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“ベンチャー企業のDNA”が流れる大日本印刷のオープンイノベーション推進

「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントを掲げ、印刷・情報技術を基盤に、モビリティやエレクトロニクス、メディカル・ヘルスケア分野にも進出している大日本印刷株式会社(DNP)。幅広い事業に取り組む中で、資本業務提携やM&Aを通して、オープンイノベーションの推進に取り組んでいます。今回は、事業推進本部でM&Aや資本業務提携のディールに携わっている事業推進本部事業開発部 スペシャリスト 金澤慶一様に、INITIALの果たす役割について伺いました。
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Interview Note
Interview logo image
会社名
大日本印刷株式会社
導入の目的
  • 資本業務提携やM&Aを推進するためのスタートアップ情報管理
課題
  • スタートアップの情報管理にかかる時間を削減し、事業を加速させる
効果
  • スタートアップのサーチにかかる労力を削減、事業のスピード感アップ
  • 接点を持ったスタートアップの情報を一元管理
  • 同じ課題を抱えたコミュニティ参加者とのコミュニケーション

印刷事業にとどまらない“未来のあたりまえ”を創る

まず貴社の事業内容や掲げているビジョンについて教えてください。

金澤様 当社は、印刷技術や情報加工技術を核にして成長してきた会社です。創業は1876年(明治9年)で、当時は秀英舎という社名で、明治時代のベンチャー企業のようなかたちで始まりました。1935年に大日本印刷となり、その名前の通りみなさんがよく目にするような出版印刷などを扱っていました。

現在の事業内容をお話しすると、大きく3つの部門があります。1つがスマートコミュニケーション分野です。こちらは、既存の出版物やチラシ・カタログ等の紙メディアに加えて、情報セキュリティやイメージングコミュニケーション関連(写真プリント用記録材など)、あるいはコンテンツやXRを扱う部門です。

もう1つは、ライフ&ヘルスケア部門です。パッケージや建装材、飲料事業のほか、メディカル・ヘルスケア関連やモビリティ関連、産業用高機能材関連などを扱っている部門になります。 最後のカテゴリとして、エレクトロニクス部門があります。こちらは、デジタルインターフェース関連(ディスプレイ用部材)や半導体関連を扱っている部門です。 大日本印刷と聞いてみなさんがイメージする紙の印刷という業態から、大きく事業領域が広がってきました。

DNPグループは「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントを掲げており、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供するということを企業理念として、持続可能な社会や心豊かな暮らしを実現するという長期的な視点に立って事業活動を行っています。

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大日本印刷株式会社 金澤慶一様

2030年以降を見据えた事業開発のあり方を探る

金澤様の部署の業務内容や役割を教えてください。

金澤様 我々が所属する事業推進本部は、先ほど掲げた目標に向けて、DNPグループの今後を見据えた事業のあり方や戦略を策定するストラテジックな組織です。

私はその中の事業開発部という部署で、特に2030年以降を見据えた事業開発のあり方を検討するというミッションに取り組んでいます。私の役割としては、M&Aや資本業務提携のディールマネジメントやエグゼキューションに関わる部分になります。

組織としてはかなり前からあって、資本業務提携などを含む外部との連携やオープンイノベーションについて戦略的に取り組んでいました。

M&Aや資本業務提携は、資本を用いて相手方との関係性を作っていくというファイナンシャルかつストラテジックな取り組みなので、お互いの考えや方向性が一致しないとなかなか成立しません。ですので、周辺環境や市場などを含めた様々な情報を鑑みながら取り組んでいくことが大切だと考えて業務に取り組んでいます。

実際に事業開発に取り組まれる中で、金澤様ご自身が成し得たいことや、「DNPをこうしていきたい」という個人としての想いについてお聞きしたいです。

金澤様 以前にDNPを離れてデロイト トーマツ ベンチャーサポートでイノベーションコンサルタントという立場で大企業の新規事業創出をご支援していた時期があります。その際に、オープンイノベーションも含めたスタートアップとの連携や大企業同士の連携、あるいは大学との連携など様々な組み方を経験し、それぞれがうまく回るような仕組み作り、関係性作りを経験してきました。

「ジョブ・リターン制度」というDNPの復職制度を使って戻ってきたのですが、デロイトでの経験を還元しながら、DNPが掲げている目標に早期に近づくように、新しい事業を生むきっかけや仕組みを考えていければと思っています。

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これまで様々な会社を見られてきて、DNPに戻る以外の選択肢もあったとは思うのですが、DNPにどういう可能性を感じて戻られたのでしょうか?

