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ホーム記事一覧「20%の社員がリファラル採用の鍵」スピンオフで起業した男が目指す採用の形
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2019-05-20

「20%の社員がリファラル採用の鍵」スピンオフで起業した男が目指す採用の形

# 起業ストーリー# 大企業出身# スピンオフ# HRTech# 採用支援# SaaS
# 起業ストーリー# 大企業出身# スピンオフ# HRTech# 採用支援# SaaS

大量に採用し優秀な人材を見つける時代から、優秀な人材をピンポイントに採用する時代へー。

人材不足による採用競争の激化から、会社における採用の形も「量から質へ」変化を迫られている。

そんな中、その課題を解決する手段として、自社の社員に採用候補を紹介してもらい、採用に繋げる「リファラル採用」が注目を集めている。

今回注目したのは、リファラル採用の導入支援を行う「MyRefer」。大企業からスピンオフした意外な一面も持つ。

定着が難しいリファラル採用を、攻略する肝はどこにあるのか。スピンオフをしてまで同領域に挑戦する鈴木CEOの「野望」に迫ることで、定着への秘訣を探った。

※本編は2回の配信をまとめております。

CONTENTS

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転職潜在層に見出した可能性

MyReferはどのようなサービスですか?

MyRefer 鈴木さん MyReferは、新しいリファラル採用の手法を活性させるためのクラウドサービスです。

リファラル採用は、エージェントや求人広告といった第三者を介した転職手法ではなく、自社の社員がお勧めする友人を連れてくる、従来で言う縁故紹介のような手法を指します。

最初から自社社員のリファレンスがある採用対象者なので、自社のカルチャーとマッチングの精度が高い点人材を採りやすい点が、一番いいところですね。

MyReferはそれを活性化させるサービスです。

なぜリファラル採用の領域を選んだのですか?

前職のインテリジェンス(現パーソルキャリア)(以下パーソル)は、転職サイトやエージェント、イベントといった多様な転職支援チャネルを持っていたので、それ以外の「潜在的に転職したいと思っている層(=転職の潜在層)」にリーチする手段がないかをずっと考えていました。

たとえば、リクナビやDODAといった転職サービスには、すでに転職の想いを顕在的に持っている層しか登録しません。一方で、潜在層が転職をするときは、大学の同期と飲みに行くといったシチュエーションが多いと考えていました。イメージとしては、「転職する気はなかったが、友人に感化され転職する層」が、リファラル採用の対象になります。

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パーソナライズされたメッセージが社員を動かす

リファラル採用を検討している会社が抱える課題は?

人事部と社員にとって、始めるハードルが高い点です。リファラル採用をするには、社員や経営陣を巻き込んで採用をしたり、定期的に新たな空きポストが出たら社内に告知するといった、負荷が大きい業務を他の社員に対しても頼む必要があります。そのため、人事部にとってハードルが高くなってしまいます。

また社員からしても、紹介推薦状を人事に渡したり、友人の連絡先を渡すといった負荷が発生します。

スライド1

どのように課題を解消したのでしょうか?

MyReferは上に挙げたような人事や社員の負荷を軽減し、持続可能なリファラル採用を実現することをコンセプトとして掲げています。

今まで人事側が他の社員を巻き込めなかった原因のひとつとして、どの社員がどれぐらい自社に興味あるかという定量的なデータがなかったことが挙げられます。そこでMyReferでは、2つのことをしました。

1つ目は、社員が自社の求人情報を「どれぐらい開封し、何人紹介したか」といったリアクション数値を、独自の変数と掛け合わせてデータ化しました。

2つ目は、自社で募集している空きポストを一覧表示し、それをもとにワンクリックでLINEやFacebookを使って採用活動ができるようにして、ハードルを下げるようにしています。

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全社員で取り組むというよりは、活動的な社員を特定し、その人の熱量をより高める仕組みを提供するイメージですか?

前提としては「全社員の人事化」をコンセプトに、全員が当事者意識を持って参加できる機能を提供していますが、より効果的にリファラル採用を促進するためには全員に同じメッセージを発信するのではなく、興味の濃淡に合わせて、個別にパーソナライズすることが重要です。その中でエンゲージメントの高い人にはより活動を促すようなコミュニケーションを取ります。

積極的に動く社員層は、どこの会社もだいたい2割ぐらいで、7割ぐらいがパッシブな層、そして1割ぐらいがネガティブな層なので、どうやってその2割をユーザー化していくかが重要です。

リファラル採用のジャーニーを引けているか

実際にその2割の人たちは活性化しましたか?

