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ノウハウゼロからのCVC活動、全員の幸せな未来に貢献するためのファミリーマートの挑戦

1973年の1号店開店以来、コンビニエンスストアとしての事業を拡大し続け、地域の社会インフラとしての役割も担うファミリーマート。より広い視野で持続可能な社会を目指すために、取り組みの一環として2022年にCVC活動を開始し、スタートアップとの協業を推し進めています。今回は、新規事業を担当するクリエイティブオフィス&8 川名将斗様にINITIAL Circleを活用したCVC活動の成果について伺いました。
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Interview Note
Interview logo image
会社名
株式会社ファミリーマート
導入の目的
  • VCや他社のCVCとの“横の繋がり”と情報交換
課題
  • 一般的なCVCへの取り組み方や他社の事例がわからない
効果
  • VCやCVCとの繋がりを通じて他社の取り組みを吸収
  • 同じ目的を持つコミュニティメンバーからの紹介で案件が発生
  • 他社事例を参考にして社内コミュニケーションを改善、PoCなどの実績が積めるように

ノウハウや知見がないところからのCVC活動

貴社が掲げている会社としてのビジョンや今展開している事業内容をお聞かせください。

川名様 ファミリーマートは、皆様に広く認知をしていただいてる通り「あなたと、コンビに、ファミリーマート」というコーポレートメッセージを掲げています。

また、ファミリーマートの基本理念の中で、「地域に寄り添う」、「お客さま一人ひとりに」、「家族のように」という「大切にしている3つのこと」を掲げていて、お客さまはもちろんのこと、ファミリーマートに関わるみんなの幸せに貢献することを目指しています。

具体的なビジョンとしては、2022年度からの3カ年の中期経営計画の中で、全国で約16,500店舗あるコンビニエンスストア事業の基盤を活用して新規ビジネスの拡大をしていくことを1つの柱に据えています。その一環で、2022年度からCVCの取り組みが始まりました。現在は、スタートアップと手を組みながら、様々な新しい取り組みを行なっています。

私の所属するクリエイティブオフィス&8という部署では、CVCの取り組みとともに新規事業を担当しています。この部署では「Create」、「Monetize」、「Linkage」という3つのキーワードを掲げていて、このキーワードのもとに業務に当たっています。

・「Create」  店舗を活かして収益を上げられるビジネスを創出をしていく

・「Monetize」 早期の収益化を実現していく

・「Linkage」  ファミリーマートに関わるプレイヤーみんなを繋いでいく

今のチームの人員構成と、設立当初からどのように変わってきたかお伺いできますか?

川名様 我々ファミリーマートは小売流通の企業なので、CVC活動を始めることになった際は、スタートアップ投資のノウハウや知見がある社員はいませんでした。そのため、我々ファミリーマートのプロパーの社員だけではなく、親会社である伊藤忠商事から当社に出向しているメンバー(=事業投資経験あり)にも加わってもらって、CVCのチームが走り出しました。

少人数で対応していることもあって、特に分野ごとに担当を分けたりはせず、ソーシングや社内外のネットワークづくりに全員で取り組むかたちで運営をしています。

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株式会社ファミリーマート 川名将斗様

スタートアップのグロースにいかに寄与できるかが重要

2022年度からCVCとして新規事業に取り組み始めたというお話でしたが、元々どういう経緯で始まったのでしょうか?

川名様 ファミリーマートは幅広い製品やサービスを取り扱っていますので、本当に数多くの取引先の皆様と連携をしています。そして、その中には当然スタートアップも含まれています。

スタートアップは、国会等でも「我が国の経済におけるイノベーションを生み出す主体として極めて重要な存在である」と言われている通り、そのプロダクトによって人々の生活を大きく変えることが期待されています。

そのスタートアップの皆様が持つ革新的な技術やサービスを我々の中に取り入れることで、我々の成長スピードも上がるのではないかと考えたことや、当社の持つ店舗等のアセットを使ってもらうことでスタートアップのバリューアップにつながるのではないかという期待がありました。