金澤様 最初と重複しますが、元々は紙に印刷をしていたところから、エレクトロニクスやメディカル・ヘルスケアなどへ事業領域が広がってきたように、新しい事業のきっかけとなるポイントが多くあるのがDNPの魅力だと感じていますし、DNPでの事業創出に再び携わろうと考えた動機の1つになっています。

“頑張って調べる”労力をINITIALで削減

INITIALを普段どのように使われているのかお聞かせください。

金澤様 M&Aや資本業務提携を実行する中で、スタートアップの情報を収集するツールとして使っているのがメインです。株式の関係や調達額、今どのシリーズなのかといった情報がとてもまとまっているので、案件が出てきたときに確認しているほか、イベント等で登壇したスタートアップがどういう状態なのかを知るツールとして役立っています。他にも、類似企業を調べたり情報を共有したりという使い方もしています。

INITIALにどのようなメリットを感じていらっしゃいますか?

金澤様 少しマイナスに聞こえるかもしれないのですが、INITIALにある情報は、頑張って調べればある程度は集められるとは思うんです。ただ、そこの“頑張る”という部分を削減できて、スピード感を持って事業開発に取り組めるのは非常に効率的です。スタートアップのサーチをする作業全体で言えば大体5割程度の労力削減になっています。

それによって創出した時間を本来の業務、たとえば事業構造を理解するとか、提携関係の中で押さえなければいけないポイントはどこなのかという論点整理に使う時間に充てることができています。

INITIALのステータス管理についてもお伺いしたいと思います。ステータス管理はここ1年ぐらいで始まったサービスですが、利用する前後でスタートアップの情報管理は変わりましたか?

金澤様 INITIALを利用する前は基本的には名刺管理が多かったのですが、名刺には企業名、氏名、電話番号くらいしか情報がなかったので、さらに具体的な情報をまとめるために、たとえば会社ホームページなどを見てエクセル等で事業内容の概要などを整理していました。

エクセルを開いて、対象会社のHPを開いて、違う情報を見て、と何段階か踏んでいたところが、INITIALを使って会社名で検索すれば必要な情報が出てくるようになりました。また、この会社をどこで見たのかという情報を後から振り返ることができるので、情報管理の負荷は軽くなりました。

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INITIALのステータス管理機能

実際の使い方としては、元々デフォルトで入っていた項目に加えて「面談後」「投資検討中」「投資協業実行中」「資本業務提携完了」といった項目を作成して管理しています。あとは、ディール成立後などのディール管理に関するタグや、スタートアップピッチに登壇していた企業にタグをつけるなどの運用を行っています。

メモにはあまり深い情報を入れていないのですが、たとえばどういうピッチイベント登壇情報や、投資の実行、締結後にニュースリリースを出したという情報などは記録しています。

今後ステータス管理機能に期待することをぜひお伺いしたいです。

金澤様 ステータス管理自体は、私自身も備忘録的な使い方になっていて、正直まだ使いこなせていない部分があります。やはり情報共有に利用されるケースが多いのでしょうが、我々の部署はM&Aや資本業務提携という社内でも極秘の情報を扱っているので、他人に共有しにくい部分があります。

そうした中で、どういう情報共有のかたちが良いのかを考えながら、機能の使い方について検討したいと考えていますが、我々の立場で言うとディール管理などに結びついてくれると嬉しいですね。

INITIALのコミュニティについてはどのように感じられていますか?