紹介率は、導入によって約6倍になりました。また、残りの7割のパッシブな層もアクティブ層にどんどん入ってきています。一方で、もっと多くの社員が参加するようになるとも思っていました。

もともとの仮説では、しっかりと制度設計をして社内に通達すれば、ロイヤリティが高い会社なら4割ぐらいの社員は参加すると思っていました。ただ実際に、パーソルの中で検証すると想定より低い値に。予想以上に日本で、社員に採用を自分事化させるのは難しいです。

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多くの場合、人事だけが採用をすると思われていますよね。

採用に対して熱量の高い社員をつくるには、称賛と成功体験の伝播が重要です。 「自分が紹介した人が入社すると、3カ月後にインセンティブ報酬として10万円がもらえる」と言われても、時間軸が長過ぎて自分事化できないですよね。人を紹介したタイミングでしっかりと称賛し、採用が決定したらその事例をインタビューして社内に展開するなどのプロセスを決め、社内に広めることが重要だと思います。

そこで、MyReferでは、社員が紹介したタイミングで即時にソーシャルギフトを発行して動機付けし、称賛を循環させる仕組みも提供しています。

スピンオフは早く市場をつくるための手段

事業だけを会社から独立させる、特殊な形式のスピンオフベンチャーで起業した理由は?

スピンオフをする前に、外で他のビジネスをやることをいろいろ検討していました。たとえば、僕は寺生まれなので、寺の煩雑な業務をすべてクラウドで効率化するといったビジネスです。競合調査をするとブルーオーシャンでした。

結論としては、それで実現できる世界に、ワクワクしないことに気付きました(笑)。つまり、どういう課題を解決するかといったマーケットインの部分と、どういう世界をつくりたいかといったプロダクトアウトの部分が、リンクしていなかったのです。

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寺の領域でインフラとなるビジネスを創るのであれば、単なる業務効率化だけでなく『人類の死生観を変える』くらいの高いビジョン設定から世界観を描き、そこに負をリンクさせないとエネルギーが出ないだろうなと思ってたんですが、それでもかなり強引な接続なので、壁にぶち当たったときに折れちゃうだろうなと。

その点MyReferは、自分自身で腹落ちしていた世界観だったので、これを続けられるのであれば、それがベストだと思いました。

スピンオフの手法をとったのは、なるべく早く市場をつくりたかったので、自分で創業して0→1で始めて2年ぐらいかけるのは、意味がないと思ったのが大きいです。

事業ごと出て行くときは、どのようなステップで行われたのでしょうか?

スピンオフする際に、パーソルの経営陣の方から「事業を加速させるのであればサポートするから、ディールのスキームを自分で詰めて想いとともに持ってこい」と言われました。

スピンオフにも、子会社を設立して徐々にスピンオフするパターン、いきなり飛び出すパターンなど、いろいろなやり方があります。

私たちの場合は、資金調達と同時にスピンオフをするイメージだったので、VCへのアクセスとパーソルの役員経営陣へのアクセスを両方同時にやる必要があったり調整が難しい部分もありましたが、最終的には事業を最短で伸ばすうえで理想的な形でサポートいただけることになりました。

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全ての始まりは銭湯と喫茶店

細田COOがジョインしたきっかけは?

細田 ジョインする前まではダイレクトリクルーティングサービスのマーケティングを担当していました。 鈴木とは社会人1年目から同期・同部署で、一番一緒にいる時間が長くて、仲良くしていました。それこそ2週間に1回は銭湯に行く仲です。

私がジョインして創業に参画する決断をした理由は2つあります。1つはスピンオフ自体、人生でなかなか経験できることではないので、そのチャンスを掴みにいかないともったいないと思ったから。

もう1つは、鈴木みたいな熱量をもった人が隣にいると、おのずと自分にもその熱さが移ってくるじゃないですか?その結果、一緒に何かを生み出したくなったからです。

もともと、いつかは新サービスや事業をつくろうと話してはいて、新宿のルノアールに毎週行ったり、銭湯で話はしていました(笑)。

大企業にいたときと、自分で会社をつくっている今で、楽しさはどう違いますか?

