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## 技術が身近にある環境。Twitterでバズった自作ゲームがきっかけで、15歳でシリコンバレーへ移住

### テディさんはPlaycoの最年少の共同創業者ですが、なぜその若さで現在のキャリアにまで至ったのでしょうか？

キャリアについて話す前に、生い立ちについてお話します。

私は米国のテネシー州チャタヌーガ市で育ち、小さい頃から物を作るのが大好きでした。チャタヌーガは人口わずか18万人の都市ですが、活気のあるスタートアップエコシステムがありました。また、全米で初めて全住民にギガビット（高速）インターネットを全家庭に導入した都市でもあります。

父もソフトウェアエンジニア出身で、自身の会社を経営するなど、出身地や家族などテクノロジーが身近にある環境で育ちました。

子供の頃からおもちゃのLEGO（レゴ）に夢中で、11歳の時にはLEGO社が主催する大会に出場し、初めてプログラミングに触れ、ロボット競技に挑戦しました。身近にコンピューターや高速インターネットがあったこともあり、プログラミングを始めるのは私にとって自然なことでした。

とにかく何かを作りたい気持ちが強かったです。手始めにロボット工学チームのウェブサイトを作りました。その後、ウェブサイトで動きをつけるため、JavaScript、HTML5などの技術を学び始めます。

技術を学び、次はゲームを作ることになりました。これまで誰もHTML5でゲームを作ったことはなかったですが、誰にでも開かれている技術だったので、やってみようと思い挑戦しました。Flashゲームのスタイルでしたが、完全HTML5のシンプルなゲームを2010年に作りました。

また2010年当時、Twitterは多くの新しい技術が活用されてとてもクールでした。そこで、私はTwitterのオープンAPI技術をゲームに組み込みました。プレイヤーがゲームスコアを投稿できるようなシステムを作りたかったのです。

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 > 写真：FrameStockFootages / shutterstock.com

具体的には、ゲーム内にTwitterのスコアを投稿するリンクを用意し、ハッシュタグを使ってウェブ上の全プレイヤーのゲームスコアをリアルタイムで表示する仕組みをつくりました。ハッシュタグには、ゲームのリンクが表示されていました。

そこからは雪だるま式に話が進んでいきます。この仕組みがきっかけで、私が作ったゲームがTwitter上でバズり、スタートアップやテクノロジー業界の人気ニュースサイトであるHacker News（ハッカーニュース）のトップに取り上げられました。

マイケル（Playcoの創業者、CEO）が私を見つけたのもこの時です。HTML5 WebSocketの技術開発に携わっていた彼は、人里離れた場所で一人でHTML5ゲームを作っている私にメールで連絡をしてくれました。

電話で何度か話し、面接を数回経て「カリフォルニアに来ない？」と誘われました。その2週間後にはシリコンバレーに向かい、彼のもとで（Playcoの前身となる）Game Closureのインターンとしてしばらく働きました。

当時、15歳のことです。シリコンバレーで素晴らしい経験をして、これこそが自分のやりたいことだと気づき、引っ越しました。私にとってはキャリアの最初の大きな一歩でした。

### 思春期のあなたにとって、シリコンバレーでの生活は刺激的でしたか？

当時、Game Closureはスタンフォード大学のアクセラレーター・StartXに所属していました。StartXのコミュニティを通じて、私は多くの友人を作りました。

Game Closureのインターンが終わった後、2012年にStartXの友人数名が立ち上げた会社に、初めてのエンジニアとして参画しました。会社名はStanzaです。

現在もスポーツなどのイベントカレンダーが同期できるサービスを提供していますが、このサービスに至るまでに何回もピボットしました。BtoC、BtoBといくつもの異なるアイデアを試し、多くのことを学びました。

これまでGame Closureでは主にフロントエンドでウェブ・ゲーム開発を行っていましたが、Stanzaではフロントからバックエンドまでフルスタックで開発していました。

## 韓国スタートアップで4年間勤務。日本での再会で、Playcoの最年少共同創業者へ

### 現在は韓国を拠点としていますが、きっかけは何だったんですか。



きっかけは、アジア旅行です。2013年クリスマス休暇で、友人たちと韓国、タイ、台湾とアジアを旅しました。私にとっては初めての海外旅行で、とても感動しました。

韓国への移住を決断したのは、クリスマスの翌日、ソウル滞在の最終日でした。ソウルに惚れこみ、「ここに住みたい」と強く思ったのです。旅行から帰ってすぐ、韓国で働くチャンスがないか知り合い全員に連絡しました。

ラッキーなことに、共通の友人経由でソウルで創業したスタートアップがシリコンバレー出身のエンジニアを募集している情報にたどり着けました。お互いの条件が一致して、タイミングも良くその会社に入ることが決まりました。ソウルに引っ越したのは2014年3月です。

2014年から、私は韓国のスタートアップ企業・Buzzvil（バズビル）で働き始めました。広告プラットフォームを提供する会社で、今では東京・ニューヨーク・台湾にも拠点を持つシリーズC企業ですが、当時の社員数はわずか20名。しかも、初めての外国人採用でした。

Buzzvilでは、2018年まで4年間過ごしました。組織は20名から100名規模まで成長し、私は共同創業者以外で最も長くエンジニアとして働いていました。現地の市場や文化、韓国での生活や仕事のスタイルなど多くのことを学び、プロダクト面でもデータベース、モバイルなど全てのプロダクトに関わることができました。

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 > 写真：khomsan th / Shutterstock.com

### 韓国のBuzzvilを退職後、Playcoの共同創業まではどうつながりますか。

マイケルと日本で再会し、2018年から再びGame Closureで一緒に仕事をした経験がきっかけです。

アジア旅行中に、マイケルと日本で再会しました。ちょうど、Game Closureがシリコンバレーから東京に本社を移した後の時期です。Game Closureのメンバーとは連絡を取り合っており、マイケルの説得もあり、ごく自然な流れで一緒に仕事を始めました。

2018年の夏に来日し、再びGame Closureで働き始めます。半年間東京で働いた後、私はソウルに戻り、しばらくは日本と韓国を行き来する生活をしていました。

### なぜ共同創業者としてPlaycoの参画を決めたのですか。マイケルさんからはどのように誘われましたか。

実は、共同創業者に誘ってくれたのはマイケルではなくジャスティン（Playco共同創業者のジャスティン・ウォルドロン氏）でした。彼は、Game Closure時代からアドバイザーとして毎週話をする間柄でした。

当時ジャスティンがZyngaを共同創業した時の立場と、今の私の立場が似ていると思ったのでしょう。（編集部注：ジャスティン氏は2007年、19歳でZyngaの共同創業者に就任）

ジャスティンは、私に共同創業者にならないか？と誘ってくれました。

自分の会社を立ち上げた経験はなかったので、正直かなり悩みましたが、こんな最高のチームと一緒に仕事をして、世界の数十億人がプレイできるようなゲームをつくれるのは一生に一度しかないチャンスだと思い、参画を決めました。

ゲームプロデューサーとしての役割は覚悟ができていました。ワクワクや緊張など複雑な感情が交差していますが、どんな状況でも課題を解決し、アイデアを実現しなければなりません。私はとにかく物事を執行することに集中しています。

ジャスティンからは、技術的な部分だけでなく、プロダクトの作り方、チームの作り方、戦略の描き方など具体から抽象まで全てのことを学んでいます。彼のようなメンター、コーチを持てたことにとても感謝しています。

