本記事では、マザーズへの新規上場が再開した2020年6〜7月、上場後の初値の傾向や各社の株主の特徴を通し、スタートアップのEXIT動向をお伝えする。
6月から7月にかけては11社が上場(2020年7月21日時点)。いずれも初値騰落率は100%超となり、投資家からの買い注文が集まる結果となった。
中でもBranding Engineerの騰落率は495.9%、フィーチャの場合は805.8%にまで達し、公募価格との大きな乖離を見せている。
こうした騰落率高騰の背景には、上場時の資金調達規模や既存株主のEXIT方針が関係している。そこで今回は設立後の経過年数が長く、VCからの調達を行っている3社に焦点を当て、資本政策の特徴とEXITの理由について解説する。
また8月上場予定の、画像解析AIソリューションを提供するニューラルポケットがわずか2年半でのスピード上場を果たした理由を考察していく。
6月下旬以降、上場した11社全てが初値騰落率100%以上を付ける
先月のExit Reviewでは、6月に上場再承認を行った6社は、3月中旬以降の市況急回復にもかかわらず、いずれも上場取消前の公募時価総額を大きく下回ったことについて言及した。
下方修正した数値での公募価格割れは各社にとって避けたい事態と考えられるが、蓋を開けてみれば、6月に上場した6社はいずれも公募価格を初値が大幅に上回る結果となった。
その流れは現在も継続しており、7月に上場した5社も騰落率は100%を越えている。2019年に上場した86社の初値騰落率の平均値は約75%であることを踏まえると、昨年よりも高い初値水準といえるだろう。
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