これらの考えから、これまで当社の中で新規事業を担っていた部門に、新たにスタートアップ投資の役割を加え、「クリエイティブオフィス&8」という社長直轄の組織を組成をしたというのが当部署の立ち上げ経緯です。

2022年から取り組まれてきて、この2年間でどう変わってきたかをお聞かせください。

川名様 その説明をする前提として、弊社のCVC活動は、スタートアップとの協業を作って成果を出すことがファーストステップとしてあって、それで事業シナジーが出ることが確認できた先に投資するという順番なんです。

ですので、1年目の投資検討は、当社と既に協業があったスタートアップが中心で、我々の部署が新たに探してきたスタートアップとの協業はなかなか実現できませんでした。それが最初に苦労したところです。

その後、社内各部署との連携を図りながら様々な活動をしてきて、我々の取り組みが社内でも少しずつ認知されてきたので、2年目の今はこれまでに協業実績がないスタートアップでもPoCをやったり、投資検討の俎上に載せたりできるようになってきて、少しずつ手応えを感じ始めています。

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これまでのCVC活動について振り返った

「既に協業できているところに出資する必要はあるのか」という疑問が出ることがあると思うのですが、そのあたりはどのように整理されていますか?

川名様 おっしゃる通り、社内でもその議論が出ることはあります。そのときは、この取り組みを始めた際の一番最初の議論に立ち返るようにしています。我々のCVC活動は、この取り組みによって事業シナジーを創出することはもちろんですが、対象となるスタートアップに我々のアセットを使っていただくことでその企業の価値向上に貢献すること、それに加えて投資によるキャピタルゲインを得ていくことを目的としています。

「協業ができているのに出資する必要があるのか」という議論が出た際には、最初にそのように目的設定をしたことに立ち戻るようにしています。

自分が探してきたスタートアップとの協業が会社の成長の種になる

どういう想いを持ってこの仕事に取り組まれているのかについてお聞かせください。

川名様 先ほど申し上げた通り、ファミリーマートは全国で約16,500店舗を有していて、その基盤を活用した新規ビジネスの拡大に取り組んでいます。

私の部署は、新規ビジネスの拡大に資する様々なスタートアップの情報に接することができ、売上拡大につながりそうなプロダクト、店舗の業務削減に繋がりそうな技術・サービス等に触れることができます。

その点では、我々CVCチームが有望な企業を探せるかどうか、探してきた企業と協業ができるかどうかによって会社の成長が左右されかねないと思っているので、熱意を持って企業を探し、部署として会社に貢献をしていきたいという想いを持っています。

これまで様々なキャリアを積んでこられたと思うのですが、その熱意はどこから生まれてきたのでしょうか?

川名様 キャリアでいうと、このCVCが立ち上がる直前までは、経済産業省の新規事業創造推進室というスタートアップ支援を管轄している部署に2年間出向していまして、そこでいろいろな経験をさせていただきました。

ただ、そのときはまだ社内でCVCは立ち上がっていなかったので、出向先ですごく貴重な経験はさせていただきつつも「戻ってからこの経験を何に活かせるだろうか」と思いながら仕事をしていました。帰ってくる1ヶ月前にこの部署が立ち上がってCVCの取り組みを実施することになり、有難くもそこにアサインをしてもらえました。

ですので、その2年間の経験を活かして、この会社に貢献できることがあるんじゃないか、私だからできることがあるんじゃないか、という想いが日々の活動の原動力になっています。

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INITIAL Circleで同じ目的を持つ仲間と繋がりが生まれ、情報共有の機会が増えた

INITIAL Circleにご参加いただいて、どんなメリットを感じているかお聞かせください。

川名様 INITIAL Circleに参加している一番大きいメリットは横の繋がり、しかも深い繋がりが作れるというところです。参加してスタートアップのピッチを聞きたいというのはもちろんですが、それを上回るくらい、ピッチを聞きに来ている方たちとのネットワークを作ることを目的に参加させていただいています。

