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2019-07-04

「じつはSaaSは不自由?」創業から上場まで経験して掴んだ解決への糸口

# 起業ストーリー# 連続起業家# エンジニア出身# SaaS# クラウドサービス# イエソド
# 起業ストーリー# 連続起業家# エンジニア出身# SaaS# クラウドサービス# イエソド

近年、スタートアップの台頭とともに、存在感が増しているSaaS(Software as a Service)。スタートアップデータベースentrepediaによれば、SaaSスタートアップの資金調達額は増えており、最近では、日本のSaaSの雄、Sansanが未上場で1,000億円の調達後評価額をつけ、上場したことが話題となった。

SaaSとは、クラウド上で提供されるサービスであること、継続課金型のビジネスモデルであることが特徴であるが、普段からSaaSを自然と使っている読者も多いのではないだろうか。

しかし、便利なSaaSが増えるにつれ、企業の情報システム部門や管理部門、内部監査部門の困りごとが増えていることはご存じだろうか。

とくに、人の入社・退職や組織変更が多いスタートアップでは、その課題が大きい。

イエソド CEOの竹内氏は、独立しているSaaSを1つのサービス上で連携させることで、課題の解決を目指している。

2016年にIPOしたユーザベースにおいて、創業時からプロダクト開発、そして経営に近い立場で培った経験が本サービスの着想・開発に繋がったと竹内氏は話す。

イエソドが示すSaaSをより使いやすくする方法とは。

CONTENTS

SaaSが抱える課題

なぜこの領域に注目されたのですか。

イエソド CEO 竹内 SaaS時代の幕開けによって、今後、それぞれのサービスの統一管理の必要性は高まってくると考えています。

数年前はそこまでSasSの数が無かったので、問題視されませんでしたが、今現在SaaSの導入は加速しており、1社あたり平均23のサービスを利用しているという調査結果があります。スタートアップで導入されているSaaSで代表的なものとしては、G Suite、Office365、Salesforce、Slack、SmartHR、freee、MFクラウド、GitHubが、また少しずれるのですがPaaSとしてGCP、AWS、Azureなどがあります。

SaaS導入数 (2)

(画像:スマートキャンプ「SaaS業界レポート2018」)

当然、便利だからそれらのサービスを導入しています。しかし、同時に新しい課題が起きています。それは管理の問題です。例えば、社員の入社・退職時や組織改編・人事異動時に導入SaaS分それぞれのアカウントを付与・削除する必要があります。

本来であれば、ある人が入社してきたら1度のアカウント発行ですべてのサービスが使えるようになる状態が理想です。

しかしSaaSは領域特化型であることが多く、各サービスが独立しているため、それぞれの連携に課題があります。また、独自に社内で開発している、プロダクト管理画面系の社内システムも同様の問題をはらんでいます。

その課題に対応しているサービスが、最近出てきてはいますが、それだけでは足りない部分が多いため、イエソドを開発しています。本サービスは、情報システム部門や管理部門、内部監査部門、そして最終的には監査法人やM&A担当者のためのシステムです。

入社・退職時のID管理もそうですが、IDごとのアクセス権限の幅などもあることが、より複雑さを深めていますよね。

複雑ですよね。たとえばGoogleドライブは、人軸で管理されていることが多いため、設定の仕方を一歩間違えると経営者しか見られないはずのフォルダの中にインターン生のアクセス権限が入ってしまうことがあり得ます。

お金のない初期スタートアップだと、外部協力者のgmail.comのアカウントがフォルダアクセス権に登録されていて、後になって情報漏洩リスクになることもあります。

そして、それになかなか気付きにくいことも問題です。

組織の新しい形を提案するサービス

イエソドの強みはなんですか。

SaaS先進国である米国ではID as a Service(以下、IDaaS)として、各SaaSへのアクセス管理に特化したサービスがあります。代表的な企業として、時価総額が日本円で約1兆円規模のOkta(オクタ)が有名です。

イエソド画像

SaaSの統合管理(画像:イエソド公式ページ)

まずIDaaSは、1つの場所で集中管理して、各サービスへのログイン可否をコントロールするものです。

どのサービスが使えるか使えないかをユーザーごとに管理したり、誰がいつどれぐらい使ったかを業務レポートとして見たりすることができます。

また、社員が入ってきたときに、誰に対してどのサービスを使わせるのかまでは既存のIDaaSで管理ができます。イエソドもここまでの機能も提供していきますし、その下準備も既に終えています。

違いは、ログイン部分だけを管理するのではなく、さらにそこから各サービスの権限を組織やその立場に紐付けて管理できることです。また、従業員の情報そのものをイエソドのサービス上で時系列に保持しているため、各サービスに対して、様々なイベント毎に、従業員の情報を自動的に入力・同期することも可能です。

人ではなく、「組織やその組織長」といった所属や役割に対して権限を与えられるようにすることで、監査で求められる内部統制がしやすくなります。

組織やその組織長、プロジェクトやプロジェクト長、雇用形態といった様々な役割のマトリクスから権限管理表を設計する。それにより、各サービスに対して、どの役割が何の権限を持つのか、そして、誰が例外として個人に権限が与えられているか、会社として把握できるようになります。

その上で、イエソド上では従業員個人と法人・組織・プロジェクトの関係性を兼任や出向関係含め設定でき、それが各SaaSのアクセス権限や従業員自身に関わる情報とスムーズにつながっているイメージです。

それができて初めて、各SaaSを不自由なく活用できるようになると考えています。最終的にはこのサービスを通して、組織の新しいかたちというものを提案していきたいと思っています。

イエソドのミッションは、「企業の人・組織・情報にまつわる非効率をなくす」です。SaaS時代の新しいシステムをつくることで解決する問題、未来のイメージはなんですか。