細田 大きな会社にいた時より、「やること・なすことの責任」がよりダイレクトに自分に返ってくることですね。失敗や成功を正面から直視しなければいけないタイミングは、大企業に比べて圧倒的に多いと思います。

それこそ直近でも、営業やマーケの抜本的な改革の話が出たので、よかれと思って変えてみたことろ、お客さんにフィットしていなかったため、如実に失敗が数字となって自分に返ってきました。

そういう責任も全て自分達で取らなければいけないのは、しびれますね。でも、だからこそ楽しいです。

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大事なことは「笑いのツボ」が同じか

鈴木CEOが細田COOと一緒にやりたいと思った理由は?

鈴木 笑いのツボが同じだったことじゃないですかね。

もちろん取締役をアサインするときはスキルセットなども考えますが、毎日顔を突き合わせる仲間になるので、例えばたまたまスーパーで会ったときに、会話したくなる人物かどうかといった感覚は、重要だと思います。シンプルに一緒にいて、笑いのツボが合って面白いかどうか。

それ以外だと、自分とパーソナリティが異なる人間がいいと思います。どちらかと言うと、僕は0→1のカオスが好きな人間なので、秩序をつくれる細田みたいな人間が必要だと思っていました。

MyReferが求める共通価値観をもう少し言語すると?

鈴木 1つは視座の高さです。 パーソルから初のスピンオフなので、このまま小さく事業を漕いでいって、バイアウトするのではなく、インテリジェンスを超えるようなビジョナリーカンパニーをつくるのを目標にしています。

最低限、そこの視座が揃っていなければ、一緒に事業はできません。

細田 鈴木の言うように、目線が合っていないと、そもそも会社やビジネスは成り立ちません。

あとは事業をつくる上で、カオスと秩序みたいに人間性が違っているメンバーが揃っている方が、各々が事業に対して見れる範囲やできる範囲が広がるので、いいんじゃないかと思います。同じ方向に目線が向いているけれど人間性が違って、うまいこと補完できる存在って、やっぱりみんな欲しいじゃないですか。

僕の場合も、たまたま仲がいい上に、人間性が違っていたから誘われたというのはあると思います。

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細田COOから見て、鈴木CEOはどういう人ですか?

細田 シンプルに言うと、凝り性ですね。全部凝るからあきらめないし、スピードも質も求める。だからこそ信頼できます。

プライベートでも、「どんだけそれ極めるんだよ!」と思うくらい、なんでも極めにいってます。

スピンオフするか、同じ事業で起業するか、悩みませんでしたか?

鈴木 同じ事業で起業する選択肢はなかったですね。スピンオフができないのであれば、違う事業を立ち上げようと考えていました。ただ、寺クラウドの話じゃないですけど、ビジネスアイデアはいろいろ考えていたものの、熱量を込めてやりたいものは見つかっていませんでした。

結局起業するかどうかは、エネルギー次第だと思うんですよね。自分でエネルギーを込められないものだと、仲間も集められないし、パートナーも集められない。

僕の場合も起業したのは、MyReferの世界観が、一番エネルギーを出せるものだったからのひと言に尽きます。パーソルの中で事業をつくっているうちに、自分の全エネルギーをかけてやりきりたいと感じたからこそ、スピンオフに至りました。

そういう意味では、自分と似ているので、起業家や起業したい子たちといったエネルギーがある人間がすごく好きです。うちの会社で採用するときも、「MyReferをステップにして起業していいよ」といっていますし、事実うちを辞めて起業したメンバーもいます。パーソルのインターンで出会った学生に「いつかこっち側に来いよ」と声をかけたら、本当に起業家側になった子もいたりして。そういう姿を見ると、前に進む力が湧いてきます。

ソフトバンクの孫さんが、「一番楽しいのは起業家に会ってお互いのエネルギーをぶつけ合っているとき」とおっしゃっていたように、私もスケールは全然違いますが、そういう仕事ができていて幸せです。

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来たれ、「カオス系人材」

細田COOがMyReferを通じて目指す未来とは?