弊社のCVC活動は本体投資なので、二人組合でVCと一緒にやっていたりするわけではありません。ですので、小売流通業で投資の経験がない私のような担当が、試行錯誤しながらみんなで学んで手探りでやっている状態です。そうした中でどういう情報が一番欲しいかというと、「他社はどうやるのか」ということなんです。

INITIAL Circleに参加して、VCや他社のCVCにその活動状況をお伺いすることができるのは、非常に大きなメリットです。

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私はコミュニティの場が決して得意なほうではないのですが、「Circle」という言葉が象徴しているように、目的を同じくした人が集まっている場なので、そういった情報交換がしやすいと感じています。また、毎月開催されるので顔見知りが増えるというメリットもあります。

INITIAL Circleを契機にして投資や提携に至った実績はまだ残念ながらないのですが、ほぼ毎回参加させていただいてるので、顔見知りの人が増えてきて、その方々からスタートアップの企業を紹介していただくケースが出てきています。それはこのINITIAL Circleに参加したからこそ得られた機会ですので、本当に大きな効果を実感しています。

それから、最近オンラインコミュニティができたことで、コミュニティに参加している人同士であれば、メールアドレス等を知らなくても連絡を取りあえる環境ができました。それによって、VCの方から直接「今度お話をさせてもらえませんか」という連絡をいただくケースも生まれ、すごくありがたいツールを作っていただいたなと感じています。

INITIAL Circleに参加することで社内のコミュニケーションは変わりましたか?

川名様 いくつか変わった点があります。まず、他社がどうやっているかという情報を持っていなかった中で、INITIAL Circleに参加したことで「やはり同じ悩みを持っているんだな」「こういうふうに課題を解決しているんだな」という情報を知ることができたので、それを社内の事業部とのコミュニケーションに活かすことができました。

また、最初の方に申し上げたように、CVC活動を行う中で、1年目は協業がない企業とのPoC等ができなかったんですが、他社のやり方をうまく取り入れながら社内の事業部との調整を進めてPoCを実施できるようになってきたので、それが1つ大きな成果としてありました。

社会課題を解決し、今まで以上に“なくてはならない存在”に

INITIAL Circleに今後期待することがあれば、ぜひ何かご意見いただけたらと思います。

川名様 既に十分すぎる活動をしていただいていて、要望は特にないのですが、参加するメリットとして一番大きいのはネットワーク拡大という部分なので、このINITIAL Circleというコミュニティの輪を拡大し続けてほしいという想いはあります。

ここ数ヶ月でピッチを聞く席が増設されたり、オンラインコミュニティを作っていただいたり、実際にサークルの輪がどんどん拡大しているのは肌で感じていますので、今後も拡大をし続けていってスタートアップ界隈における一大コミュニティになってほしいです。

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最後に、御社の今後の展望や、ご自身が成し遂げたいことについてお聞きしたいです。

川名様 我々の部署は、スタートアップの皆様が持っている革新的な技術やサービスを活用してファミリーマートの価値向上を図っていくというミッションを持っていて、会社としては、お客さまも含めファミリーマートに関わる人たちみんなを家族だと捉えて、全員の幸せな未来に貢献していくというビジョンがあります。

ですので、まずは「対お客さま」という視点でファミリーマートの利便性をさらに向上させていきつつ、「対社会」という視点で、食品ロスの削減やCO2の排出量削減などの社会課題にも取り組んでいきたいです。

それから、ファミリーマートの店舗を運営してくださっている「対加盟店」の視点では、省人化や省力化など、店舗の業務効率化に繋がる技術やサービスを導入していって、より店舗運営をしやすい環境をつくっていくことに貢献したいと考えています。 それらを実現することでファミリーマート自体が今まで以上に”なくてはならない存在”になることを目指していきます。

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INITIAL Customer Success 担当 伊保とともに

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※本インタビューは、2023年8月に行いました。
※画面デザインおよび機能名称は、インタビュー当時のものです。

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