupが活用したのは「規制のサンドボックス制度」と「新事業特例制度」だ。スタートアップが「新事業特例制度」を活用し、特例措置による実証実験に至った例はLuupをはじめとする電動キックボード運営企業のみだ。

Luupが公道での電動キックボード事業の展開を実現した理由は、「規制のサンドボックス制度」を活用し、大学敷地内で実施した実証で得たデータを元に「新事業特例制度」の認定を受けたからだ。ただし、同事業は2021年4月から10月までの条件付きの認可であるため、同期間の実証で安全性を立証し、現行法の改正を促さなければならない。

グレーゾーン解消制度は、新事業を展開するにあたって、あらかじめ現在の規制に対応できているかを確認できる。匿名での確認が可能であることから、数多くの企業が新規事業を模索している段階で利用しているであろう。

プロジェクト型「規制のサンドボックス」の場合は、オンライン診療の「[MICIN](https://initial.inc/companies/A-27269)」、ブロックチェーン活用の臨床データのモニタリング「[サスメド](https://initial.inc/companies/A-26292)」、P2P保険の「[justInCase](https://initial.inc/companies/A-29150)」、「[Frich](https://initial.inc/companies/A-31928)」などが活用するなど、特に規制が厳しいヘルスケア、モビリティ、金融などの事業でスタートアップの利用も進んでいる。

法規制は海外企業だけでなく、大企業でも事業参入の障壁となる。人的資本の限られたスタートアップにとっても大きな障壁となるものの、特に革新的な技術やサービス、新たなビジネスモデルを展開するスタートアップにとっては、__規制改革が事業の成功要因を左右することもあるだろう__。

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ペット関連事業を展開するTYLは、シリーズAで累計5.6億円の調達を発表（融資含む）。ラウンドは2020年1月から2021年8月にかけて行われ、名古屋テレビ・ベンチャーズ、朝日メディアラボベンチャーズが出資した。INITIALの推測によると調達後評価額は24億円だ（2021年5月時点）。

__ニュースのポイント：人材・メディア事業を軸にヘルスケアを強化、1.6兆円のペット市場に挑む__

TYLはペット市場の中でもペット関連人材のキャリア支援、動物病院の経営コンサルティング、ペットメディア、ヘルスケアの4つのペット関連領域で事業展開する。

同社はペット業界に特化したキャリア支援事業とペット飼い主向けのメディア事業で得られた顧客接点を軸に、2021年5月には往診専門の動物病院などヘルスケア事業を強化する。同社のビジネスモデルは医療・介護の人材サービスを基軸にオンライン診療などヘルスケア事業を強化して成長を遂げるメドレーと類似しており、言わばメドレーのペット版であろう。

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> TYLのコーポレートサイト

2020年度の国内ペット関連市場は前年度比3.4％増の1兆6,242億円（出所：[矢野経済研究所](https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2649)）で、コロナ禍で在宅時間の増加が追い風となり今後も拡大が予想される。

しかし、__巨大な市場規模であるにも関わらず、[ペット関連事業](https://initial.inc/tags/pet)には高い評価額をつける国内スタートアップのプレイヤーが少ない。__今回資金調達したTYLはシリーズAで評価額24億円にも関わらず、3番目に評価額が高い。シリーズB以降のスタートアップも45社中わずか3社だ。その背景として、創業期の企業が多く、収益化、急成長ができるビジネスモデルの構築できず、大型の資金調達に至っていないことがあげられる。

唯一の例外は、評価額トップの[PECO](https://initial.inc/companies/A-25964)だ。評価額は314億円、融資を除く累計調達額は約85億円だ（INITIALによる推測）。同社は月間1000万人が訪れるペットメディアを軸にペットのインフルエンサー事務所、ペット保険、ペット医療施設へと事業拡大することで成長を遂げてきた。今後、ペットフードやペット用品などのEC事業を立ち上げることも視野に入れているだろう。

これまで投資家の注目が集まりにくかったペット領域。次に頭角を表すスタートアップは出現するか。

（文：平川凌、編集：藤野理沙、デザイン：浅野春美）

株式会社HYPERITHM

株式会社Luup

株式会社TYL

20210824 Briefing cover

企業名	設立年月日	最新ラウンド調達日	スピーダ調達シリーズ	調達後評価額（千円）
Rowls株式会社フレッシュペットフード「BabeFood（ベイブフード）」の製造・販売。動画を量産したい顧客のためのサブスク型動画制作サービス「VIDEODRIVE」、EC企業のコンサルティング事業を運営。生成AIを活用し、総合栄養食の基準を満たした配合でオリジナルドッグフードを提供するサービス「フルオーダーメイド型フレッシュペットフード（β版）」の展開（2024年8月時点）。 #BtoB #BtoC #FoodTech #eコマース #人工知能 #D2C ...	2020/07/07	2024/11/08	シード	130,034 （推測）
A’ALDA Ltd. アジア各国を中心としたグローバルに展開する動物病院・ヘルスケア事業やテクノロジーを活用した動物病院電子カルテシステム「A’alda Vet360」の開発・運用による動物病院支援事業、ペットライフスタイル施設「Dyplus(ディプラス)」の運営を中心としたライフスタイル事業といったペット関連事業を組み合わせた事業を展開。「Pet to Partner ~人とペットが幸せに暮らせる社会をつくる」をパーパスに掲げる。 #BtoC #人工知能 #ペット #ライフスタイル #ヘルスケア	2019/04/01	2024/09/12
株式会社Bomo 動物病院向け予約管理システム「Wonder」を開発。「Wonder」は、オンライン予約・問診やLINE連携、デジタル診察券等の機能を搭載したクラウド型予約管理システム。「動物医療体験をアップデートする」をミッションに掲げる。 #BtoB #ソフトウェア #クラウドサービス #HealthTech #ペット #ヘルスケア ...	2021/07/21	2024/08/31	シード	159,895 （推測）

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