たとえば、会計分野であれば、最近効率的に組織やプロジェクト毎の予算の消化状態を把握するためのSaaSが生まれてきていますが、そこに入れるための大元となる人と組織の情報がExcelで管理されており、入力が一苦労だったりします。

イエソド資料2

組織が抱える課題の例(画像:公式ページ)

また、勤怠や工数管理分野でも同じ状況で、組織やプロジェクト単位でどのくらい稼働しているのか、極端に効率が悪くなっている組織やプロジェクトがないかなどを、可視化していくSaaSが各種出てきていますが、やはり組織情報を独自で持っているためその入力が非常に大変です。

言い方が正しいか分かりませんが、数年前に生まれた管理部門向けのSaaSは法令等の制度が定めている手続きに寄っているものが多く、組織管理の機能が不十分と感じています。逆にここ最近の管理用のSaaSは課題に特化しすぎており、人や組織の情報を入力するだけの作業に時間がとられるため導入が非常に困難です。

会社として正しく業務を回すためには、もちろん制度に則した情報も重要ですが、会計における制度会計に対する管理会計のように、どう管理するかもとても重要であり、各SaaSに散財している情報を集めながら管理上の組織と紐付け、様々な管理にも使えるようにしていく必要があると考えています。そして、そうすることで会社の状態を正しく把握できるようになります。

非常に難しく、大変な作業に感じます。

大変です!まず、フレームワークを作っているとは言え、ひたすら各SaaSとつなぐ部分が大変です。

それに加え、実際のユースケースに基づいて話をすると、管理のための人・組織データベースは、現在の状態だけを管理できるデータベースを作っても意味がありません。過去、現在、そして「未来」のすべての時系列において、「いつ、だれが(組織が)、どういう状態だったか、そして次月どういう状態になるのか」を正しく管理できる必要があります。

未来の組織の状態まで管理ができると、次月の組織変更や入退社に伴う、サービスのアカウント発行、権限設定もあらかじめ予約して、システムによる自動発行・設定ができるようになります。

イソエド添付画像

様々な機能をイエソドでは提供している(画像:公式ページ)

時系列で人・組織の状態を管理する、それこそデータモデル設計技術の世界です。よくその領域についてわかっているエンジニアには理解してもらえますが、履歴を持つデータモデルはそもそも設計とその「実装」が難しいです。

さらにそれを超えて、履歴だけではなく未来の情報を持つ。このデータベースの設計は普通のWebシステムをつくっているエンジニアでは、まず正しくつくれないものだと思います。

私自身がSPEEDA(市場分析プラットフォームサービス)の設計をやっていたからこそ、今、イエソドでやっている設計ができていると思っていますし、そのデータ設計の知識と経験がイエソドのプロダクトの強みになっています。

管理部門のそれぞれの部門や監査法人が、従業員に関わる何の情報に対して興味を持っているかを、僕自身がある程度把握できていることも強みの1つと言えるかもしれません。

とくにスタートアップのような成長企業は、組織を柔軟に変えながら攻めますが、コーポレートが追い付かず、SaaSを導入しすぎたせいで、内部統制面でIPO時に大きな問題が見つかってしまったといった話も最近聞きます。

企業が全力で攻めに集中するためにも、イエソドが守る。そんな世界を作りたいです。

「世の中の非効率な管理業務を消し去りたい」

技術面と組織管理面、2つの文脈での課題がることを、ユーザベースで実際に体験したからこそ、竹内さんとしては「自分がやらなきゃ」みたいな、使命感があるのでしょうか。

このサービスは、数人のスタートアップからIPOして数百人になるフェーズを経験し、経営層に近いところで組織とシステムの課題をずっと見てきたから思いつけたと思っています。それを経験していない人には、まず正しく作れないと思います。

また、「世の中の非効率な管理業務を消し去りたい」という使命感もあります。

使命感だけではお金は出てきませんし、イエソド社が法人としてお客様に迷惑をかけずに存続するためにも、正しい価値を提供し、正当な対価をいただくことが大切だと思います。同時に、いま取り組んでいる領域はそれができると思っています。

現在は人材も募集していますよね。どんな方にきてほしいですか。

私自身、人としてもスタートアップとしても成長するために、好奇心が一番重要なことだと思っています。

いま取り組んでいる分野自体、いろいろなことに興味がないとつくれないので、好奇心を軸に挑戦していくマインドを持ち、本質を正しく理解しようと頑張れる人を探しています。

当然、自由な働き方は支援していきたいので、そこは担保した上で条件を満たす人と一緒に働きたいと思っています。

また、補完関係も大切だと思います。今、一緒にやっているのは弟と若手のエンジニアです。私自身、プロダクトを創ることに特化していますが、私の弟はITコンサル出身で、管理部門向けのシステム導入担当をしていました。僕がつくり弟が導入する計画を立てます。

また、若手のエンジニアは、僕とは完全に分業で、僕の知識が足りないような所を担当してもらうことで、全体の開発効率化を図っています。

今メインはやはりエンジニア採用に注力していますが、そのほかにも、当然システム導入や、マーケティングができる人、様々なアライアンスを設計できる人も採用したいと思っています。僕自身いろいろ足りない人間なので、そこを手伝ってくれる人や会社を盛り上げてくれる人を本気で募集中です!

正直ここで語れたことは全構想の10%も話せていない気がするので、少しでも面白そうだなと思えたら是非一度お会いさせて頂きたいです!

20190427 YESOD竹内さん-4

文・写真:ami

# 起業ストーリー# 連続起業家# エンジニア出身# SaaS# クラウドサービス# イエソド

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