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> 左から大塚氏、ジャスティン氏、マイケル氏、テディ氏（写真：Playco提供）

## シリコンバレーと韓国の経験から学んだ、ローカライゼーションの重要性

### 韓国での経験はPlaycoでどう活きていますか。

シリコンバレーと韓国両方のスタートアップを経験し、両者の違いから多くのことを学びました。幸いなことに、Buzzvilはシリコンバレーらしい部分もあったので、私にとってある程度は馴染みのある環境でした。

シリコンバレーは、思考回路の面でユニークな場所です。優秀な人材が集まり、より良い未来のために協力し合っています。ただ、シリコンバレー外の世界を知らないと、偏った視点を無意識に持つことにもなります。

私は韓国に移住してBuzzvilで働いたことで、グローバルな視点を身につけられました。これは、考え方だけでなく、日々の生活にも当てはまります。Buzzvilには世界中にオフィスがあったので韓国市場だけでなく、台湾、日本、東南アジア市場についても学びました。

### グローバルな視点というのは？

ビジネスのやり方や、スタートアップエコシステムの運営方法、またユーザー行動にどのように異文化が影響しているのかなど、市場ごとの違いや強みに気づくことができたのです。

また、ローカル市場、人材の重要性も再確認しました。

__ローカライゼーションは、単に言語の翻訳だけではありません。異なる別々の市場に合わせて体験をカスタマイズすることでもあります。__

__シリコンバレーでは、同じアプローチで全世界に適用することが多いですが、ローカライズすることでもっとうまくいくこともあると思います。__

人材の観点でもローカル市場には、最高のプロダクトを一生懸命つくる才能のある人たちが沢山います。

この経験は、Playcoでリモートチームを運営する上で私の信念となりました。Buzzvilのときと同様に、Playcoでも、日本・米国・韓国に拠点を持ちローカルの人材を採用しつつ、世界中からもリモートで採用しています。

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## リリース文化とデータドリブンな組織。世界最高のプロダクトチームをつくる

### Playcoの共同創業者、かつゲームプロデューサー兼エンジニアとして、これから何に取り組んでいきますか？

今私が取り組んでいること、これからやりたいことをお話します。

Playcoが提供するインスタントゲームは、世界中のどこにいても、いつでもすぐに遊べるゲームです。ユーザーは常に最新版をプレイでき、制作側も1日にいつでも何回でもアップデートをリリースできます。

起床後、朝食後、昼食前、昼食後—1日に5回、時には週に50回近く、数値を確認しながら頻繁に機能の更新をしています。これが私たちが日々行っている開発プロセスです。

__Playcoのプロダクトチームは、日々絶え間なくゲームのアップデートを行う「リリース文化」があります。__映画やテレビ番組では、データがリアルタイムで配信されますよね。ゲームでも同じです。配信と同時にユーザーデータの視覚化も行います。

SaaSスタートアップでも、ユーザーの行動をもとに改善を行い、毎日リリースすることはあるかもしれません。でも、施策の結果が出るには数日かかります。

インスタントゲームの世界では、リアルタイムで配信され、数字によりユーザーの反応がわかるので、稲妻のような速さで反応し、改善することができます。

通常のダウンロードが必要なゲームでは、リアルタイムでユーザーの行動や数字に焦点を当てながら開発することはほぼできません。このように、従来のプロダクト開発のやり方を、180度変える新しい手法に挑戦しています。

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今は、世界で最高のプロダクトチームをつくることに集中しています。同時に、スピード感のある世界で、どのような開発が最適かを日々模索しています。

もちろん、フルスタックエンジニアとしてエンジニアの業務にも取り組んでいますが、世界中にいる優秀なエンジニアと毎日話すなど、チームビルディングにもかなりの時間を割いています。

私が本当に情熱を持ち、かつ力を注いでいることは、__最高のプロダクトマネージャーとプロデューサーを見つけることです。__

彼らと「新しいプロダクト開発の仕方」を見つけ出す船に乗り、うまく実現できる方法を一緒に探っています。

### 最高のプロダクトマネージャー、またはプロデューサーに共通する要素はありますか。

2つあります。

1つは、__学習欲と学習能力__です。

プロダクト開発のプロセスには、学ぶべきことがたくさんありますし、特に新たな環境では、今まで学んだことのないことを学ばなければなりません。

役職、年齢に関係なく、日々学ぶことを楽しみ、学び上手であることが大切です。日々学ぶのは大変ですけどね（笑）

2つは、__データ分析の力__です。

__Playcoはデータ・ドリブンな会社です。__カスタマーサポートからゲームアーティスト、エンジニアと誰もがデータを見ています。もちろん、プロダクトチームは他の誰よりも時間をかけてデータを見ています。

あらゆるデータを収集・追跡トラッキングするシステムを構築し、データを適切かつ効果的に分析しなければ、たとえ1日5回リリースしてもあまり意味はありません。

データ分析やGoogle Analytics（Googleが提供するアクセス解析サービス）について理解し、開発する能力を持つことは、プロダクトチームだけでなく、会社のすべての人にとっても重要です。

Playcoでは、どのような立場であっても全員がプロダクトに関わっています。この「プロダクト思考」のカルチャーこそが、Playcoの強みだと思います。

（取材・文：藤野理沙、デザイン：廣田奈緒美、石丸恵理）

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最年少の共同創業者。僕の人生を変えた、ゲームと韓国での経験

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## モバイルゲーム市場No.1企業、Zyngaでの成功体験と激化する競争 

### ジャスティンさんはモバイルゲーム企業Zyngaの共同創業者ですね。当時の経験について教えてください。

Zyngaは2007年にサンフランシスコで共同創業しました。最初はゲームを作っていましたが、あまりにゲームがヒットしたので1年後にはもうコードを書かなくなっていました（笑）

私の役割はシニア・バイス・プレジデントで、チームの管理や買収などゲームを作る以外の方法でプロダクトを成長させる仕事を担当していました。2010年には日本でソーシャルゲーム企業を買収・合弁会社を設立し、一時期日本に滞在していた時期もあります。その後、2013年に退職しました。

Zyngaは2011年に創業から4年で年商10億ドルを達成し、2011年には100億ドルの時価総額でNASDAQ市場に上場しました。当時はソーシャルゲームの半数以上のマーケットシェアを占めていました。

その後時代はソーシャルゲームからモバイルゲーム主流になり、収益は厳しい状況になりました。しかし、2020年に再び時価総額100億ドルに到達するなど復活を遂げ、モバイルゲーム市場で世界トップの企業になっています。

### 今回、共同創業したPlaycoは同じゲーム業界に属していますね。当時の経験は今生きていますか。

そうですね。Zyngaでも、今のPlaycoでも私の関わる領域は似ています。

Zyngaは急成長して、最終的には3000人規模まで拡大しました。数ヶ月ごとに状況や仕事が変化していました。この変化を理解しようとする点では同じです。もちろん、社員の数に応じて必要な対応や問題も異なります。

今、私は組織の急拡大に向けてさまざまな取り組みを行なっていますが、Zyngaで一度経験したことも多いのでスムーズに問題を解決できています。

Playcoでは事業開発、投資家交渉、採用などビジネスサイド全般を担当していますが、私はエンジニア出身なのでプロダクトに対する情熱はずっと持ち続けています。

## ゲーム企業で再び挑戦。人々がつながる体験を提供したい

### [前回のインタビュー](https://initial.inc/articles/across-the-gap003)であなたは「ゲームの企業には投資していない」と話していました。再びゲーム企業であるPlaycoを起業する決断をした理由を聞いていいですか。

