INITIAL Circleで業界を越えたつながりを構築し、スタートアップ投資を加速させる
- スタートアップ企業との出会いの場の創出
- 他の利用ユーザー(主に事業会社やCVC)との交流
- スタートアップとの出会いの場の創出およびマッチングの向上
- 他の事業会社や異業種とも親交を深め、デスクトップ探索を越えた情報収集に寄与
- 普段のソーシング活動に加えて、”新しい気づきからのスタートアップ”との出会いを実現
CVCで挑む、新しい「価値創出」
現在のご職務のミッションや想いについて、お聞かせください。
瀧澤様 パラマウントベッドは1947年の創業以来、医療用・介護用ベッド、マットレスなどの製造、販売を行う企業です。私が所属する経営企画本部事業戦略部VCグループのVCとは”value create(価値創出)”を意味します。価値創出自体は社員一人一人が作り出すものであるといった前提ではありますが、私のミッションは社内外における新しい価値をつくることであり、その活動の一つがCVC推進活動です。
パラマウントベッド株式会社 瀧澤康平様
スタートアップと共にヘルスケア領域の未来を創る
御社が掲げるビジョンについて、教えてください。
瀧澤様 当社は2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」において「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」を掲げ、「医療」「介護」「健康」の各分野において、社会課題の解決に資する製品・サービスの提供や新たなビジネスの構築を通じてステークホルダーの皆様に貢献するとともに、企業価値の拡大を図っています。目指していく姿の実現や世の中へのインパクトを生み出すには、自社だけでできることは限られており、他社との事業連携がなくては、なかなかできるものではないと考えています。実現する方法の一つとして、2022年10月、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンド「PARAMOUNT BED Healthcare Fund」を設立しました。
投資スタンスや主要な投資領域・ステージについて、教えてください。
瀧澤様 当社ファンド投資の最大の目的は事業シナジーです。事業でのシナジーが生み出されなければ、スタートアップと当社の双方にWin-WInをもたらすことはできません。したがって、当社の事業部門が取り組まない領域には投資しないというスタンスをとっています。そういう意味では事業部とのコミュニケーションをとても大切にしております。投資スタンスを事業部と共有し、事業部の協力を得ながら投資先とのシナジーを生み出すことが、CVCに関する社内理解を得ながら運営するうえでの一つの要素として大事なポイントだと考えております。
「PARAMOUNT BED Healthcare Fund」は、ヘルスケア領域の未来を創る革新的な技術や優れたサービスを持つスタートアップ企業の成長を後押ししていきます。
投資領域は11個のカテゴリを設けています。当社各事業部に行った現状の課題や今後の方向性などのインタビュー調査を軸に選定した11個の投資領域は、各事業ドメイン(医療・介護・健康・国際)の領域で共創の可能性を踏まえたものになっています。
事業でのシナジーが見込める“シードからレイター、プレIPO”まで幅広いステージのスタートアップとのご縁を求めています。
PARAMOUNT BED Healthcare FundのWebサイト (https://paramountbed-healthcarefund.jp/)
INITIAL Circleでスタートアップとの距離が縮まり、事業連携が加速
INITIAL Circleを知ったきっかけ、INITIAL導入の決め手について、お聞かせください。
瀧澤様 パートナーを組む投資会社などに、ソーシング活動についてヒアリングを行った際、INITIALを活用していると知りました。INITIALの試用を通じて、その利便性を感じるとともに、INITIAL Circleという他の利用ユーザーとの交流の機会が設けられていることを知りました。単に情報を待つだけでなく、自らも能動的にスタートアップとの出会いやマッチングを求めていくべきと考えていた当社にとって、情報検索の利便性に加えて、このコミュニティの存在に魅力を感じ、INITIALの導入に至りました。
INITIAL Circleへ参加することのメリットについて、お聞かせください。
瀧澤様 INITIAL Circleは、新たな事業連携先との出会いの場として大変魅力的だと感じています。 実際にスタートアップピッチにおいて、これまでに出会ったことがないスタートアップと出会うことができ、実際に投資に繋がっています。また、これまで遠い存在であった異業種の事業会社とも、現在はCVCという共通点を持てたことで接点を持つことができるようになってきました。そうした異業種の事業会社の方々と親交を深められる場は貴重であり、スタートアップとの出会いに加えて”事業会社同士の交流”という側面もINITIAL Circleへ参加することのメリットであると感じています。