細田 世の中の雇用は、もう少し流動化できると思っています。

組織と個人の関係性が最近は徐々に変わってきていて、昔のような会社に従属するようなイメージではなく、個人と会社の関係性が友達やコミュニティに近くなってきているのではないでしょうか。

リファラル採用も従属性によってではなく、自ら主体的にビジョンに共感する仲間を集めにいく形なので、それを支援することで、組織と個人の関係性の変化を加速させていきたいです。それができれば、我々のサービスも社会的に価値があるものになると思います。

その未来を実現するために、もう1人どういう人がいたら「最強のチーム」ができると思いますか?

鈴木 1人と言わず、3人ぐらい欲しいですね(笑)。CFOもそうですし、個力が強い営業の取締役のような方は欲しいですよね。

本来、僕がオペレーションに入らないのがベストだと思っています。今は筋肉質な組織をつくるために僕も入っていますが、僕がいなくてもクリティカルな事業課題を見つけて解決できる人材、個力を持って売りのトップラインを伸ばしていく人材、エクイティシナリオを描いて資金調達まで完結させる人材、挙げればきりがないですね。

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あとはやっぱり熱を持っている人に来て欲しいです。プロダクトのビジョンに対する熱だけで測ってしまうと、そこに100%マッチする人材って、世の中にそう多いわけじゃないので、見つけるのになかなか苦労しますよね。

ただ、僕たちには「社会のインフラをつくる」という目標があるので、それを実現するための「インテリジェンスを超える会社をつくる」といった目線と情熱を持っているなら、いいんじゃないかと思っています。

プロダクトに対する愛は、組織にジョインしてから育めばいいんですよ。

細田 誰しもが全部をできるわけではないですし、これからさらに事業を突き進めるためには、鈴木は上流にあるビジョンや新しいプロダクトについて考える必要がでてくると思います。

なので、いま鈴木が時間を投資している部分を担い、自分で推進できる人材は何人でも欲しいです。

未来の仲間に向けて伝えたいメッセージは?

鈴木 ぜひカオス系の人と一緒に働きたいです。

結果を出していれば、全員週3勤務でも、別に昼2時に来て7時に帰ってもいい会社を作りたくて。もう少し言語化すると、完全に自立自走して結果を出せる組織。それを実現するには、やっぱり全員経営者のような当事者意識を持ち、高いパフォーマンスを発揮する必要があります。

リクルート、インテリジェンス然り、BtoBのビジネスを基軸に圧倒的に事業を伸ばしている会社の1→100フェーズは基本『経営者視点で考えて売れ』みたいなカオスな組織を創ってるんですよね。HRの中でもリクルーティングの領域、特にハイタッチセールスが必要な領域はインサイトが複雑なので経営視点が求められるというのもありますが、その結果『人』や『文化』がケイパビリティになり、優秀な人材に事業の二の矢、三の矢を任せることでアメーバ的に事業ドメインを広げることに成功している。サイバーエージェントもですよね。

実は僕らは一回、仕組やモデルに振ってこれと逆の完全フレームワーク型のアプローチも試みましたが、ビジネスモデル上思った以上にストレッチしませんでした。結局のところ伸びている会社を紐解いていくと『人』と『文化』が最強だと思うんですよ、特にHR領域での中長期的な組織拡大を見据えると。

そういう意味で、ルールに縛られずに、どんな手段を使ってでも結果を出す、カオスな人材を多く集めて、非連続でアメーバ的な成長をする会社にしていきたいと思います。

実は秩序系の人材は結構転職市場にいるんですが、カオス系の人材って本当に出てきません。多分自分で0→1をやっちゃうんだと思いますが。

なのでそのひと握りの人たち、かつ、現状エネルギーを持て余している人達に是非うちに一回遊びに来てほしいですね。

細田 今のフェーズの組織に秩序を持った人間はそんなに多くなくていいので、カオス人材が欲しいです。 もちろん組織の全員がカオス系だったら死にますけど、そこは僕が頑張って秩序を保ちます(笑)。

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聞き手:松岡遥歌、文:町田大地

# 起業ストーリー# 大企業出身# スピンオフ# HRTech# 採用支援# SaaS

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