私が投資したスタートアップ企業の多くに共通するテーマは、人々が自分の可能性を最大限に発揮できるように支援したり、助けを必要としている人たちとつながることができる、人と人とを何らかの形で結びつける企業です。

私はZynga退職以降、あまりゲーム企業に投資していません。その理由の一つは、従来のゲームではこのような「人々がつながる企業」を作るのが難しかったからです。

でも、今こそチャンスだと思っています。友達や家族などの中で、ゲームは会話のきっかけになるだけでなく、つながりを深める可能性を秘めています。

プレゼントやLINEのスタンプがコミュニケーションの一部になっているように、ゲームも自分を表現する方法として機能できると信じています。

会社名を「Playco」としたのは、みんなが遊びを大事にしているからです。アプリストアでゲームをしない人でも、スマホを所有している35億人の一人一人が、好きな人や一緒に過ごしたい人との遊びを気にしているんです。

Playcoは、ゲームにとどまらず__「人々がつながるソーシャルな体験」を提供__している感覚です。人と人との間に面白いつながりを簡単に作れることに注力しています。

例えば、Zoomやビデオチャットの中でもお互いに楽しむためのゲームや、他の人と対面してプレイするパーティーゲームなども考えられます。

COVID-19が拡大する前から取り組んでいましたが、この感染拡大がきっかけで人々のつながりがいかに大切かがわかりましたし、正しいことに取り組んでいる自信がつきました。

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## モバイルゲームで到達可能なユーザーは10年で10倍に。今インスタントプレイゲームに取り組む理由

### なぜ、今このタイミングでインスタントプレイゲーム（ダウンロード不要で世界中の誰とでもすぐにプレイできるゲーム）に取り組むのですか。



市場の大きさと、技術が揃っているからです。

ユーザー数の観点で見ると、モバイルゲームの市場規模（TAM、実現可能な最大の市場規模）は過去10年間で10倍以上に成長しています。

例えば、2009年初のFacebookのユーザー数は2億人でしたが、現在は27億人のユーザーがいます。また世界の35億人がスマートフォンを持ち、ほとんどの人がSNSアプリを使っていることから考えても、大きな可能性を感じています。

収益の観点で見ると、2020年の世界のモバイルゲーム市場規模は772億ドル（日本円で約8.1兆円相当、1ドル＝105円換算。出所：New Zoo Global Market Report）まで成長が見込まれる一方、Zyngaの2020年度の収益予想は18億ドルです。

つまり、世界のモバイルゲームトップ企業でも、市場シェアのわずか2〜3%程度しか握れないほど競争が激しい分野なのです。また、友達と一緒にゲームをしなければ、ネットワーク効果もありません。

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逆に言うと、友人とのネットワーク効果のもと爆発的に広がれば、市場シェアを一気に獲得できる可能性があります。

Zyngaの代表ゲームは2009年に作成したファームビル（FarmVille）です。農場を舞台に自分の農作物を作れるゲームで、Facebook上で友人経由で広がり、主に米国や欧州で大ヒットしました。

また、友人と一緒にゲームをプレイするのはより良い経験になるだけでなく、より多くの人に興味を持ってもらえる、10億人がプレイするようなゲームを作れるかもしれないと信じています。

もちろん、アプリストアには存在しないゲームなので、このアイデアはクレイジーに聞こえるかもしれません。でも、スマートフォンを持つ人は世界に35億人います。そのうち3〜4人に1人が毎月ゲームをプレイすると、10億人がプレイすることになります。決して不可能ではありません。

もし全てのユーザーを広告で獲得しようとしたら高額になります。しかし、SNS上で友達に口コミで広めて、体験の一部になるようなゲームを作れば、多くの人に同じゲームをプレイしてもらうことが可能になるかもしれません。

実は、SNSとモバイルゲームとの融合は10年前から考えていたことですが、技術的な制約もあり実現が難しかったのです。

WebブラウザやSNS上など、多くの人が時間を過ごす場所で操作できる技術が必要でした。Playcoの前身である企業 Game Closureは、この技術を開発していたのです。

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> 写真：Rawpixel.com / Shutterstock.com

## プラットフォーム連携で、人と人とのつながりを強固に

### ZyngaではFacebook上のゲーム提供で成長を遂げましたが、今回Playcoでは多くのプラットフォームと連携しています。特定のプラットフォームへの依存を避けたかったのでしょうか。

リスクヘッジという見方もありますが、本質的な理由はどこにいても人と人がつながるためです。現在はFacebookやLINE、SnapChat、Viberなどとの提携を発表していますが、他のプラットフォームとも議論しています。

私たちは今、人とのコミュニケーションに多くのサービスを使っていますよね。LINEでのチャット、Zoomでのビデオ通話、Facebookメッセンジャーなど、サービスによって使い方は異なります。

それぞれのサービスの中で、どのようなインタラクションを生めば最高の体験になるのか。プラットフォームの一部になるには、何がベストかを考えています。

アプリストアに力を入れているゲーム会社はたくさんありますが、SNSなどのプラットフォームで遊べる体験に集中しているゲーム会社はほとんどありません。

アプリストアの場合、収入はほぼ全て広告から来るので、ほとんどの人は友達と一緒にプレイせずに一人でプレイしています。

逆にSNS上では、ゲームをプレイしている友達が多ければ多いほど、そのゲームの定着率が高くなります。

私たちはダウンロードが必要なアプリでのゲームはつくりません。誰でもすぐにどのプラットフォームでも遊べるインスタントプレイゲームに100%集中しています。

また多くのゲームは一部のゲーマー向けに作られていますが、そのゲームのターゲットを狭めていると感じます。

Playcoでは、誰でも遊べるようなシンプルなゲーム構造で、ゲームをしたことのない祖父母世代でも遊べるようなゲームをつくっていきたいです。

## 100億円を調達し、世界中から最高の人たちを採用する

### Playcoは先日100億円の資金調達を発表、また日米中心にゲーム・エンタメ領域に知見のある投資家が集まっています。これらの投資家から調達した理由は何ですか。

今回参加してくれた多くの投資家は、創業前から他の会社に投資やアドバイスをするなど、これまで一緒に仕事をしてきた人たちです。

当初はこれほど大規模な資金調達をするつもりはありませんでしたが、アイデアを話したら多くの投資家が興味を持ってくれて、予想以上に多くの資金が集まる良い結果になりました。

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投資家もチームの一員です。パートナーもいれば、戦略的に活動してくれる人、象徴的なグローバル企業をつくるために協力してくれる人など様々な人がいます。私たちは素晴らしい投資家に恵まれて、本当にラッキーでした。

ただし__一番大切なのは、調達金額ではなく、今の時点で資金を獲得すること__でした。なぜなら、__調達の最大の理由は、世界中から最高の人たちを採用するため__だからです。

私たちが今まで一緒に仕事をしてきた人たちも含めて、採用したいと思う最高の人たちとチームをつくり、一緒にPlaycoを成長させたい。

時間をかける選択肢もありましたが、資金調達のおかげで、より早く仲間を集めることができています。

世界中から才能のある人たち、特にゲーム開発者の採用に力を入れています。その中でも、好奇心旺盛で次の挑戦を探している人に声をかけています。特に、普通のゲーム企業ではできないことにワクワクする人たちです。