INITIAL Circleで異業種の事業会社と接点を持つことをきっかけに、新たなビジネスに向けた話を進めることもあります。また、当社で支援できないスタートアップに対し、親交のある事業会社を紹介するといった連携が図れる関係性を築けるようになりました。
繰り返しになりますが、スタートアップに限らず事業会社とのコミュニケーションの場が創出できる点がINITIAL Circleならではのメリットと言えると思います。
INITIAL Circleへ参加したことによって実際に生まれた変化などについて、お聞かせください。
瀧澤様
INITIAL Circleの「ピッチ&交流会」へは、その日登壇されるスタートアップの業界が直接投資につながらないようなテーマでも、積極的に参加するようにしています。
私たちは、スタートアップ探索だけを目的としてINITIAL Circleへ参加しているわけではありません。領域を問わず、さまざまな話を聞くことは、自分自身の学びにもなり、自社のCVC活動へのヒントにもつながります。これまで知る由もなかったビジネスモデルや、いま盛り上がっている投資領域などのトレンドをおさえられるようになったのは、INITIAL Circleへの参加によって生まれた変化と言えるかもしれません。
また、「テーマ別オフ会」は自社が得意とする事業領域以外はもちろん、これまで全く関連のなかった領域についても、学びを深める機会になっています。小売業界に関するオフ会に参加した際には、小売業界が目標を定めているところを知ることができました。
INITIAL Circleを契機に投資や提携に至った実績があれば、お聞かせください。
瀧澤様 2023年7月にニュースリリースが出ましたが、医療機関向けスマートフォンサービス「日病モバイル」を開発・提供する、株式会社フロンティア・フィールド社に対して出資を行いました。国内最大級の医療関連イベント「国際モダンホスピタルショウ2023」にフロンティア・フィールド社が出展した際、当社の製品も一緒に展示するといった事業連携が始まりました。
この出資のきっかけと言えるのがINITIAL Circleでした。2022年11月、INITIAL Circleのスタートアップピッチへ登壇されたフロンティア・フィールド社の佐藤社長のプレゼンを拝聴し、プレゼン後に直接コミュニケーションを取らせていただき、そこから事業連携を含めた出資に向けた話が加速しました。
当社とフロンティア・フィールド社はともに以前からお互いの存在は知っていましたが、INITIAL Circleでのコミュニケーションをきっかけに、より双方の距離が縮まり、事業連携・出資への検討が進んだと感じています。
業界を越えて認知を拡大し、多様な事業連携の実現可能性を高める
今後INITIALに期待することについて、お聞かせください。
INITIAL Circleには登壇スタートアップの出資者の方も来場されているため、交流の場を通して出資の決め手から事業連携の内容までに至る話を伺うことができます。
このような交流の場で様々な領域の事業会社の方と投資実績や活動内容に加え、社内の事業部との向き合い方やソーシング活動など、多くの情報交換を行っています。
今後は「PARAMOUNT BED Healthcare Fund」が投資しているスタートアップをINITIAL Circleの交流の場で紹介することもできれば嬉しく思いますし、スタートアップの今後の投資ラウンドで仲間に入っていただけるように認知を高める場になればと期待しています。
INITIAL Circleが他コミュニティと異なるところは、「データベースの基盤(INITIAL)」+「リアルに交流できる場(INITIAL Circle)」が融合されている点ではないでしょうか。「リアルに交流できる場(INITIAL Circle)」では、さまざまな領域のスタートアップ、事業会社とつながりを持つことができます。
2023年6月には、INITIAL Circleのオンラインコミュニティが立ち上がったと伺っています。事業会社の方々とINITIAL Circleの交流の場で親交を深めた後、次に交流するまでの期間が少し空いてしまうケースがあるため、その間、オンラインでコミュニケーションがとれる仕組みがあると嬉しいです。
INITIAL Circleのオンラインコミュニティ
今後の展望について、教えてください。
CVCの活動を通して、パラマウントベッドをより多くの方々に知って頂ければ嬉しく思います。当社は、睡眠領域に力を入れている会社であり、睡眠研究の専門部門として睡眠研究所を設立し、睡眠に関する研究等に取り組んでいます。睡眠領域において当社はさまざまな他社の強みと掛け算ができると考えています。こうした掛け算の可能性を高めるためにも、まずは業界を越えた認知度を高め、事業連携の可能性を見出していき、多様な事業連携の実現可能性を高めることを目指していきます。
INITIAL Circleコミュニティ担当 寺田とともに