金澤様 この数ヶ月でINITIAL Circleのピッチイベントに何度か参加させていただきました。スタートアップとコンタクトを直接取れるのはもちろんですが、その後にオープンなスペースで、同じ悩みを持っていたり似たような取り組みをしている参加者の方と直接コンタクトができるところが非常にありがたいです。

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また先ほど申し上げたように、登壇されているスタートアップをINITIALで調べてステータス管理ができるので、イベントで得た情報を一括で管理することができています。

最近オンラインのコミュニティも新たに立ち上がりましたが、そちらはまだ領域ごとに集まりを開いていて楽しそうだなと見ているだけなので、そこで同じような経営企画の集まりや、事業会社でM&Aディールに携わっている人たちと出会えるとまた面白いのかなと思います。

スタートアップ投資を成功させるための事業部門のマインド

大企業でスタートアップ投資を行うにあたって様々な課題があると思いますが、それを乗り越えて、事業部から上がってきた案件をエグゼキューションまで行うための秘訣をお伺いしたいです。

金澤様 当社は事業領域が広いだけではなく、事業部門それぞれが特色を持った事業をしていますので、それぞれ抱えている課題も考えるシナジーも違いますし、それぞれにフィットするような取り組みを考えようというマインドが事業部門の中で根付いています。

まさに時代に合わせて事業形態を変えられてきている会社のDNAがあるんですね。ちなみに、事業部の方はもうスタートアップとの取り組みにも慣れていらっしゃるのでしょうか。

金澤様 部署や事業部門によります。今年度にリリースしたものでは、SCIVAX社とナノインプリントに関する合弁会社設立や、CRO(医薬品開発支援)、治験等に強みを有するシミックホールディングス社と戦略的事業業務提携を結び、同グループのシミックCMO社へ資本参加し、DNPグループに迎える取り組みを行ってきました。

これらはかなり大きな投資ですが、大きな相手との取り組みができるのは、事業部門の一つ一つが大きなビジネスをやっているからだと思います。

スタートアップ関連では、アート系ECの運営やアーティスト支援を行うTRiCERA社とDNPグループのDNPアートコミュニケーションズが資本業務提携したのですが、これは現代アートという1つのカテゴリの中で、強みとなるプラットフォームを作っていこうという取り組みです。

この他にも、メタバースの構築・運用や脳科学とテクノロジーを組み合わせたブレインテック事業に強みを持つハコスコ社をグループ会社化、量子コンピューターのソフトウェアを開発に強みを持つエー・スター・クォンタム社との資本業務提携もあります。

このあたりは、モノづくり(プロダクト)とコトづくり(サービス)で少しテイストが変わるのですが、特にスタートアップ案件に関してはイノベーティブなことをやっている方々が多いのはコト作り系だと思うので、そういった企業とは取り組みやすいのかもしれません。

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関わったディールでお互いに成長していけることが喜び

INITIAL全体に対して、「こうなってほしい」という期待はありますか?

金澤様 私たちはストラテジックかつファイナンシャルな組織に所属しているので、相手方の状況やバリュエーションなどの情報まで管理できると非常に役立つと思います。ぜひその部分をお願いしたいです。

あとは、今後の話になりますが、当社は、投資ステージは特には定めておらず、事業シナジーを求めて最適なところと組んでいくというのが基本的なスタンスになっています。ですので、接点を持った企業の成長も含めて追っていけるとより使いやすくなると思っています。事業やビジネスモデルの変遷、あるいはアライアンスなども含めてどのように成長を遂げていったのかという部分を追えるとすごくありがたいです。

様々な企業と提携を行って、SPEEDAとINITIALを行ったり来たりするような取り組みになっているので、そこの連動性も含めて管理ができると嬉しいです。

最後に、貴社全体そして金澤様個人として、今後の展望についてお聞かせください。

金澤様 会社としては、新中期経営計画で掲げているROE10%、PBR1超を早期に実現することを目指しています。そこに向けてM&Aや資本業務提携を通して新たに成長事業を生み出していくことが重要になるので、これからスタートアップを始めとしてオープンイノベーションの推進に取り組んでいくことが私の当面のミッションです。

そうした目標に向けて頑張れるモチベーションはどこから湧き出るのでしょうか?

金澤様 やはりM&Aや資本業務提携を行う部署に身を置いていることで、事業活動そのものとは違う大きな動きの中で仕事ができていて、すごく面白いと感じています。今まで関係のなかった会社と繋がることもありますし、我々が関わったディールでお互いに成長していけるところが喜びになっています。

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※画面デザインおよび機能名称は、2023年9月当時のものです。
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