### 最高のチームを作るために、あなたがいま一番注力していることは何ですか。

私はいつも__「ゲームスタジオを最速で成長させる方法」__を考えています。

どうすればより速く、より多くのゲームを作ることができるのか。私たちが作るべきゲームは何か。そのための戦略は何か。最速で会社を成長させて世界中の人にゲームを届けるために、集中して取り組んでいます。

私たちの特徴は、日本・米国・韓国に拠点を置きながらも、リモート採用をしている点です。__リモート採用は企業の未来__です。実際にすでに多くのゲーム会社は米国やシリコンバレー以外にオフィスを構えるようになっています。

大型調達をしたモバイルゲーム企業をみても、Wildlife Studiosはブラジルに、 Playrixはアイルランドに拠点を置いており、脱米国のトレンドが見られています。ただ、彼らはリモートではありません。

リモートであることと、地域が分散していることは大きく違います。もちろん規模が大きくなればなるほど管理は大変ですが、リモートならより多様な人材を採用でき、異なるアイデアや視点を得ることができます。

1つのエリアだけに縛られる必要はないんです。Playcoは東京とシリコンバレー、そして世界をミックスしています。私は日本のスタートアップエコシステムに貢献したいので、日本でもたくさん採用をしています。でも、素晴らしい人たちは世界中どこでもいると信じています。

今までと同じことをしていても、新しい潮流は生み出せません。リモートで世界中から最高の人たちを採用して、インスタントプレイゲームで世界中の人々をつなげるゲームをつくっていきます。

（取材・文：藤野理沙、デザイン：廣田奈緒美、石丸恵理）

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Zynga共同創業者の僕が、再びゲームビジネスで世界を狙う理由

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## 日本のゲームクリエイターは世界に通用する。プロデューサーとして目指す強い組織

### Playcoの共同創業者として、大塚さんはどのような役割を担っていますか。

私のPlaycoでの役割は主に3つあります。

1つ目は、チームをリードしながらゲームをつくっていく、ゲームプロデューサーとしての役割です。これが最も重要な役目です。

2つ目は、自分が日本語を話せる強みを生かして、LINEとの協業や、日本のゲーム開発会社と協力してゲームをつくっていくこと。

そして3つ目は、私自身が実現したいことですが、日本のチームをどんどん強化して大きくしていきたいです。将来の仲間を採用し、強い組織をつくることも自分の役割の1つです。

### 米国でご経験を積まれた大塚さんから見て、日本のゲームクリエイターはどのように映りますか。

私は日本のインターネット業界、ゲーム業界に約6年携わり、米国には約10年いました。

日本と米国のエンジニアやプロデューサー、アーティストなどさまざまな人と関わって
きて感じた印象は、日本のゲーム開発者は世界的に見てもレベルの高いものを作れますし、ビジネスマンとしても優秀な人が多いこと。

もったいないのは、やはり言語（英語）の壁と、海外市場になかなか目が向かない点です。日本国内のゲーム市場が大きいので、無意識に自分たちに制約をつけてるのかもしれません。

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その固定観念を取り払えば、世界レベルで活躍できる人が増えると確信を持っています。日米両方の経験から、日本と世界との橋渡しをするのが夢でした。

Playcoは国際的なメンバーが揃っており、常日頃からグローバルな視点で物事を考えているので、まさに理想的な環境でした。

## 怪盗ロワイヤル開発後、DeNA南場氏に打診し米国へ
### いま日米でのご経験のお話が出ましたが、これまでの大塚さんのご経歴を教えてください。

私がDeNAでソーシャルゲーム事業を立ち上げたのは2009年の春でした。そこでソーシャルゲーム・怪盗ロワイヤルを作り、2010年3月末までファーストパーティチームのリーダーとして活動していました。

それからDeNAがモバゲーのプラットフォームをオープン化に伴い、他社の開発者さんにゲームをつくっていただいて、モバゲー上で展開する事業を率いていました。

そうこうしている間に、DeNAがサンフランシスコの会社ngmoco（エヌジーモコ）を2010年の後半に買収しました。私は以前から海外に行きたいと思っていたので、当時の社長の南場に相談したところ、じゃあやってみるかと出向が決まりました。

当時私の英語がつたないことを心配した南場が、毎週英語ランチをしてくれていました。おかげで英語力は向上しましたが、ビジネスのシリアスな話題への南場からの厳しい質問になると、私の英語では到底太刀打ちできず、その時はランチの味がしなかったです（笑）

### DeNAは当時から海外にチャレンジする文化があったんですね。

そうですね。まだ規模が小さなうちから中国や韓国、米国に積極的にチャレンジしていた会社でした。

プラットフォームを率いてまだ半年のタイミングでしたが、買収のような大きなきっかけは今しかないと考え決断をしました。

日本と米国を行き来しながらの生活を続け、2011年3月頃にビザが取れて、米国に移住しました。当時は、米国側でも日本と同じようにモバゲーをプラットフォーム化する計画があったので、基本的に全てのプロジェクトに関わっていましたね。

DeNA West（買収後の会社名）では、4年ほど活動をしていました。具体的にはソーシャルメディアとしてのモバゲーを作る部分や組織づくりを担当していて、2015年の夏くらいまでDeNAにいました。

その間も親しくしていた、エヌジーモコの創業メンバーが立ち上げたゲーム会社N3TWORK（ネットワーク）で働いていました。

## クレイジーな時代の再来を予感。Playco設立の経緯
### そこからPlaycoのメンバーとは、どのように知り合ったのでしょうか。



結果的にN3TWORKで4年間、ビッグタイトルのゲーム作りやプロトタイプを作るチームを率いていたのですが、その際に、Playco設立のきっかけとなるマイケル・カーターと知り合うことになりました。当時は、単なる外部アドバイザーとして彼の会社に助言をする関係性でした。

マイケルはゲームの技術を中心とした会社（Game Closure社）を運営していたのですが、今度はゲームそのものをしっかりつくっていきたいと考えた時に、私の名前を知ってもらったようでした。

彼はHTML5やWeb技術コミュニティではわりと有名人で私も知っていて、DeNAの南場も共通の知人だったことから繋がりができた経緯です。

2019年からアドバイザーとして、彼と一緒にプロジェクトを進めていき、彼の会社の持つ技術力とビジョンにとても惹かれていきました。

また、マイケルは「大きなゲームプラットフォームの中で人と人を繋げて、普段ゲームをやらないような人でも遊べるようなゲームをつくる」コンセプトを掲げていました。このコンセプトは、10年以上前から私がずっと抱き続けている作り手としての想いとリンクしていたのです。

### 共同創業者のジャスティン・ウォルドロン氏も同じ時期にジョインしたのですか。

知り合った当時、ジャスティンもマイケルのアドバイザーとして関わっていました。彼と話していくうちに、メッセンジャーやソーシャルネットワーク上でHTML5ベースの新しいゲームを展開する彼のビジョンにものすごく大きな可能性を感じたのを覚えています。

あともう一人、若くて優秀なエンジニア・テディが共同創業者にいます。彼のような若手が活躍できる環境は素晴らしいですよね。今年の始めに、4人でPlaycoを設立することになりました。

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### 一緒に立ち上げようと思われたきっかけは、どのようなものでしたか。

マイケルと知り合った当初は気軽なかたちでゲーム業界の話などをしていたのですが、会話をしていくうちに会社のことや新しいマーケット、技術的な情報などインプットし、ポジティブな感情としてこれはいいな、となったのが一つですね。

もう一つは、ゲームのアルファ版のテストを実際に行ってみて、ユーザーさんの動きや、どうやって人を紹介してくれるか、といった具体的な行動を見た時に「これはすごいことになる！」と感じた瞬間が去年の12月くらいにありました。

この感覚は、10年前に日本でソーシャルゲームが爆発的に広がったときと同じ匂いがして、ロジカルさよりも動物的に反応してしまう直感がありました。

### あえて言語化すると、どのような気持ちでしたか。

いろいろな感情が混ざっているのですが、一つは私自身の経験からくる感情でした。

私は幸運にも10年前にDeNAで初めてつくったソーシャルゲームが、たまたまうまくいって業界が盛り上がり、数百社ものゲーム開発会社やベンチャーキャピタルなども参入してゲーム業界全体がクレイジーな時代がありました。当時の勢いや感覚は肌で覚えています。

それ以降、海外に行ってチャレンジや失敗、小さな成功を繰り返してきたのですが、正直、あのとき味わった興奮や熱狂はこの10年なくて。

それが起こりうるポテンシャルをまた見れたので、とても興奮しましたね。

## 本当に自分が遊びたいものを問う。大塚流ゲーム作りの極意

### 大塚さんは普段、どのようなゲームをプレイされますか。

実は普段、プライベートではあまりゲームをしないですね。

子どもの頃はすごい好きだったのですが、親に止められたり、部活に熱中したりしていました。

大人になってからもしばらくやらなかったのですが、そういう自分でも遊べるゲームだったり、ゲームを通して人と繋がれることに魅力を感じています。

私のクリエイターとしてのゴールは、ゲームを通じてそれぞれの人にとっての居場所をつくることです。

ですが、それを実現するためのマーケットが少し難しい状況になっていると感じます。

### それは、どういう意味でしょうか。

例えばネイティブアプリゲームの場合、友達とプレイしようと思っても相手も同じゲームをダウンロードしなければいけなかったり、ソーシャル上では繋がっていないから遊べなかったり、そういった問題点が現在のゲーム業界にはあると思っています。

そのような状況の中で、現在Playcoが開発しているゲームは、世界でもメジャーとなっているストリーミングやWebのテクノロジーを使って、わざわざダウンロードをしなくてもゲームが気軽に遊べます。

10年前とはゲームを取り巻く環境も変わってきており、Playcoにとっては追い風です。例えばひと昔前のSNSやプラットフォームと比べて現在のものはユーザー数が10倍以上違います。当時やれたことの10倍新しいことができます。

加えて当時存在していなかったテクノロジーを駆使すれば、さらに大きなことができる可能性が見えてきました。

__自分のつくりたいものがある、巨大なマーケットがある、すごいチームに出会えたこと—この3つがうまく重なって事業を新しく始めることになりました。__

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### 大塚さんがゲームを普段されないのは意外でした。

私は子どもの頃からゲームをあまりやっていなかったので、怪盗ロワイヤルを作っていた頃は、最新のゲーム事情をキャッチアップする必要がありました。

その際はいろいろなゲームを短期間に一気にやって、引き出しを増やしていきました。

ゲームを作る時によく、「自分が本当に遊びたいものは何か」を自問自答をします。周りを見渡した時に、「自分と同じ思いを持つ人って、自分とあと5人くらいか？いや、自分と5億人いるのか？」と1回考えてみます。だいたい5人くらいしかいないのが95%なんですけど（笑）

でも、自分以外にも遊ぶ人がもっとたくさんいるんじゃないかと感じる時が5%はある。その時につくってみるのが、私のゲーム作りのアプローチですね。

### 自分の感覚と市場の感覚を合わせると。

そうですね。ゲームに関しては私はニッチな思考を持っていないので、それが逆に自分の強みの部分だと思っています。

ゲーマーとして超凡人な自分にフィットするゲームを作ることができれば、世の中のみなさんにもある程度受け入れられる自信はありますね。

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## ゲームで居場所をつくり、心穏やかな社会へ
### Playcoでは、どのようなゲームを作りたいと考えていますか。

いま私らが作ろうとしているのは、ソーシャル上でのインタラクション（ユーザー同士のかけ合い）を活用したゲームです。

例えば、AさんとBさんが友達で、「こんなゲームがあるよ」とAさんが言ったら、ニュース記事のURLを送る感覚でメッセージをBさんに飛ばして、BさんはそのURLをクリックするとリンク先の記事を見るようにゲーム自体も3〜4秒で立ち上がるイメージです。

ゲーム自体もシンプルです。5分以内でプレイしたら一旦そのセッションは終わり、また次のアクションを受け取る形で進行していきます。

一番大事なことは、誰にでも分かるシンプルさと、人同士がかけ合うことで生まれる関係性やインパクトです。普段ゲームをしない人でも気軽にプレイできて、居心地よく遊んでもらえるゲームをつくりたいです。

### 「居心地よく遊んでもらえるゲーム」には、どのような想いが込められているのでしょうか。

ゲームをネタに繋がってもらいたい想いがあります。

例えば、FacebookやLINE上で一応友達だけど、なかなか話すきっかけがない知り合いっていますよね。そういう関係性の人同士でも、ゲームをきっかけにちょっとしたやりとりが始まることを目指しています。

あとは、私の母親のように、歳を取るとなかなか家から出られなくて1人になってしまい、コミュニティに参加できない人たちにも遊んでもらいたい。

このご時世ではストレスが溜まると思うので、政治のようなぎくしゃくしがちな話題ではなく、ゲームなら他愛もない話をしながら自分も入り込める居場所が簡単につくれるのではないでしょうか。

ゲームの存在意義とは、社会の中での居場所づくりです。

最近の社会はギスギスしていて、人同士の関係性が分断されていると感じます。そして居場所を失ってしまっている人も多い。

ゲームをささやかなきっかけにして、ストレス発散や楽しめる場所が見つけられれば、もっとみんなが心穏やかになるんじゃないかなと思っています。

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### 今後、ゲームをリリースする際には、どのような国やプラットフォームで展開する予定でしょうか。

私たちの使っている技術は基本的に、特定の条件に依存しないので、どこかの国やエリア、プラットフォームに限定していません。

WebブラウザーでHTML5、HTMLが読み込める環境さえあれば、どんなアプリ、デバイス上でも動かすことが可能です。最終的には、どのような国やプラットフォームであっても同じゲームが遊べる状態を目標にしています。

## 変化に向き合い、日本の才能豊かな人材とグローバル市場で活躍できる環境へ

### 今後の展開について教えてください。

まずはしっかりと良いプロダクトをつくって世の中に出していきます。もう一つは、組織の核となるメンバーを採用していきます。

ゲーム業界に限らず、いまの世の中はものすごいスピードで変化しています。これまで変化に10年掛かっていたものが、2、3年で変わってしまうことも珍しくはありません。

ゲームの開発サイクルでも同じです。例えば、通常のゲーム会社がクオリティの高いゲームを作るのに3年必要だとすると、Playcoでは3ヶ月くらいで1本ゲームをリリースするイメージです。短いときには数週間でプロダクトをつくる時もあります。単純計算で、12倍もスピードが違います。

12年かかるものが私たちの世界では1年で起こる。世の中の変化に対してポジティブに向き合っていくのが、今後Playcoを成功させるためにとても大事な要素です。

採用するメンバーも、変化に適応していき、数年で20年分の経験をしたい意気込みを持つ人と一緒にやりたいですね。

日本には、世界で戦える優秀で才能豊かな人材が多くいると感じています。日本からの唯一の共同創業者として、彼ら彼女らを仲間にして日本のチームを拡大し、グローバルな市場で活躍できる環境を整えていきたいですね。

（取材・文：花岡郁、藤野理沙、デザイン：廣田奈緒美、石丸恵理、写真：Playco提供）

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ゲームでみんなの居場所をつくる。日米での経験から見えた世界への勝ち筋

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## ゲーム技術会社から開発会社へ。メッセージを送る感覚で、世界中誰でも簡単にプレイできるゲームをつくる

### マイケルさんは新たに創業したPlaycoの前身となるGame Closureの創業者でもありました。以前からある会社でミッションを追い求める選択肢もあったなか、新しく会社を始めた理由は何ですか。

PlaycoとGame Closureはミッションもビジネスモデルも全く異なります。

Game Closureは主にゲーム開発者向けの技術重視の会社でした。ユニコーン企業ではありませんでしたが、一定の収益も上げておりそこそこ成功している企業でした。しかし、ある時、会社をEXITするか、新しいことをやるか決断に迫られたのです。

その時に私たちが考えていたのは、ゲームエンジンの技術ではなく、この技術を使って何ができるかに焦点を当てた会社を作ることでした。コンテンツ主導のビジネスモデルに転換し、経営陣、投資家もよりミッションに合う形で再構築した方が良いと判断し、新しくPlaycoを設立しました。現在は新しい投資家、経営陣、パートナーを迎えています。

Game Closureの投資家には説明責任を果たすため、経緯を説明して協議の上で、納得頂ける形を模索しました。Game Closureは解散しましたが、Playcoで技術や一部の従業員を引継いでいます。また、新たにゲームデザイナー、ゲームアーティスト、プロデューサーも採用しています。

### Playcoのミッション「プレイを通じて世界の人々をより近づける」には、どのようにたどり着いたのですか。

現在、世界中で起きている事実として、35億人が毎日スマートフォンから情報にアクセスしています。デジタルのおかげで人々の距離は近付いていけるのに、現実ではおかしなことに人々の距離が離れています。

世界でヒットしているモバイルゲームをみても、収益を上げているのはひとりで遊ぶRPGなどのゲームが中心です。

でも人間は根源的な欲求として、人とのつながりや社会性を求めていると考えています。歴史的にも、人間は常に何らかのゲームをして生きてきましたしね。

__世界中の人々がスマートフォンを持ちながらも距離が離れている今だからこそ、一緒にゲームをプレイすることが世界や人類のためになるのではないか。__

そう考え、ミッション「プレイを通じて世界の人々をより近づける」に至りました。

ゲーム（名詞）を動詞にすると「Play（遊ぶ）」です。社名はゲームをプレイする会社（company）を意味する、「Playco（プレイコー）」にしました。

電話（Call、Phone）は名詞でも動詞でも両方使いますよね。ゲームも同様に、人々の生活で当たり前になれば、将来「I game you」のように動詞として使われるのではないでしょうか。

### 具体的にどうやって世界中の人々がプレイできるゲームを提供する予定ですか。

デバイス上でのダウンロードなしですぐにプレイできる、インスタントプレイゲームを提供していきます。

複数人でゲームをしたくても、これまでは高いハードルがありました。ゲームをインストールし、登録する必要がある。これだけでも親世代にとってはかなり難易度が高いのではないでしょうか。技術的な制約があり、インストールが必須のケースが多いからです。

スマホ上で電話やテキスト、スタンプを送るのは、誰でも簡単にできます。なぜゲームも同じようにいかないんだろう？と考えました。私たちが実現したいのは、「ゲームを選ぶときに一緒にプレイする人も選び、メッセージを送る感覚で一緒にゲームをする」体験です。

技術的な制約を解消し、ボタンを押すだけで簡単にゲームが始められるようになれば、誰でも簡単にプレイができますよね。

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> Playcoゲームのスクリーンショット（写真：Playco提供）
> 

「このボタンを押せば、みんなでプレイできるよ」ーこのシンプルさが私の友人や家族など、技術的バックグラウンドを持たない人たちに響きました。ミッションがどれだけ重要かを証明するエピソードです。

私は以前Game Closureで、ダウンロード不要でゲームをプレイできる技術開発に取り組んでいました。この技術がPlaycoのミッションに直結すると気づいた時、「必要なものは全て揃った」と感じたのです。

これがPlaycoの原点です。

## 3億人以上のユーザー獲得。すぐに遊べるインスタントプレイゲームの可能性

### あなたが「インスタントプレイゲーム」の可能性に気づいたきっかけは何ですか。



Game Closureで開発した、2つのゲームがきっかけです。

1つのゲームは、アクションゲームの「Everwing」。2016年にリリースした、Facebookメッセンジャーでプレイ可能なゲームです。

リリース当初は私たちの技術を自慢するつもりだったんです（笑）結果的に、3.8億人のユーザー数を獲得したゲームになりました。どんなに世界的にヒットした映画作品でも、3.8億人はなかなか見ない数字ですよね。

インスタントプレイゲームはアプリストアに掲載していないので、トップチャートもありません。おそらく私たち以外誰もこの事実を知らなかったと思います。

この大ヒットは完全に想定外でした。もともとはゲーム開発者向けでしたが、インストール不要の使いやすさで逆にユーザーが伸びたのです。またユーザー数の動きを見ていても、可能性を感じましたね。

残念だったことと言えば、多くのユーザーを獲得したにも関わらず、広告、課金を一切つけていなかったため、儲かるどころかサーバー代がかさんでしまったことです。

もう1つのゲームは、「Snake squad」。2019年にSnapchatと共同で制作したゲームです。友人と一緒にプレイできるゲームです。これは、魔法のような体験でした。

Snapchat上でメッセージを送り、一緒に話しながら宇宙を飛び交うゲームができる。ユーザーはゲームとしてではなく、むしろメッセージと同じコミュニケーション感覚で遊んでいたのです。

この2つのゲームがインスタントゲームの可能性を教えてくれましたが、気付けたのは今考えれば本当に奇跡でした。

### あなたにとって、「楽しいゲーム（Fun game）」とは何ですか。

__私にとって「楽しいゲーム」は、感情を揺さぶり、記憶に残るものです。__人とのつながりを感じ、どこか懐かしく、またやりたくなるような感情です。

「楽しい」という言葉は、ゲームの内容ではなく、プレイした時の感情を説明していますよね。

個人的に一番楽しかったゲームの思い出は、ボードゲームの「Risk」での友達との交流です。ゲーム上で自分たちで新しいルールを設定できるのですが、現実世界から逃避して新しい世界で人と触れ合い、友人の違う側面を見ることができました。

楽しさの定義はそれぞれですが、Playcoの場合は「ゲームの体験や、一緒にプレイした人の記憶が残ること」。

「身近な人たちと、またプレイしたい」と思ってもらえることが、私たちにとって一番大切なのです。

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## ソーシャルゲームで一世を風靡したZynga、DeNA出身者と共同創業した理由

### Playcoはあなたの他にジャスティン・ウォルドロン氏、大塚 剛司氏、テディ・クロス氏の3名が共同創業者です。なぜ、この3名に声をかけたのですか。

それぞれ得意領域が異なる4名の専門知識とネットワークを集めれば、最速で事業を展開できると考えたからです。

ジャスティン・ウォルドロンは大成功したソーシャルゲームを立ち上げたZyngaの共同創業者、大塚 剛司は元DeNAで怪盗ロワイヤル開発者であり、ソーシャルゲーム業界で大きなビジネスを立ち上げた経験があります。テディ・クロスはGame Closureの凄腕エンジニアで、韓国での経験がありました。

もともと、ジャスティンは2013年から、大塚さんは2019年からGame Closureのアドバイザーでした。ジャスティンはテディのプロダクト開発を毎週手伝っていました。

4人で話す中で、「Zynga・DeNAのモバゲーが成功した要因は、インストール不要でゲームができる仕組みだ。（Game Closureが開発する）技術は、当時と似たものを感じる」「__もし今インスタントプレイゲームができたら、かつての10倍以上広まるだろう__」という話が出ていました。

なぜなら、Zyngaが流行った約10年前のFacebookのユーザーは約1億人。対して現在のFacebook含むオンラインユーザーは約30億人と30倍です。スマホの性能も良くなっているし、モバイル決済の仕組みも発達している。インスタントプレイゲームが広まるのに、またとない環境です。

今こそインスタントプレイゲームを世界に広めるチャンスだと確信しました。

そのほかにも「もし社内に50人のゲームアーティストがいれば、もっとやれることがあるのに」「もっとゲームデザイナー、エンジニアがいたらいいのに」と話していました。

そう話しているうちに、ある日「自分たちで新しい会社をやるべきだ」と気づいたのです。そこから色々な人と話し、自分たちに何が必要かわかってきました。

シリコンバレーでは、新しいアイデアに向けたピボットは日常茶飯事です。Twitterは元々Podcastのサービスでしたし、Slackもゲーム開発の会社でした。

投資家も「新しい会社を作るのであれば、このようなビジネスモデルがある」と教えてくれました。Game Closureの経験から新しくPlaycoが誕生しましたが、Game Closureを解散するときに誠意を持って投資家への責任を果たしたことで、投資家は私たちの新しい挑戦を応援してくれています。

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> Playcoの共同創業者4名。左から、大塚 剛司氏、ジャスティン・ウォルドロン氏、マイケル・カーター氏、テディ・クロス氏
> 

## 日本はゲームでトップティア。シリコンバレーでなく、東京で起業を決めた3つの理由
### あなたは2018年にGame Closureの本社を東京に移動し、自身も移住しています。Playcoでも本社を日本に置いています。ビジネスの場として日本を選んだ理由は何ですか。

シリコンバレーよりも東京で会社を設立する方が、メリットがあるからです。全ての会社にあてはまるわけではありませんが、少なくとも私たちは心からそう思っています。

主に理由は3つあります。

1つ目は、__日本がゲームでトップティアの国であること。__
国内のゲームユーザー数は、中国、米国に次ぎ日本は世界トップ3に入る市場です。また、ポケモンやハローキティなど、IPコンテンツも豊富で世界でトップレベルでしょう。また、日本には国内外でヒットしたゲームやIPをつくる最高のゲーム開発人材も揃っています。

そもそも任天堂のSwitch、SONYのPlayStationなどのゲーム機は日本発です。京都に世界最強のゲーム会社（任天堂）があるのって、クレイジーですよね。

2つ目は、__単一かつ圧倒的なプラットフォームのLINEがあること__。

日本では、老若男女問わずほぼ全員がLINEを使っています。巨大なゲーム市場があり、圧倒的な1つのソーシャルアプリが独占しているため、LINEを通じて日本全体のユーザーをつなげることができるのではないでしょうか。

米国では、Snapchat、Facebook、Instagram、iMessageなどソーシャルアプリがユーザーの世代によって分散しているため、そう簡単にはいきません。

3つ目は、__東京は生活の質が高く、魅力的な場所であること__。

シリコンバレーと比較して、東京では優秀な人材を雇うコストがはるかに低い。また住宅価格、交通費、医療費などもかなり安く、インフラが整備されています。

もし米国の才能あるエンジニアに、「数年間東京に移住して、米国チームとリモートで仕事をしてくれないか」と頼んだら、彼らは大喜びするでしょう。

東京に拠点があることは、優秀な人材を惹きつける意味でも大きな競争力になるのです。東京は誰もが憧れる場所です。

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もちろん、シリコンバレーでも会社を設立する選択肢はありました。今のリモートワークの世界では、どこでも会社を設立できるでしょう。

ただし、最高の人材、最高の国内市場、最高のパートナーシップがある日本で始めることで、米国だけでなく、アジアの他の地域もカバーできると考えたのです。

シリコンバレーでは、「日本に進出するのは難しい」という思い込みがあります。もちろん言語の問題など難しい部分もありますが、私は試しにやってみようと思いました。

## 日本発グローバル企業をつくり、日本のエコシステムに貢献したい
### 最後に、日本のスタートアップに関わる人たちへのメッセージはありますか。

今回、私たちが日本を拠点にグローバル企業を新たに設立できたのも、過去にグローバルに挑戦した日本企業がいたからです。

例えば、共同創業者の大塚さんは2011年に米国に移住し、DeNA West（前身はDeNAが買収した米国ゲーム企業ngmoco、2016年に清算）で働いていました。

当時DeNA社長の南場さんが「この買収を皮切りに、世界に拡大するんだ」と言っていなかったら、私と大塚さんは一緒に仕事をすることはなかったでしょう。

こうして大塚さんのように日本から米国に移住し、シリコンバレーについて理解のある人たちが出てきました。逆に、ジャスティンは米国から日本に移住してZynga Japanの立ち上げを行い、再び日本で私と起業するなど、シリコンバレーと東京を行き来する人材です。エコシステムが育ってきていると感じます。

実はシリコンバレーは、何世代にもわたって発展するエコシステムの中で誕生したのです。Intel、Apple、Microsoftなど皆が知っている企業の歴史を遡ると、半導体企業のFairchild Semiconductor（フェアチャイルドセミコンダクター）の系譜にたどりつきます。ある会社で働く従業員が学び、新たに会社を立ち上げ、同世代の人たちが継続して新しい製品を作り続けてきたからです。

会社で学ぶのは、技術やイノベーションの文化だけではありません。グローバル市場に出て、グローバルな製品を作る大胆不敵さを受け継ぐことになるでしょう。シリコンバレーで私たちが常に、かつ自然に行っていることです。

__Playcoでもシリコンバレーの文化を引き継ぎ、日本を拠点に最高の人材を採用し、グローバル市場に参入することで、日本のエコシステムに貢献し次の世代に引き継いでいきたい。__

だからこそ、私たちは日本で起業すると決めたのです。

（取材・文：藤野理沙、編集：中村香央里、デザイン：廣田奈緒美、石丸恵理、写真：Playco提供）

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世界35億人をゲームでつなげる。僕が日本で起業する理由

## 「世界の人々をより近づける」ためのゲーム開発。新市場開拓へ

Playco（プレイコー）は、インスタントプレイゲームのプロデュース・開発に特化する世界初の企業だ。

インスタントプレイゲームとは、スマホなどデバイス上でのアプリダウンロード不要で、世界中の誰とでもすぐにプレイできるゲームを指す。

Playcoの創業者・代表は米国出身のマイケル・カーター（Michael Carter）氏。設立のきっかけは、カーター氏がゲーム企業Game ClosureのCEOを務める中で、後の共同創業者であるジャスティン・ウォルドロン（Justin Waldron）氏から助言をもらったことだ。

「インスタントプレイゲーム市場を新たに開拓するには、まず圧倒的な人気を誇るゲームを創り出すことが必要だ」との思いから、ジャスティン・ウォルドロン氏含む3名の共同創業者とともにPlaycoを設立した。

__グローバル展開を狙うPlaycoは、日本を最重要マーケットと位置付ける。__その理由は、2010年代に世界で初めてモバイルソーシャルゲーム市場の爆発的な成長を経験した国だからだ。

現在は本社を東京に置き、米国シリコンバレー、韓国ソウル拠点のほか、リモートワークベースで世界中から採用を実施している（本拠地登録は米国・デラウェア州）。

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なぜ、会社設立間もない企業が名立たる投資家から、これほど巨額の調達をできたのか。その秘密は、Playcoが目指すミッションとビジネスモデルにある。

Playcoのミッションは「プレイを通じて世界の人々をより近づける」。

創業者のマイケル・カーター氏は、「誰かと一緒にゲームをプレイすることは、他人とつながる欲求を持つ人間にとって、非常に重要な行為だと信じている。__会話やメッセージ送信のようにもっと気軽に遊べて、世界中の全ての人が楽しめるゲームを創りたい__」と語る。

何十億もの人が同時にゲームをプレイするためには、複数のプラットフォームとの連携が不可欠だ。Playcoはインスタントプレイゲームに特化したゲームエンジンを独自に開発。クラウドストリーミング、Google Play Instantなど、インスタントプレイが可能なすべてのプラットフォームとの連携が可能となる。この技術により、プラットフォーム上で手軽にゲームがプレイできる。

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> Playcoゲームのスクリーンショット（写真：Playco提供）

ビジネスモデルは、多くの人々が気軽にプレイ出来るフリーミアムモデルだ。基本的なゲームは無料で提供し、ゲーム内の課金と広告で収益化を目指す。

## 日米ゲーム界のレジェンド大集結。Playcoを率いる4名の共同創業者

日本と米国から集結した、Playcoの共同創業者を紹介する。

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Playcoの共同創業者は4名。代表を務めるマイケル・カーター氏のほか、ソーシャルゲーム・Zynga共同創業者のジャスティン・ウォルドロン氏、ゲームプロデューサーの大塚 剛司氏、ゲームプロデューサー兼エンジニアのテディ・クロス（Teddy Cross）氏だ。いずれもゲーム業界に知見が深いメンバーだ。

以前、ジャスティン・ウォルドロン氏は[INITIALのインタビュー](https://initial.inc/articles/across-the-gap003)で「日本で起業準備中」と語っていたが、今回発表のPlaycoがそれだったのだ。

__4名の共通点は、全員ゲームエンジニア出身な点だ。__マイケル・カーター氏はオープンソース接続プロトコルのHTML5 WebSocketの開発者だ。ヒットゲーム作品も多く生み出しており、ジャスティン・ウォルドロン氏はZynga Porker（ジンガポーカー）、大塚 剛司氏はDeNAで「怪盗ロワイヤル」、テディ・クロス氏は初期のHTML5ゲームをそれぞれ開発している。

国際経験も豊富だ。大塚 剛司氏は米国、テディ・クロス氏は韓国でそれぞれゲーム企業の勤務経験があるほか、マイケル・カーター氏、ジャスティン・ウォルドロン氏は数年前に米国サンフランシスコから日本に移住。共同創業者の3名は東京、テディ・クロス氏は韓国を拠点に働く。

Playcoには、ゲームに対する情熱と国際経験があり、世界数十億人を対象にしたグローバル市場を開拓するメンバーが揃っている。

## セコイアのほか、日米中心にゲーム・エンタメ領域に知見のある投資家がシリーズAで約100億円出資

最後に、Playcoの新たな挑戦を支える投資家を見てみよう。

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今回のシリーズAのリード投資家は、ゲーム開発者・エンジェル投資家のジョシュ・バックリー（Josh Buckley）と、セコイア・キャピタルが母体のセコイアキャピタル・グローバル・エクイティ（Sequoia Capital Global Equities）だ。

日本からはKSK Angel Fund、Mistletoe Singapore、デジタルガレージが投資家として参加。また米国からはSozo Ventures、Caffeinated Capital、Dreamers VC、シンガポールからMakers Fundが名を連ねる。ほかにも非開示の投資家がいる模様だ。

投資家の顔ぶれから、ゲーム・エンタメ領域に知見のあるグローバル投資家が集まっていることがわかる。デジタルガレージはPlaycoの前身であるGame Closureへの投資実績がある。孫泰蔵氏は「パズル＆ドラゴンズ（パズドラ）」を生み出したガンホーの創業者だ。

__共同創業者たちのゲーム業界におけるこれまでの実績と技術力、世界数十億人がターゲットになる巨大な市場、そしてわずか4年で年商10億ドルを達成し急成長したZynga（現在NASDAQ市場に上場）の成功事例があることから、投資家が集まった__と言える。

調達資金は主に、グローバルでの採用、プラットフォーム企業との連携強化のための施策に投入予定だ。すでにFacebook、LINE、楽天Viber、Snapchat等との提携を発表しており、今後これらの企業との連携を強化するとみる。

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INITIALではPlaycoの創業者マイケル・カーター氏と、共同創業者のジャスティン・ウォルドロン氏、大塚 剛司氏、テディ・クロス氏のインタビューを敢行。9月30日より「ニューゲーム特集」として、彼らのインタビューをお届けする。レジェンド集合の顛末や、新たに創り出すゲーム、日本を選んだ理由など、巨人が仕掛けるニューゲームの秘密に迫る。

（文：藤野 理沙、リサーチ：平川 凌、デザイン：廣田 奈緒美）


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ジョシュ・バックリー

Caffeinated Capital

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資金調達記事

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Playco、セコイアなどから100億円の大型調達。 日米ゲーム界のレジェンド集結

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NewsPicks Content Curator

FS業 営業部

某コンサルティングファーム マネージャー

サイバー大学客員教授 弁護士

メディア→教育 法律学科

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株式会社ヘラルボニー COO

iU（情報経営イノベーション専門職大学） 学長

CTFコンサルティング 代表

ビジネスライター フリーランス

株式会社 KUOTORE 代表取締役

株式会社やまとごころ メディア・コンテンツ事業部

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アクティブ・コネクター Founder

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表

化学素材メーカー勤務

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生成AIがにわかに注目を集め、SNSでも技術的な話とビジネスにどう生かすかの議論が白熱し、半ばカオスな状態だ。このタイミングで、伊藤穰一氏が新著『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』を上梓する。現在デジタルガレージ取締役を勤めながら、起業家、ベンチャーキャピタリスト、そして大学の教員として社会変革に取り組む伊藤氏が、生成AIが「革命的」である理由を語った。

三菱総合研究所 執行役員兼研究理事 生成AIラボセンター長

合同会社アルファコンパス 代表CEO

某上場企業 内部統制部門 部長

個人投資家

不動産の風下 閑理職

伊藤穰一氏に聞く生成AI、革命的なのに「トレンドを無理に追わなくていい」理由

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